「おかあしゃーーん!」
ある日ムスコに呼ばれて気がつくと、
目の前にこんな光景が広がっていた。
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「まぐろやさんです~。これは全部まぐろのあたまです!」
どうやらムスコはまぐろ屋さんになったらしい。
このダンボールが全部まぐろの頭っていうことは・・・
こういうこと?!
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うーん・・・それはちょっとグロテスクだな・・・

ムスコはそんなことは一切気にせず、
「お金あげるので買い物に来てください!」
とお金と称した木の板を渡してきた。
どうやら母はサクラの役を仰せつかったようだ。
「はい、これが一元です。これがろっぴゃくえんです。これは・・・、六千円です。これは八円です。」
ムスコがお金の説明をする。
途中で単位が変わるがその程度のことは気にしない。

「これは六千八百円です。これは・・・六千しゅくです。」
最後は出所不明の通貨になった。

そしてやけに個性的な通貨単位だ。
一元玉の次は六百円玉までないらしい。

素朴な疑問を聞いてみた。
「百円だったらどう払うんですか?」
「一円で払ってください」

一円で!!
百枚払えと!!



ムスコは続ける。
「はい、いらっしゃいませー。何のマグロがいいですか~?」
さすがまぐろ屋、まぐろしかないがいろいろな種類があるらしい。
「何のマグロがありますか?」
と聞いてみた。
「まぐろとー、サーモンとー、あじとー、かえる!

マグロじゃねーじゃねーか!

しかも最後は魚類ですらなくなった。

とりあえずマグロを買ったら、一円で家までの配送つきだった。
そして、一万二千円のお釣りがかえってきた。
この店はきっと明日つぶれるだろう。