「あ、は、はい、えーと若林 ちい子です。一生懸命頑張ります!一応パソコンの事は得意なんで何でも聞いてください!でも私ここでは新人なんで、わかんな事がたくさんあると思うんで教えてください。」

そう言うとちい子は皆に向かって深々と一礼した。

その瞬間俺の頭にまたあの時の思い出が帰って来た

朴…

もうというのか、まだと言うのかよくわかんないが

俺にはこの光景がずっと昔の事のように懐かしく思えた。

未練?

そんなのはもうないぜ

過去は振り返らない主義なんでね

ただ、心に残った事もある

あの頃は自分の気持ちを伝える事ばかりを考えて

相手の気持ちを考える事ができなかった

今度は、今度こそは…

『おーい高男!』

ん?

『たーかーおー』

んん??

伊藤課長の声が…

俺を呼んでいる?

『は、はい?』

俺がはっきりしない返事をすると伊藤課長がタメ息ひとつ

『おまえ話聞いてたのか~?』

『は?…い、いえ、すみません』

伊藤課長の顔が一瞬にして曇った

『まったく、しょーがない奴だなおまえは』

『新人の若林君の面倒を慣れる迄の間渡部君に見てもらうから、よろしく頼むぞ』

え、えええ!!と思ったが伊藤課長の目が喉まで出掛かった言葉を無理やり押さえ込む

『はい、わかりました。若林さんよろしくお願いします。』

俺がそう言うと若林さんはニコリと笑った

『こちらこそよろしくお願いします。』

その後ちょっとした連絡事項があってすぐに朝礼は終わった。

こうして㈱B.E.Mに新しい社員が加り、高男はまた新たな道を歩みはじめた。

朴さん…

朴さんと別れて気づかされた事があるんだ。

あの頃は自分の気持ちを伝える事ばかりを考えて

相手の気持ちを考える事ができなかったね…


今度は、今度こそは、好きな人が困った時

そんな時は

1番に気づいてやれる自分でいたいんだ

そー思ったんだ。

つづく