もうグダグダなんですが、奇特な方がいらしたので続きです。
これは、ひねくれてはいるものの、私なりの闇ラスな話で
もっと短かい予定でしたが、いらん要素をよくばって、迷走中。
以下注意書き読んでOKなら、どうぞ。
<注意書き>
・闇主がラス以外となんてイヤだっ!という方はお引き返し下さい
・闇主のイメージをまず間違いなく害します。
(自分で闇主と打つのに躊躇ってマス)
・原作にない捏造キャラが出てきます。
・萌えシーン無いです。あしからず
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関係のあった相手というのは、いとも簡単に身体が重なるのだなと思う。
名が変わったらしい目の前の男は、決定的な何かを変質させているのに、あたり前の様に彼女の躯に馴染み、内に入り翻弄した。
せかされるかと思えば、じらされ
じらされるかと思えば、せかされ
凶暴な波にさらわれていく。
決して、主食になりえない男。
美しすぎる容姿も、強大な力も、まとう全てが禍々しい毒でしかない。
毒ゆえに惹かれるのもまた真だが、安定を欠くことを彼女は好まなかった。
だが、そんな彼女であっても、制することの出来ない想いがある。
容赦なく与えられる熱に狂いながら、砕けてしまいたくなる。
誰のものにもならなかった男が、冷ややかな瞳の奥に焦燥を隠しているのがわかるから、一層引き摺られてしまう。
「――――で、何があったのだ?喧嘩でもしたのか?」
まだ気だるさが残る中、余韻を払うように女はわざと冷めた口調で問いかけた。
「何の話だ?」
何をきかれたかわかっているくせに、闇主はすっとぼけた顔をする。
「だから、王蜜の姫君とだ。どうせ、お主が困らせるようなことして、つまらないことで仲違いしたんじゃないか?」
「お前には関係ないだろう。だいたい、情事の後で普通そんなこときいてくるか?」
無神経だ、ルール違反だ…云々と闇主はぼやいた。
この男だけには、普通だとか無神経だとかは言われたくないなと苦笑しつつ、女は続ける。
「さんざん人のことを犯しておいて。私には聴く権利があると思うぞ?」
そう、この男が底意地の悪い抱き方をするのは今に始まったことではないが、あそこまで容赦ないのはやはり理由があるというものだろう。
「そりゃ、悪かったな。だが、お前も随分愉しんでいたように見えたがな?」
意地の悪い一言を添えるのを忘れはしないが、闇主は心底嫌そうに頭をがりがりとかきむしった。
「別に仲違いって訳じゃないが、ちょっと面倒くさくなったのは事実だな。人間のルールに合わせてやるのとか、両の手が一杯なのに何でも持とうとする馬鹿なあれとか」
それ以上話す気はないらしく、真紅の魔王は端正な顔を思い切りしかめて、視線を逸らした。子供の態度だ。
「まあ、いい。私はもう去るから、お主はこの跡消してから戻れよ」
つつーと背中の赤い筋を指でたどる。互い違いに残るそれは、不本意ながら追い詰められて自分がつけた爪跡だ。
「あん?そんなこと必要ないさ」
「必要ないってことはないだろう。こんなもの目にしたら、ますます仲がこじれるぞ?」
親切で言ってやってるのに、男はますますむくれた。
「だから必要ないんだよ。あいつがこれを目にすることなんて、ありえないからな」
「・・・・・・?まさかとは思うが――」
「そのまさかだよ。俺としたことが、まだ手を出しちゃいない」
驚きのあまり、女は言葉を失った。
「あいつはまだガキで、とことん色事に疎いんだよ」
ナリだけは育って美味そうになっているだけに、本当に性質が悪い・・・等と闇主はこぼすが、女は更に驚き呆れるばかりだった。
「お主の台詞とは思えぬな。歳に比して初心なだけなら、これ幸いとばかりに誑かすのがお主という男であろう?気分次第で、他人のものでも奪う外道のくせに」
「昔の女というのは要注意だな。悪事もみんなバレていやがる」
