小さい頃。
いつまでだったかは覚えてないけど、幼稚園の時には確かにいた。

触れない友だち。

私が遊ぶ時、悲しい時、不安な時、お風呂に1人で入っている時、私が会いたいって思った時、その友だちが目の前に現れた。

今は妄想?想像?してただけってわかるけど、当時は本当に目の前にいるように思っていた。

ただなぜか触れない。

想像だからね。いや幻覚に近かったのかな、わからない。
顔も覚えてない。
顔というか、その子の姿全体はなんとなく、黒いクレヨンでぐちゃぐちゃと描いたような影のようだった気がする。
でもよく笑う子だった。
笑った顔は思い出せない。

私が虐められていたりする時、たまにその子が身代わりになってくれたりした。
今でもその時の記憶がある。
私は皆に笑われてるその子を隣で見ていた。
でも最近もう一つ記憶が出てきた。
その子に言われていた言葉を自分が言われた記憶。
傷ついた記憶。
思い出した時はよくわからないけど、何日か寝込んだ。起きられなかった。

こっちが実体験の記憶だってわかってる。
私は現実逃避に想像でその友だちを作って、身代わりになってもらっていたことが何回かあった。
今だから「もしかしたらそうだったのかも」と言えるけど、数年前までは本当に「その子が虐めを受けていた」と私は本気で思っていた。
今でも「自分が実際に言われた」という感覚が乏しい記憶もある。

その子と遊んでいた時間がとても楽しかったという記憶もある。
傍から見たら1人で喋って遊んでいただけだったのかもしれない。
でも想像という自覚があったのか、私は他の人がいる前ではその子と話さなかった。
その子が虐められている時、私はその子に声を掛けなかった。

その子が私の代わりに虐めを受けて、私を恨んでるんじゃないかと感じるようになった時があった。
その辺からその子はだんだん姿を現さなくなった。

こういう書き方をすると私もやっぱりどこかおかしかったのかなって思うけど、正常だと思う。
生き続ける為に、壊れない為に、自分を守る為に働く何かしらの機能が人間には備わっているんだろうし。
小さい頃ほどその機能は正常に動作しているんじゃないかな。

ただまぁ、機能した分だけ大人になってツケが回ってきたりね。
やっぱり小さい頃は平穏に生きた方がいい。