レット症候群患者は、歯ぎしりによる歯の摩耗や咬合不良など、歯科口腔の問題を有する場合が多いといわれている。


 下顎が突き出る反対咬合が目立つので治療できないものかと歯科医に相談したところ、基本的には手術対応になるけれど、それでも完全な矯正は困難だという回答を得てがっかりしたことがある。


 さて、もし歯科矯正するとしたら、それは保険の範囲内ですることが可能なのか、調べてみた。


 関連する法令・規則は、


【保険医療機関及び保険医療養担当規則】


(昭和三十二年四月三十日厚生省令第十五号)
(最終改正 平成二七年三月三一日厚生労働省令第五七号)


という省令。これを俗に療担規則というらしい。


 具体的な内容は、以下の第21条9号が関係する。


(歯科診療の具体的方針)
第二十一条
 歯科医師である保険医の診療の具体的方針は、第十二条から第十九条の三までの規定によるほか、次に掲げるところによるものとする。


九 歯科矯正


 歯科矯正は、療養の給付の対象として行つてはならない。ただし、別に厚生労働大臣が定める場合においては、この限りでない。


 つまり、歯科矯正は健康保険の適用を受けることができない。これが原則。ただし、


別に厚生労働大臣が定める場合


に該当するならば、歯科矯正を保険適用しても良いということになる。

(つづく)