いえのなかといえのそとで
こんにちは、mikironですもうすぐ5歳の息子、外で遊ぶのも好きだけど、最近はおうち時間が充実しているようすというのも、年中になってから、創作意欲が爆発しているから。図鑑やテレビで出てきた生き物や花や乗り物なんかを、せっせと紙に描き写したり……ネットショッピングでたまった段ボールを引っぱってきて、ハサミで切って謎の工作をしたり……折り紙をちぎって動物に見立てたものを、さらに背景を描いた紙に貼りつけ、それを自分で壁に飾ったり……クオリティはまあまあ低めです家の中は紙くずや段ボールの切れ端が散乱して、散らかり放題だけれど、なにかを作りたいという気持ちは大切にしたいと思って、生あたたかい目で見守って(&うまくできない作業は手伝わされて)います段ボールに入るのも好きさて、そんなおうち時間がふえた昨今ですが、いま起こっていることを丁寧に描いた絵本を読みました。『いえのなかといえのそとで』です。いえのなかと いえのそとでAmazon(アマゾン)1,760〜5,590円季節がかわるちょっと前、いつもと同じような日に、信じられないことが起こりました。家の外に出ていた人たちが、家の中から出なくなったのです。世界じゅうで、誰もかれもが家に閉じこもりました。家の外では、前と変わらず、空が広がり、風が吹き、鳥が歌っているけれど、車はほとんど走っていないし、公園はがらんとしていて、学校のベルは鳴りません。家の中にいる人たちは、料理をしたり、テレビをみたり、本を読んだり、仕事や勉強をしたり。仕事をなくした人もいました。それぞれに、大切な人を心配したり、笑ったり、泣いたり、ため息をついたりしながらも、ちょっとずつ、みんな変わっていきます。家の外で木や草が伸びつづけるように、家の中でも、子どもたちは大きくなっていくのです……「コロナ」とか「パンデミック」みたいなことばを一切使っていないにもかかわらず、いまの状況をこれほど的確に表現している絵本は他にないと思います。人々の表情まで丁寧に描きこまれた絵は見ごたえがあって、ひとつひとつの絵にドラマがあります。医療従事者の人たちが懸命に仕事をするようすや、パーティーをひらくかわりに家の外から誕生日を祝う姿、パソコンの画面越しに手をふる子どもたち。息子に読んだら、あまり理解はしていないようですが、絵を見るのが楽しそうでした。希望に満ちたラストも、とても素敵です最後のページの「作者のことば」と、ノンフィクション作家の柳田邦男さんの解説も、どちらもすばらしいのでぜひ読んでみてください。コロナに関しては、いろいろな考え方があると思うけれど、どんな人に対してもあたたかく語りかけてくれる作品じゃないかなと思います。よかったらどうぞ