浮く家とピカソ

あるときテレビで「地震がきても壊れない磁石で浮く家」というのをやっていた。
家の土台に磁石を配置して常に浮いた状態にさせておくので地震でダメージを受けないという。

ムスメ、なぜかめっちゃツボる。
「ねえねえ、あれいいね！」
「いくらかなあ？！」
とめっちゃ気にする。

そんなにほしい？！

まあ、確かにいいけれども。
子供が欲しがるものじゃないような･･･

開発中で値段はまだよく分からないらしいので、
とりあえず一億円ぐらいじゃない？と言ってみた。
もっと高いかもしれないけど、億を超えてしまえばムスメにとってはみな同じだ。

「ええー。高い！」
と不満げなムスメ。



それで諦めたと思っていたある日。
ムスメが急に

「ねえねえ、アーティストになったら儲かる？」
と聞いてきた。
ちなみにムスメの中でアーティストというのは画家です。
音楽系は全く頭にない。

「売れれば儲かるんじゃない？」
というと、

「儲かったら浮く家買える？」

忘れてなかったｗｗ

「まあ、売れれば買えると思うよ。
　めっちゃ大変だけどね。」

「売れてる人ってどんな人？」

うーん。若い頃から売れてないといけないから、
そうすると代表的なのはピカソか。
ピカソの絵を調べてみると、
若い頃に描いた激ウマのデッサンや、私にはよく理解できない大量のキュビズムと並んで
こんな絵が出てきた。


犬のポスターらしい。

「これも多分一億円だね。」
と適当に言うと、ムスメ大憤慨。

「これで浮く家買えるの！こんなのうち書ける！！」

違うんだな…。
ピカソが描いたから高いんだな…

しかしそれはとても衝撃だったらしい。
その後しばらくピカソの犬の絵を真似して描く練習をしながら
うわごとのように
「犬･･･一億円･･･浮く家」
とぶつぶつ言っていた。

さて彼女は1億円で売れる絵が描けるだろうか？！