駅を出た僕らは、会社へと向かった。


会社に着くと、朝礼で簡単に朴さんの紹介があった。


「…慣れない事が多くて迷惑かけるかもしれませんが、これからヨロシクオネガイシマス。」


(え!?)


朴さんがそう言った時一瞬だが、僕と視線が合い、そして恥ずかしそうに視線をそらした気がした!


(これって!これって!もしかして運命!?)


こうして、僕と朴さんは知り合い、同僚として働くこととなったのだ。


ちょうどその頃には、雲間から日がさしはじめていた。


さっきまでの豪雨がうそのように…





容姿端麗な顔だちで、明るく、やさしい朴さんは、誰からも好かれすぐに職場の人気者になった。


(株)B.E.Mは、大企業という訳でもなく他の中小企業と一緒でバブル経済崩壊の不景気の波に煽られ深夜まで残業なんて日が続いていた…時には徹夜なんてこともあった。


そういった環境の中でいつの間にか新人の時の気持ちを忘れ、ただ漠然と家と会社を行き来していた僕にとって朴さんの入社は大きな意味を持っていた。


朴さんの笑顔が見れる!!そんな単純事が?って思うかもしれないけど、それだけでつまらなかった仕事を頑張れるんだ♪


朴さんが入社して数週間も経っただろうか…


小田切先輩の誘いでバスケの練習にも来てくれるようになっていた朴さんとは、仕事中は同僚として、プライベートでは、チームメイトとして、仲良くなるのにたいして時間はかからなかった。


この頃には、仕事帰りに二人で食事に行くなんて事もしばしばあった。


(もうほぼ100%!いや、冷静に考えても95%!はイケル!!)僕は告白する決心を固めていた。


だが、幸せな時間はそう続かないものである…




ある日、いつものように仕事をしていると、


「渡部君。」…パソコン越しに声のしたほうに目をやると、僕の上司である井藤課長が呼んでいるみたいだ。


「はいっ?」と返事をし課長の元に行くと、申し訳なさそうな顔をして一言…





「君さぁ、明日から幕張に出張だから…」








つづく