コーポ若葉に帰ると、入口に若葉さんの姿があった。


「シャブちゃん見つかった!?」


「ええ。お騒がせしました…」


夏樹が抱えているシャブを若葉さんに見せる。シャブは夏樹の腕の中でスヤスヤ寝ているようだ。


「そう!良かった~!もう!心配したんだから!」


「すいませんでした。」


「とにかく走り回って疲れたでしょ?お茶でも飲んでいって。」


そう言うと俺達の返事を聞く間もなく、どうぞどうぞと若葉さんの部屋に上げられた。


「じゃあお茶入れてくるからゆっくりしててね~」


「あ、はい。」


若葉さんは台所に行く。居間は俺と夏樹の二人きり…

シーン…


沈黙が続く。


俺の中での夏樹への気持ちの変化が俺の言葉を詰まらせていたのだろう。


何て言っていいかがわからない。


夏樹もその空気を感じてか押し黙っている。


「て、テレビでもつけるか?」


「うん…」


ぎこちない会話…


プチ

俺はリモコンのスイッチを押す


この時間だとニュースか…

「えー先程、不法侵入の疑いで都内在住の沢垣 大地容疑者を逮捕しました。容疑者はアイドルの安田美沙子さんのファンで以前からストーカー行為をしており…」

「あっ!?」


「えっ?貴兄どうしたの??」


「いや、何でもないよ。」

「あっ、ストーカーだって!怖いね~」


「ははっ!だな~」


「何笑ってるのよ!他人事じゃないのよ!最近増えてるんだから!」


「お前も気をつけろよ!」


「うん…。ねぇ貴兄ぃ…もしさ…」


「ん?」


「もし…、夏樹が危なくなったら助けてくれる…?」


「…」



「あたり前だろ!俺はお前を守るってガキの頃から言ってんだろ!!」


「貴兄ぃ…ありがとう。」

「はぁ~い、お茶入ったわよ!」


若葉さんが茶を持ってきてくれた。


お茶を飲みながらふと、考える。


引っ越してきてからいろいろあったな~


泣いて笑って困ってハイだったけど…


このマンションは世界で一番素晴らしいぜ。


敷金無し礼金1ケ月。コーポ若葉はあなたのお越しをお待ちしております。



おわり