恋人を作って交際を続ける過程、もしくは恋人になるまでの過程で、相手を理解できないこと。
違う個体なので100%の理解というのはあり得なくて、多かれ少なかれ不一致はある。
だけど一緒にいて落ち着く関係というのは、お互いを理解して信頼し合っている証なのではないかと思う。
お互いを理解するために重要な要素として、価値観の一致がある。
あともう一つ、レベルの一致というのもあると思う。
つまり、対等である、ということ。
Win-Winであり、共依存に近い関係とも言える。
細かく見れば完全な対等というのはあり得ないかも知れない。
だけど全体的に見ればほぼ対等、お互いが同じだけの権利または義務を保持している状況が、良好な関係を維持できる条件となる。
逆に言うと、対等でない関係の場合は良好な関係を築くことが難しいのか。
実際、それは難しいと思う。
最初は対等な関係ではなかったとする。
冴えない男が高嶺の花をもぎ取ったパターン。
(そもそも、高嶺の花をもぎ取れる時点で冴えないわけないんだけど。)
交際を続けていくうちに、少しずつ対等に近付いていくとする。
対等と言える範囲に入ったところで、そのまま維持できれば良いと思うけれど、逆転することだってあるだろう。
また、依存関係が完全に物質に囚われた場合はどうなのか。
例えばお金。例えば子供。例えば家事。例えば介護。
よく聞く、
「子供さえいなければ離婚するのに。」
「ローンが無ければ離婚するのに。」
それは良好な関係と言えるのか。
話は逸れたけれど、価値観が近くて対等である関係が一般的には望ましい。
だけど僕は思う。
相手のレベルが自分より高ければ高いほど、辛いことが多く、安らぎは少なく、未来を描くのが難しい。
だけど、成長する。
なんとか相手のレベルに合わせようとして、あらゆる努力をする。
そのパワーは強大で、自分の人生をも変える。
逆のパターンもある。
相手のレベルが自分より低ければ低いほど、辛いことが多く、安らぎは少なく、未来を描くのが難しい。
そして、堕落する。
これは、そもそもすべての人間は対等であると本気で信じている人間には理解できないことだと思う。
僕は卑屈なので、大抵の人間は自分よりも優れていると思ってしまう。
だからこそ思うこと。
ビジネスにおいても、成功するためには人脈だ大事だという。
自分より上の世界で生きている人間に引き上げてもらう。
目標とすべき人間の思考を学び、行動を真似て、同じフィールドに立てるように努力する。
何もしないと何も変わらない。
目標とすべき人間がいる。
その人間と対等になるために、あらゆるミッションをこなしていく。
その人間に出会わなければ発生しないミッション。
無数にいる人間の中で、誰と出会うか。
類は友を呼ぶと言うから、黙って待っていても尊敬すべき人は現れない。
そして、同じレベルの人間とばかり慣れ合っていても成長は無い。
また、話が逸れた。
最初から価値観が似ていてすぐに安心できる相手と、まったく理解し難い価値観を持っている相手とでは、セックスに至るまでのミッション難易度が全然違う。
しかも、これまでの経験パターンに当てはまらないので、新しい技を生み出す必要がある。
自分を抑える必要もある。
お金だってたくさん消費するかもしれない。
時間を無駄にするかも知れないし、深く傷付くことだってある。
きっと周りは言う。
「もっと自分に合う相手を見付けた方がいいよ。」
その方が楽だと思う。
満たされるかも知れない。
僕はここ数年、対等でない(と自分が思っている)相手との関係が続いてきた。
別にその時々で、これはミッションだ!とか、レベルアップしたぞ!とか、そんな意識を持っているわけではない。
価値観が違う相手と理解し合えないのは辛い。
だけど、楽しいかも知れない。
相手の笑顔が増えていく過程。
自分に自信が付いていく過程。
色んな人間を認めることができるようになる自分。
ただ一つの欠点は、自分が納得すると飽きてしまうこと。
少しずつ敵を倒してレベルアップして、武具を揃えて強い敵に挑む。
だだっ広いオープンワールドの世界にも、きっとラスボスはいる。
ラスボスを倒しても、アップデートで新しいミッションは日々追加される。
弱い敵しかいない平穏な街で、日々カジノばかりして遊ぶのは、あんまり面白いとは思えないな。
何気ない普通の一言だけど、言われて軽く衝撃を受けた言葉。
結婚はしないのか、と聞かれ、
相手がなかなか見付からない、答えたら、
「もっと儲かってからだね。」と。