2020年10月某日
前回の記事の続きです。
この日は精密検査の結果が出揃い、ついに確定診断を聞く日。
初見では
「子宮とるだけで大丈夫だと思う。Ib期くらいかな」
からの画像診断で
「リンパ節転移があります。広汎子宮全摘です」
と一度奈落の底に突き落とされているので、
待合室のソファで待っている時から、心臓が飛び出しそうなくらい、バクバクしていました
ソワソワしちゃって、落ち着かなくて。
誰か私の震える足と手を止めてくれ
術前、病院にかかった中で、この日が一番ドキドキしてた。
そしてこの先、この検査結果を待つ、生きた心地のしない時間を、何度味わうことになるのだろうって思いました。
絶対これ、癌患者あるある。
診察室に入ると・・
先生「検査の結果が出ました・・」
「腺癌には変わりないんですけど、実はですね・・」
「すごい珍しいんですけど、小細胞癌という癌でした」
沈黙
「ちょっと・・普通の腺癌よりも、悪性度が高いものになりますね」
(ちなみにステージ2b(3C1期)だそう…)
え、え、え、え。
腺癌ってだけでもね、最近は若い人を中心に増えているみたいですが、子宮頸がんの多くは扁平上皮癌で、腺癌も少数派なんです。
文献によって誤差はあるけど
子宮頸癌の9割は扁平上皮癌で、
残りの1割が腺癌です。(最近は2割っぽい)
そして小細胞癌は、肺癌に多いものになり、子宮頸癌では2〜4%と非常に稀なんです。
稀血です。(こんなところでも鬼滅ネタ)
1割の中に入り、2〜4%引き当てるって・・・
自分の運のなさに・・・何も言えねぇ
しかも小細胞癌は、症例が少な過ぎて、まだ標準治療が確立されていないとか・・
私「この病院にも小細胞癌で治った人はいるんですよね?」
先生「もちろんいますよ」
この言葉を信じるしかない
腺癌だけであれば、病期によっては、トラケレクトミー(広汎子宮頸部摘出術)の適応になる場合もあるようですが、小細胞癌は転移が早く、予後不良タイプのもののようで、そちらはお勧めしないと言われました。
※トラケレクトミーは妊娠機能を温存できる唯一の手術療法です。
卵巣があれば、卵子凍結して、いつかは代理出産…なんて未来を1ミリくらいは考えたりしたこともあったけど、小細胞癌となると、卵巣卵管を残すなんて選択肢は1ミリたりともなくなるよねー
腺癌の時点で、その選択肢はないのかもしれないけど。
少し前までは、更年期が・・・とか、リンパ浮腫が・・・とか言っていたけど
こんな状況になり、「生きられれば、もうなんでもいいかな」って境地に。
死をより身近に感じた。
そして不思議なくらい全ての欲が消えた。
治療に伴う副作用や合併症で、今までみたいに五体満足でいられなくなったとしても、生きていれば、絶対にまだ楽しいことはあると思うし。
それに病気になって、何気ない日常がどれだけ大切で幸せが改めて知ることができた。苦しさも楽しさも、生きてないと感じられないからね。実際にその状況になったら、心折れるくらい辛いかもしれないけど、とりあえず今は治療のことだけ考える。
そして家族と過ごす時間がとても幸せなので、この時間を大切にしたい。
もともと仲の良い家族なんですけど、よりそう思えました。
ここまで前向きになるのには、時間はかかった。
確定診断を聞いてから1週間くらいは、無意識に涙が出てきてしまったり、何をしていても上の空で、自分の中だけで秘めていることが難しいくらい未来を考えるのが怖くて、一度だけ親に辛い気持ちをぶつけてしまうこともありました。
それくらい参ってた。
けど今はもう平気。
治るとしか思っていないし、きっとそれなりに、なんとか生きていけるでしょう!って思ってます
続く
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