自分と同年代で、フリーターや派遣社員で収入を得ている人のブログが好きでよく読んでいる。


パターンとしては、高校卒業してからフリーターになったか、もしくは就職をしたけれどすぐに辞めてフリーターになった人が多い。


そうか。

その時点から歯車が狂い始めたのか、なんて他人事を楽しんでいたのだけれど、思い返せば自分もまったく同じパターンなことに気付いた。


高校卒業してしばらくはアルバイト続けて、色々と職を転々としていた。

学校の成績は良くなかったけど、そんなに頭は悪くないと思うし、文章力や会話力は人よりも秀でていた。

就職に強い高校だったし、就職活動をすれば難なく無難な会社に就職できただろう。

大学だって推薦は厳しかっただろうけど、潜り込もうと思えばどこか並以下のところなら入れたと思う。


多分もう、高校二年の時には就職も進学もしないと決めていたと思う。割り切って、試験も出席日数も留年しないギリギリのレベルを保っていた。

意味ないと思った。

就職しても大手企業になんか入れないし、進学しようにもせいぜい並レベルのところに入れたら御の字だし。


当時は既に興味の無い分野(特に理系)の勉強は一切しなくなっていたので高低差の激しい謎の稲妻通知表。

良い学校で教師も良かったのに、私の進路には誰も触れてこない感じだった。

迷っている気配が無かったからか。

暗い人生を送ることになるだろうことは予見していたはずだ。


本当に良い学校だったので、進路として就職も進学もしないのは学年で私一人だった。

周りはきっと、この人は「これから何するの?」って感じだったと思う。

私からすれば、「進学して何を学びたいの?」「就職して何を目指すの?」って感じだった。

私は一発逆転大金持ち、自分の才能ならすぐに何やってもトップになれると厨二病全開で信じていた。

いや、これ本当に。


もう少し具体的に言うと、同年代で良い大学に行って国家公務員や大企業のエリートになる人たちがいるとして、その人たちに勝つためにはレベルの低い大学になんか行っても時間の無駄だと思っていた。


ヤザワ的な成り上がりを夢見ていた。

なのにやりたいこともできることも何もないっていう。


私は要領が良く、何をさせてもそれなりにできた。

卒業してからのアルバイトや就職でも、周りにいる人たちより大抵のことはできた。ただ、向いて無くてできない時はすぐに辞めた。

未来は常に明るいと思っていたし、多分すでにその頃には「普通の人生」を歩めないことは理解していて、それに不満も無かった。


あと、海外を放浪したかったのと、当時付き合っていた女の子と結婚したかったのもあるかも知れない。手っ取り早くお金を稼ぎたかったのかも。



同年代でフリーターや派遣社員で生活している方々は、自分で選んだその道に満足している方もいれば、その道しか選べなかったことに不満や後悔の念を抱いている方もいる。

ただ一つ共通しているのは、「普通の人生」を歩んでいる人に対する卑下があること。

その部分は私も共感できる。


だけど「普通の人生」って何?

仮にその一つの定型があるとして、それが幸せへのシルクロードなのか。


少しでも自分を「普通の人生」に寄せようとして、悩み、苦しみ、足掻いて、そして諦観しているように思える。


人に偉そうに言える立場ではないが、私はただ今日という日を、食べることに困ることなく平和に生きていられることが本当に幸せだと思う。

明日にはどうなることやら分からないが、今日までなんとかなってきたのだから、明日もきっと幸せだと思う。


仮に多くの人が歩む幸せへのシルクロードがあったとしても、途中で強盗に襲われることもあれば、怪我することもあるだろう。

例え目印のない道だとしても、楽しみながら気の向いた方に歩いていけばいい。


明日の朝、自分が目覚める保証なんてないのだから、悔い無きように今日のこの瞬間を輝かせたい。