ムスメの友人が亡くなった。
お風呂での事故だったそうだ。
同じ月齢の子で、一緒に成長していくのを楽しんでいた矢先のことだった。

きれいにしてもらって、小さな棺桶に横たわる姿を見ると、
とても人事と思えずに涙が止まらなかった。

数日前に一緒に遊んでいたのに。
彼女がこの世から消えてしまって、
うちのムスメが無事に存在しているのは確固たるものではなく、
ただ運の差だけなんだと思い知る。
その運が、いつムスメのことも連れていってしまうか
分からないと思うと、激しい恐怖に襲われた。

ムスメは彼女のことを覚えていないだろう。
同年代の友人にも覚えていてもらえないほど、彼女の生きた時間は短すぎた。
代わりにはならないけれど、せめて私たちが心にとどめておいてあげたいと思う。


おじいちゃん、おばあちゃんのお葬式には何度も出たことがあるけれど、
こんなに悲しいお別れをしたのは初めてだった。
私のおじいちゃん、おばあちゃんは長生きとは言えなかったけれど、
孫に会えてから亡くなるというのはとっても幸せな人生だったんだなと気づいた。

私たち大人は忘れているけれど、
本来人の命というものは、今のこの一瞬さえも保証されていないのだ。
何気なく送ってしまうこの一瞬を、今しかないムスメとの時間を、
もっと大切に生きたいと思った。