(新しい論文)
Disruption of MeCP2 attenuates circadian rhythm in CRISPR/Cas9-based Rett syndrome model mouse.
Tsuchiya Y et al., Gene to Cells (2015) in Press (http://dx.doi.org/10.1111/gtc.12305 )


 レット症候群の患者は睡眠障害の症状を伴うことが多いとされる。日中に傾眠傾向を示したり、夜間の不眠や睡眠の中断を示したりする。睡眠-覚醒リズムの乱れはそれ自体がQOLの低下の原因となる上に、てんかん発作を引き起こし易くするとも言われており、好ましいものではない。また、夜間の覚醒や深夜の叫び、笑いといった症状は、患者を介護する者にとってもかなりの負担であると言える。


 レット症候群の睡眠障害に関係する研究として、レット症候群の主たる責任遺伝子であるMECP2遺伝子と概日リズム(体内時計)との関係を示す新たな知見が発表された。


 上記の論文は、京都府立医科大を中心とする研究グループの研究成果で、日本分子生物学会の学会誌であるGenes to Cellsのオンライン版に10月15日に公開されたもの(冊子体の刊行はまだなので、in Pressと表記されている)。


 論文の技術的背景、内容、及び展望などは、京都府立医科大学のプレスリリースで丁寧に記載されている。


「Rett症候群患者の睡眠障害の治療法の確立に光」(京都府立医科大学 平成27年10月15日付けプレスリリース)
http://www.kpu-m.ac.jp/doc/news/2015/20151015.html
http://www.kpu-m.ac.jp/doc/news/2015/files/10788.pdf


 プレスリリースに盛り込まれていない技術的内容や感想については次項に書いてみたい。