悪名高き柘榴の妖主は、しかし何でもないことの様に浅く嗤うと、身を起こしかけた女を傍らに引き戻した。
他人のものといえば、この女もそうだったな――――闇主は、しばし過去に思いを馳せながら、その長い指で腰まである女の髪を戯れに攫った。先程までの熱で湿気をはらんだそれは、ぬめるように腕に絡む。
魂の共鳴相手でもある恋人がいるのは知っていたが、他人のものは蜜の味でちょっかいを出した。初めて目にしたとき、魔性に珍しい優しげな風貌と、唯一人をみつめ幸福そうなあどけなさが、踏み躙りたくなるような女だった。手に堕ちたら興味がなくなると思っていたが、女がちょっとした変化を見せたので遊びは長引いた。弄んでいるうちに、線の細い優しげな印象は消え、恋人とも自分とも平気で寝るしたたかさを身につけたのだ。
あれは完全に堕ちようとしない、女のあがきだったのかもしれないが。二者の間で安定するならば、それも良かろうよ――彼は当時、傲然とそう考えていた。
僅かしか残っていない砦を脅かすのも面白そうだったが、そこまで徹底して遊ぶ類の執着は持てなかったし、虜にして壊してしまう展開には飽いていた。すると、したたかさを身に着けた女は、意外に役立つことがわかった。なかなかに聡く、妙にカンが良かったので、こちらの機微を読み、不快でない程度に気分を変えるのが巧かった。そう、先程のモノクロームの中に浮かび上がる炎を作ったように。虚勢であったとしても、へつらわない態度も悪くなかった。
でも結局のところ、遊びが長引いた分、執着が薄れたといえる。あれは、新しい玩具を見つけたからだったろうか。この女と寝なくなったきっかけは思い出せない。そのくらい、最後は惰性であった。
真紅の青年がろくでもない過去の記憶をたどっている頃、女も何かに思いをはせていたらしい。
男の肩越しに部屋の天井をぼんやりと眺め、やがてポツリと言った。
「しかし、それはそれでまた酷なことだな」
「・・・何の話だ?」
「先程の話だ」
「さっきの?」
「まだそういう仲じゃないという、信じられない話のことだ」
「それが、なぜ酷なんだ?俺としてはこれ以上ないくらい大事にしてやってるんだがな」
気の短い真紅の青年は、話の見えない煩わしさに眉をしかめた。そういう表情であっても彼らしく魅力的なのだから困ったものだと、女は内心苦笑する。
「しかし、王蜜の配下に狙われて、ずっと逃げているときいたぞ?」
「まあな」
「王蜜の姫君は、元いた浮城にも戻れていないのだろう?」
「そりゃ、この状況じゃ無理だわな。というか、お前よく知ってるな」
「魔性の間でも、かつてないような騒動だからな」
それは嘘ではなかったが、自分が他ならぬ彼の動向を気にかけていることを、女は口にする気がない。
「だが、わからんな。追われてることと、酷なこととどう繋がる?」
「金の姫君は半人半妖といっても、人として生きているのだろう?妖貴達に追われ、命の危険に晒されている。まあ、お主がついてるし、こうして抜け出すぐらいだから、常に危険という訳ではないのかもしれぬが。でも、これまで身を置いてきた社会、浮城とも切り離されている。人間というのは、命の危険があるときに本能で。属する社会から切り離されたとき、不安を埋めるために。この二つの状況下で、身体を重ねたがる生き物だろう?」
「・・・そういや、そうだったな」
女がよどみなく話すのを、どこか遠い世界の物語のように、闇主は虚をつかれた顔できいていた。
「見事に二つの条件は揃っていて、お主のような油断ならない男が傍にいて、そうならないとはわからんな。人は安定を求めるものだろう?大事になどと、らしからぬことを言ってないで、抱いて楽にさせてやればよいだろうに。それとも、そうさせないで不安定な揺らぎを楽しむ趣向なのか?」
