さてレントゲン写真を撮ってもらい、

無事骨折が確認された旨を心に刻みながらの診察となりました。

 

「折れてるね〜」

 

とドクターに改めて言われても驚きません。

 

「どういう状況で? え、家で転んで? それでこんな折れ方するかね。(カルテをみて)あなたの年齢でねえ、仕事は座り仕事?……おばあちゃんとかに多い骨折なんだけどねえ」

 

ベテラン風のドクターがしげしげとレントゲン写真を見ながら語ります。

 

そう、座り仕事で、ていうか一日中PCの前と言っても過言ではなく、満足に動かしてるのなんて手首から先だけかもしれません。

運動不足……それを痛感するような状態が原因の一つだったようです。

 

足のスネは、脛骨と腓骨という2本の骨が通っています。私はそのうち太いほうの脛骨の、足首側の真ん中あたりにピキキッと割れたような筋が走っていました。

 

「これはねえ……これは……手術して、ボルトで止めるのが普通なんだけど……うーん、幸いにして折れた断面がズレてはいないんだよね。だからこのままギプスで固定して、自然にくっつのを待つ方法が取れなくもない」

 

「手術の方が早く治るよ。なんだけど、何日かは入院してもらう事になっちゃう。固定で治せば、今日もう、すぐに固定して、時間はかかるけど家に帰れる。お子さん小さいの? ああ、まだ幼稚園? どうする、どっちがいいかな」

 

診察を受ける前の段階でてっきり手術だと諦めていたのですが、ここにきて「固定でも治せる」「入院いらない」の言葉が脳内を蝶や花の様に舞いました🌸

 

旦那は毎日仕事で遠くの職場に通っており、帰りも夜中です。もちろん入院を回避できるなら、助かりまくる事限りありません。

 

「ぜひ固定で!! おねがいします!!」

 

という訳で、ギプスで治す事となりました。

人生初の骨折、人生初のギプスです。なんか石膏とかを塗って、固めるのかな?と想像していましたが、先生と看護婦さんは色のついた包帯をバケツに入れた水に濡らしはじめました。ガーゼで巻いた足を、その色のついた包帯でさらに巻いて行きます。巻いていくとなにやら温かい。

 

「これね〜水で濡らすと固まるグラスファイバーなんだよね。不思議でしょう」

 

えええ、と驚いているうちに、確かに結構足があったかくなり、そして包帯がカチリと固まっていきました。

しばらく待った後にちょっと指で触れてみましたが、カッチカチに硬い! そして意外と軽い!

 

 

 

どこかに足が触れたら激痛だ、という恐怖感が階段を降りて以来ずーっとあったのですが、足首がLの字でがっちり固定されていてなんだか頼もしい感じです。

 

「とはいえもう一撃、ぶつけたり転んだりして断面がずれたら即手術だからね! 絶対に転ばないで 絶対に 絶対だめ 気をつけて」

 

まるで熱湯風呂の前振りの様に、先生はもう転ぶな、という指示を繰り返し唱えました。もちろん私も転びたくありません。しかし気をつけても転ぶのが転倒な気もします。

 

転んだら手術送りで皮膚を裂き肉を切り、ボルトで骨を止められるのだ!と震え上がりながら、絶対と約束はできないができうる限り注意することを誓いました。

整形外科の待合室にて、パンチキに腫れた足を見せると

「あ〜」

と声が出た看護師さん、すぐに車椅子を持ってきてくれました。

 

すでに待合室の椅子に座ってだいぶ楽になっていた私でしたが、車椅子に移ってみるともっとすごく楽!普通の椅子の安心感がウエハースだとしたら堅焼きせんべい位楽!! 王様みたい、車椅子凄い!!

ちょこっと場所を移動するのも、もう棒や壁を頼りに力んで緊張しなくていいのでした。

 

 

 

 

とりあえずまずはレントゲン写真を撮りましょう、という説明を受けました。写真の順番も優先でやってもらいますからね、と看護師さんがおおごと感を醸し出していました。

 

これは本当に大怪我をしてしまったのかもしれない。

 

車椅子でホッとすると共に、人生で車椅子に乗った事がほとんどない(出産の時にちょこっと乗ったかな?)ので、未知の怪我をしてしまったんでは……と、レントゲン写真を撮る時には心配と恐怖がマックスになっていたと思います。どうしようどうしよう、と思いながら放射線室に横になってレントゲンを撮ってもらっていました。

