病気の子どもに携わる多職種が連携するための勉強会
「子どもたちに生きる力を!!私たちに今できること」
~入院や通院が必要な小児がんの子どもたちについて~
※2021年10月23日(土)13:00、YouTubeライブ配信
「認定NPO法人ポケットサポート」主催の勉強会に参加させて頂きました。
■小児がん治療が必要な子供治療と学校づく学事における配慮ポイント
【講師】倉敷中央病院 小児科 納富誠司郎 先生
①小児がんとは
小児期(0~15歳未満)に発生する悪性腫瘍
12種類(小分類では47種類)
子どもの人口1万人に1人の割合・・・年間約2,500人の新規患者
1歳以上の小児期の病死原因としては第1位
治療の進歩により全体で約7~8割が完治
より多くの子どもが小児がん経験者として生きる時代
身近な病気、決して不治の病ではない
②大人のがんとの違い
がんの種類が違う
治療の多くは化学治療(抗がん剤)
抗がん剤に感受性が高い(よく効く)
強力な治療に耐えられる(子どもは強い)
③小児がん治療の流れ 例:小児白血病
小児白血病の兆候~ある日突然の入院生活
投薬期間と休薬期間の繰り返し、休薬期間は比較的体調がよく過ごすことが出来る
投薬期間でも薬(吐き気止め等)の進歩により、以前よりも活動性を高く維持した入院生活を送ることが出来る
→輸血、抗がん剤治療中でも、保育・学習は行う(施設による)
脱毛や肥満(ステロイド投与による)と筋肉の衰え等、容姿の変化も起こる
小児がん治療は、肉体的・精神的につらく大変なもの(かつ長期間)であるが、勉強や活動ができない(してはいけない)ものではない
④退院するお子さん、学校関係者(社会)が共に感じる困難の原因
お子さん達がどのような入院生活を過ごしているのかが見えない
「病気を治すことに専念して、元気になったら戻って来てね」
→病気だから勉強しなくても良い?病気を治すことだけに専念する??
入院中にもっとできる事はあるのではないか?
退院する時に準備するだけでは準備不足ではないか?
小児がんは治る病気となりつつあります
治療を終えてお子さんは学校・社会へ戻っていきます
入院中から、教育機関・療育・福祉機関等、多職種の方々が継続的に関わっていく環境が大事
(顔が見える関係性)
義務教育を離れた、高等学校の受験や復学支援について
・本人・家族・・・情報がない→まずは相談する
・学校・病院・・・やったことがない→どんな事が出来るのか考えていく事が必要
小児がんで二重苦を生まない環境をつくることが、
生きていく力を養っていき、夢をあきらめないで治療を続けることができる
~感想~
小児がんについて、とても分かりやすく説明されていました。
長期入院・療養が必要な病気は小児がん以外にもありますので一概には言えませんが、
教育や復学、社会復帰のためのサポートはどの子どもたちにも必要とされる事であります。
6ヵ月間、小児がん病棟に面会に通っておりましたが、
コロナ禍で院内学級(オンライン)の時間も縮小され、時間を持て余していた感じがあり、
オンライン参加が出来る環境や意欲があれば、まだまだ色々な事が出来るのではと感じました。
通常時の院内学級があればまた違っていたのかも知れません。
病院によっては院内学級がなかったり、入院・療養中の教育(復学)サポートには格差があると感じます。
義務教育ではない高等学校については、入学(受験)・進級(単位取得)に更なる困難があると聞きます。
「二重苦を生まない環境つくり」に関しては、国・自治体が主だって教育制度が整備されれば良いなと思いました。