お主ぐらい悪趣味な男なら、そういう愉しみ方もありか・・・などと女は軽口を叩く。真紅の青年はしばらくの間ぼんやりと沈黙していたが、やがてはじけるように笑い始めた。
「なんだか、酷い言われようだが・・・俺はそこまでうがって禁欲するようなタイプじゃないんだが」
心底可笑しそうに、肩で息するほどの品の無い大笑いである。女がその笑いの仮借なさに呆れる中で、彼はまだ笑い足りないと大げさに身をよじり、人間らしいそぶりをしてみせた。
「あれを知らない者の意見ってのは・・・傑作だな」
どうにも収まらないらしい笑を抱えて、途切れ途切れに語る。
「でもそうだったな。あれは安定なんてものとは無縁の存在だから、あてはめて考えることが無かったが――――結局魔性の身だったとはいえ、人間の価値観で動いている訳だし、人間ってのはそういう生き物だったな」
彼の脳裏には、焼きついて離れない朱金の輝きがあった。
傷ついて傷ついて、それでも――――いや、だからこそ煌く命の炎。
「まあでも、不安を埋める為に…なんて器用さは持ち合わせてないから、やっぱりそういう色っぽい路線はなしだ。あの強情者は決して自分を曲げないし、別のものでごまかされないからな」
やれやれと闇主は大げさに溜息をつきながらも、言葉の端々には愛しさが滲み出ていた。
初めて目にする彼の表情に――――この恐ろしき柘榴の妖主が真実捕らえられている奇跡に――――女は目を奪われた。
彼女の胸に、鈍い、けれど確かな重みで喪失感がよぎる。だが、それでも安堵の方が大きかった。妖主は強大過ぎて、恋の相手には向かない。ましてや、この気紛れな真紅の魔王と関わるのは、危険すぎる。
もう自分は、思い出したようにやって来た彼を、もう一度があるかもしれない等と、あるはずのないことを虚しく待たなくていい。弄ばれることも、それでも焦がれることも――――このとき初めて、女は自分の想いと向き合っていた。
残酷な子供のような、真紅の闇の化身。こちらを引き付けてやまない魅力であふれているのに、自身は気ままで、決して誰のものにもならない。
そんな存在に捕らわれた心を認めてしまえば、狂気におちいることは分かりきっていた。卑怯で浅ましくとも、昔からの恋人と関係を保つことで、自身の安定をはかるしかなかったのだ。
誰の者にもならなかった男が、他者に捕らわれていることを知った段階で、初めて自身の想いを振り返る――――自己保身に長けたこの女の在り様は歪んでいるが、彼女の胸の内は静かだった。
女にはラエスリールという存在がまるで想像つかない。けれど、この罪作りな男が奇跡の娘とどのような道をたどるのか、せめて遠くで見届けたいと不思議な穏かさがあった。
<To be continued>
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長くて、しょーもなくて、本当ごめんなさい!!
まだ続くんですが、どうにも切るところがなく、無理矢理切りました。
なんだか捏造キャラが前に出すぎですが
別に千禍さんのお気に入りとして書いてるつもりは無く
遊びであっても、えっちは同じ相手と何度か重ねた方が愉しくね?
という思考から、このノリに。
まあ、1回ヤって不味ければ、即ポイでしょうが。
ところで。
この二次小説を書いてみて、初めてファンタジーの設定を実感しました。
普通、昔の男と久しぶりに寝たら
「あ、少し筋肉落ちたかな。見慣れた肩幅は変わらないけど」
みたいな時間の流れを感じるもんだと思うんですよね。
でも、魔性ってキレイなまんまで、本当時間が関係無い。
オマケにやつら、眠らないし食べない飲まない。
情事って3大欲求の1つだし、food&bedというくらい密接に関係してんのに
どれも描写に使えないなんて、ものすごいやり辛いですわ。
眠らないんじゃ情事の翌朝も意味ないし、そりゃ彼らに精神的成長を求める方が間違ってるよなあ・・・などと、妙に納得しました。