 

緊張のさなか、レントゲン技師さん。放射線技師さん?かな。

非常に明るい感じのメガネのお兄さんで、どうされました〜? あ〜転んじゃったんですか〜?! と話しかけてくださり。

その風貌もあいまって、東京ホテイソンの人みたいな感じだったんですが、しばらくして

 

「こいつはやっちまってますね〜!!!」

 

と、突然の通る声で宣言されたのでした。

 

「や、やっちまってますか?!」

「これはね〜これは見事に折れてますね! 一応先生が見て診断してくれますけど、たぶんね!」

「わー折れちゃってたのか〜」

「かなりはっきりと線がこう……後で先生が見せてくれると思いますけど! パッキーンてかなりこれはね!」

「ど、どうでしょう、しゅ、手術……とか……っすかね?」

「あ〜これはね〜ボルトとかでね、止めるかな〜どうかな〜」

「ひええ〜」

「もうでも、きちっと治してもらえると思いますから!  痛かったでしょこれ! よく歩いてこれましたね! すごい!」

「えへへ〜大変だったんすよ!」

 

あんまり元気よく骨折宣言されたので、なんか逆に恐怖と不安の風船が破裂して、わはははと笑えて来ました。

不安がったってしゃあない、もう折れちゃってるもんはどうしようもないし😂

 

と、元気が出てきたのでした。

あの時の技師さん、絶妙の口調と率直トーク、本当にありがとうございました。

 

 

さて、一晩経っていよいよ腫れもひどくなっており、病院に行ったほうがいいだろうとなった朝ですが。

足を怪我していると、何よりも「移動する」事が困難になっています。

 

幼稚園のお迎えに利用したトレッキングポールが頼みの綱ですが、とはいえ階段では用をなしません。前日なんとか気合で降りた階段が、翌朝では恐ろしい谷底くらいに感じていました。こんなの棒を頼りに降りれるだろうか??

 

びびったのが体に伝わったのか、降りようとした瞬間いきなり足先を床に触れてしまいました。その時の激痛と言ったら!! 脳天にしびれる様な痛みで、陣痛とかとはまた違う、脳に直接クル痛みでした。痛い時に「痛い!」とは意外と声にでないタイプ、苦しみや恐怖は自分の内側に閉じ込めるタイプの私ですが、この時は脳から直接

「ぎゃーーー!!」

という声が出ました。それくらいの、刺激でした。

 

私が完全に怯んだ様子を見て、夫がおんぶを申し出てくれましたが、普段デスクワークでこれといって肉体を使っていない人の為、よろよろと亀の様な進み……こ、これは別の意味で怖い、けど楽は楽、ありがたやありがたや、となんとか車まで乗り込めました。

 

夫が子を幼稚園に送ってくれ、さあ病院の駐車場まできましたが、さっきの様子だとおんぶで病院までは恐怖を感じ、やはりトレッキングポールを頼りにビルの3Fまで行きました。

 

足を怪我してわかります。

エレベーターって、本当にいいものですね。

そして、重みのあるドア、本当に嫌なものですね。

 

なんで整形外科のドアが自動じゃないの?? つまり重症お断りって事?! と思いながら、近所の整形外科にたどり着きました。(この日はドアを夫に開けてもらえたのでなんて事はなかったですが、後日この扉に何度も体力を測定されたものでした)

 

受付で保険証など出して、椅子に座れた時の安堵感は天国に通じるものがありました。どさっと座った当時の、汗だくの自分を思い出します。トレッキングポールは松葉杖ではないので、片足を使わない用途は無茶だったかも。

 

多分ですが、先に病院に連絡すれば、送迎まではいかないまでも松葉杖か車椅子は借りれたんではないか……と思います。

 

 

特に送迎を頼める家族が同居などされていない場合は、とりあえず#7119(救急を呼ぶか、病院にいくかの判断をしてくれる相談ダイヤル)に電話してみて、状況を相談してもいいんじゃないかと後から思いました。

 

私の場合は冷や汗でぐっしょりながらも病院まではたどり着き、順番待ちをする事になりました。といっても、怪我の状況を確かめに看護師さんが来た後は、レントゲン診察など優先順番で診てくださったと思います。

 

看護師さんは足を診て「あーー」と空気が抜けるような声を出していました。そ、そうですね、結構腫れてます……よね。

きっとただの捻挫で、一晩経ったら痛いながらも歩けるようになっているに違いない。

 

いや、本当は骨折とかひどい怪我で、幼稚園の送り迎えはおろか、何もできなくなってしまうかも。子供は小さいし実家も遠いのにどうしよう?

