本当によくある話だと思うけど、この歳になると「結婚しないんですか?」という質問がよくある。

いや、数年前までは本当によくあったけど、最近は気をつかってか少し減った気がする。


パターン的には「①結婚したくてもできない」と「②結婚する気が無い」に分かれると思うんだけど、この手の質問をする人はだいたいが既婚者。


人は得てして自分と異なる考え方を受け容れがたいものなので、どう答えようと①前提で話が進む。

普段はパートナーや子育ての大変さを愚痴るくせに、そういう時はメリットばかりを宗教の勧誘の如く説き伏せてくる。


私自身の実際はどうかというと、①でもあり②でもある。

絶対に結婚したくないわけではない。

だけど今の生活に不満は無いし、寂しさも不便も感じないし、自分が結婚したいと思うまでは無理にしなくても良いと思っている。


そもそも、近年は仕事が忙しく時間が無い。

それが良いかどうかは置いておいて、誰かと付き合ったとしても、その人と遊ぶ時間すら惜しいと思ってしまう。

もし、仕事を放り出してでも会いたいと思う人に出会えたら結婚したいと思うだろうか。

だけど、自分の仕事に理解がない人と結婚できるとも思えない。

つまり、結婚したくてもできないことになるので②にも該当する。


よく受ける説法としては、今は良くても歳とってから後悔するよってこと。

そうかも知れないし、そうじゃないかも知れない。

結婚してしまえば、結婚しなかった自分が後悔したかどうかなんて確かめようがない。

子どもも同じ。

子どもがいる人生の方が素晴らしいと言われたところで、その人は子どもを作らなかった人生を歩んでいないんだから説得力もない。


結婚とか子どもだけじゃない。

人生のあらゆることは選択の連続で、その選択を誤ったと思って後悔することは誰しもあるだろうけど、別の選択をした自分を覗き見ることなんてできないのだから、過去の自分を信じるしかない。


自分で選んだ道ならば納得はできるが、人に唆されて進んだ道は後悔するかも知れない。


誰かの意見は大いに参考にするようにしている。

だけど、自分の人生は必ず自分の意思で決めたい。

どうせどんな道を選んでも、それが正解だったと信じて生きるしかないのだから。


他方で、まだまだ大多数の人が結婚して子どもを生んで幸せな生活を送っているわけだから、多数派になれない自分の欠陥は認めざるを得ない。

それは欠陥じゃないよっていう人がいるのはわかってる。だけどそれは高みの見物だよ。


わざわざ結婚を勧めてくる、場合によっては独身者を引き合わせようとまでしてくる人たちをどう思うか。

正直、こんな私のためにそこまで考えてくれるなんて、なんていい人なんだろうって思う。素直に嬉しいし感謝する。

そして、いつもその期待に応えることができないことを申し訳なく思う。

そして、これは本当に失礼極まりないことなんだけど、紹介してもらった人を見て己のステージを再確認しているのは否めない。