「みんな思い出してくれ最後のあの時を…」



第4Q、最後のタイムアウト


「いいか!逆転なんか狙わなくていい、延長ならこっちに分がある!2点だ!2点でいいんだ!」

「上で回して相手のバランスを崩し、リョウのインサイドで勝負だ!わかったな!」


監督の最後の指示は同点狙い延長勝負だった。


監督の指示は間違っていなかっただろう…


俺たちは4Qまでずっとリードを許していたが怒涛の攻撃で最大20点差もあったゲームを連続得点で10点差まで追い上げていた。


リードしてた状況から追い上げられ疲れきった相手とは逆にうちらの勢いはまったく疲労なんか感じない、みんながベストのプレーをしていた。



ヨウスケのゲームメイク、タツヤの連続スリー、マコトの切れのあるドライブ。


ヨウスケがはずしたショットだってノブがリバウンドを取り、自らバンクショットで決めてた。



だけど…俺は流れに入ってはいたけど直接点に絡むプレーはしてなかった。


こんなでかい図体でレインボータワーなんて名前ばっかり有名になって…


強がってたけど、本当はプレッシャーで追い詰められていたんだ…



そして、ラストのワンプレー。



残り7秒... 中央にヨウスケがボールを運ぶ、左ローポでノブがマコトにスクリーンをかけ、左45度に飛び込むマコトへボールがわたる。


ノブはスペースを空けるため外へ動く。


そのままマコトは右へドライブし相手のディフェンスを中央に引き付け逆サイド、外で待つタツヤにパス。


迷わずモーションに入るタツヤにあわてた俺のディフェンスは引き付けらブロックに飛んだ。


残り3秒...タツヤのシュートフェイクからゴール下でフリーの俺にパスが来た。


だがフリーの俺を見逃さなかったノブのディフェンスが外からカバーに来る…俺と相手はミスマッチ。


監督の指示通りなら、ここで勝負だった。



だが俺はディフェンスがカバーに来て3ポイントライン外でフリーになったノブにパスをした…



そして残り1秒、フリーのノブは逆転スリーを打つが…ボールはネットを揺らすことはなかった。





「あの時みんなは俺に、「監督の指示無視して、逆転狙ったんだろぉ~」とか「よく見えてたね、ナイスパス、外れたけどいい判断だったじゃん」なんて言ってたけど…」


「本当は違うんだ、俺は…ミスマッチって分かっていたけど相手が怖かった。あの流れで点に絡んでない俺が決めれるのか…あんなのナイスパスなんかじゃない。勝負を逃げただけなんだ。」


「ラスト一秒で普段スリーを打たないノブにシュートを打たせて、逆転狙いだなんて…都合のいいシナリオにして…」


「ノブは俺に「いいパス決められなくてごめん…本当にごめん…」って、あいつがあやまることなんてないのに」


「今までずっと悔やんでいたんだ…ノブに最後の責任を負わせてしまったこと、ずっとあやまりたかった。」


「あいつがあんなに悔やむ必要なんて…」


涙が止まらない…俺は自分の弱さを初めてみんなに打ち明けた。






つづく