 

いやいや、言うて杖をつきながら園バスのバス停まで歩けたんだし、まあ帰りは這ったけど、骨折ってきっとこういうのじゃないはず。横になって寝てなんていられないくらい痛いはず。捻挫とかで、結局病院に行ったって安静に〜ってなるんだから、家でのんびりしてたら治るのでは。

 

などと、頭の中をポジティブとネガティブがぐるぐる渦巻きながら、いつのまにか眠って一晩が経ちました。

 

足に激痛……は、感じません。やったよ治ったか?! と、そーっと起き上がって足元を見ました。

 

おっ

 

え?

 

巻いておいた手ぬぐいは緩んでおり、そっと挟んでおいた保冷剤はぶよぶよになっていました。そして手ぬぐいをとらずとも分かるくらいに足の指元〜足首までがパチーンと膨れていました。いやいや怖い。指のあたりなんか、シャウエッセンを茹でてプリプリにしたみたい。

 

 

そっと手ぬぐいを取ると、まず足首のくびれがありません。別に元々華奢な足首ではないものの、それにしたっておかしいでしょうという太さです。象の足がパチパチにむくんだような、という不気味な太さでした。

 

それと気になったのは足首?というか内くるぶしの下側に、出血のようできていた事です。なにこれ〜こわい〜

内くるぶしをぶつけたわけではないし、そこが痛いわけでもないのにえげつない変な色になっていました。

 

(この写真はだいぶ後に撮ったもので腫れは引いています。怪我当初は、写真を撮る余裕もありませんでした、、このあたりの場所に、内出血が出ましたという参考まで)

 

とにかくビビり上がって、即携帯を手にとって

「内出血 内側 足首」

で検索しました……うーん、出てくる出てくる、ひどい捻挫のお写真の数々。

 

そうか〜ひどい捻挫か💡

 

みなさん病院に行ったって書いてあるし、やっぱり行ったほうがいいなあ、となぜかホッとしたのですが、検索結果をよくよく見てみれば骨折の場合も激しい内出血は見られる場合が多く、骨折した方の写真も沢山ひっかかっていたのです。

 

こわいですね〜人間って、自分がほしい情報に目が行ってしまうんですね〜💦

 

ベッドの上から家族に「やっぱり病院に行ったほうがいいみたい」と話すと、

「その足を見たらわざわざネットを検索せんでもわかります。誰でも。」

と呆れられました……

 

 

 

このブログを書いたままほったらかしにして、ずいぶん経ってしまいました。

忙しい毎日でしたが、今年のお正月は家でひっそりゆっくり過ごすことになりそうです。

 

そんな中おせちの準備をかんがえながら、土井勝先生の黒豆を圧力鍋でどう煮るんだっけ……って検索したら自分のブログがでてきてびっくり! そして、詳しくメモを残して置いてくれてありがとう、昔の私。

 

骨折の経過も、ひょっとしたらどこかで役立つかもしれないので、あらためて書き置いていこうかと思います。

 

さて、汗の吹き出る激痛の中、「明日からの通園の送迎に自転車が必要だ💡」と閃いた私、さっそく夫に電話してみましたが、

 

「なんて??」

 

と反応は芳しくありません。

そらそうだ、今思えば私はちょっとしたパニック状態になっていたのだと思います。

 

「立てない歩けない状態の怪我? なら自転車を買おうとかそういう話じゃないのでは?? まずは病院にいきなさい」

「でもほら、幼稚園が」

「俺が連れてけばいいんだから」

 

おおっそうなの……そう?いいの?

ということで、夫が翌日休みを取って子供を送り、病院にも車で送ってくれる事になりました。

 

足が痛いくらいで家族の仕事を休ませるという発想がなかったのですが、確かにそうしてもらったほうがすごく助かるものです。わあよかった、と思いながら、その日は手ぬぐいで固定した足を重ねた毛布の上に乗せて心臓より上にくるようして、(ネットの捻挫の応急処置にそんなような事が書いてあった)少し安心して眠りました。

 

横になって動かさなければ痛みはありません。ひょっとしたら明日朝起きたら歩けるようになってるかもな? とも思っていました。