以前、こんなことがあった。

勤め先のスタジオで、レッスン後に癇癪を起こしながらドアの前で座り込んでしまう子がいた。

親御さんも先生たちもなんと声かけしたら落ち着くだろうか…と困惑していた。

*****

1. 困った状況をできるだけ具体的に👇
    レッスンが終わってもその場を離れず帰ろうとしなかった。「まだ遊びたい」と泣き、騒ぐ。
 ____________________
2.その状況の好ましい解釈を具体的に(どうすれば今できるベストか)👇
 「とりあえず、帰ろう」と、説得するのではなく、なぜ帰りたくないのか?を問い、「自分はなぜわめいているのだろう?なぜ帰りたくないと思うんだろう?」と、その子自身が自分の気持ちと向き合い考えて、今の状況を客観的に見えるようにする。
  大人からするとレッスンは遊びではなく、習い事として指導される場、という認識。でも、その子はきっと、"いつもの遊び"の延長線上に今回のレッスンがあった。
  一番大事だと思うのが、その子の気持ちを否定しないこと。帰りたくない、もっと遊びたい、という気持ちに対して「そうだよね〜、楽しいことたくさんしたいよね!」と気持ちを認めて、肯定する。帰らせたい、という大人側の要求をダイレクトに伝えても、逆に抵抗しようと癇癪を起こしてしまっていたのではないか。(それと、まだまだ自分に構ってほしい!という気持ちもあったんじゃないかなと思う。)
    ____________________
3.その解釈の結果を具体的に(やってみてどうだった、どうなったか)👇
  その子自身が、なぜまだここにいたいのか?ということに対して「遊びたかったから」(それとたぶんあまり上手くレッスンを受けることができず、悔しかったからというのもあるのだろう)と、自覚することができた。それからしばらくして、別の場所(近くの公園)に移動して、遊ぶこともできた。
  癇癪を起こすときは、なにかしらのその子なりの理由があるのだと思う。でも、それがなんなのかはその子自身もわかっていないことが多い。
  取り乱すことを否定するのではなくて、どうしてそういう行動をとったのか、ということを自分で考えさせていくことが大切なんじゃないかなと思った。
    ____________________


*****
ただ、ここで難しいのが、"癇癪を起こす"とひとことで言っても、取り乱している子全員に同じようなコミュニケーションを取ればいいというものでもないところ。
それぞれ、子どもたちひとりひとり、きっと理由も違えば、感覚も違う、知っていることや大切にしていること、全部きっと違う。
わたしたちは、その子ひとりひとりに向き合っていかなければならないんだと思う。

まずは、真摯に耳を傾けて、その子の話を聞くこと。

そして、これは決して親や指導者だけの責任ではない。社会全体(大人たち)が知っていなきゃいけない"子どもの育て方"なんじゃないかなと思う。