最近、ラジオ代わりにYouTubeで「植草美幸の結婚相談所マリーミー」を視ている。


結婚相談所のオーナーである植草美幸さんが、婚活中の人、主に女性の悩みに答えている。


その悩みを斬り捨てていくのが面白いのだけど、その内容はとても理にかなっていて参考になる。


大抵の悩みは相手に対する不満で、大抵は相談者にも問題がある、具体的には受動的であったり高望みし過ぎであることを指摘している。


男側からすると納得できることばかりで痛快なのだけど、逆に相談者が男性だった時は自分が指摘されているようで勉強になる。


僕の恋愛マニュアルである。



植草美幸さんの話の中で、よく「今は時代が違う。」とか「もう時代が変わった。」という発言がある。


それは間違いなくそうなんだと思う。


ある時期を経て、結婚への考え方が変わったのだと思う。


そして、その最たる原因はやっぱり社会経済だと思う。



戦後から高度経済成長期に入り、バブル時代、就職氷河期、リーマンショックを経て現在に至る。


バブル期を頂点として、以降は下がり続けている。


今は景気が良いなんて話も聞くけれど、端から眉唾ものだし、仮に数年前よりは良いとしても、またいつ落ちるかわからない。


ましてや、このまま行けば今秋にも消費税が増税される。


歴史的に見て、増税は間違いなく経済を悪化させる。


年金が足りないなんて話が意図的に流される。


その一方で、オリンピックだ万博だと盛り上げて見せるけど、オリンピックだって終わった後は必ず経済が悪化する。


来年、再来年当たり、未曾有の経済危機が訪れる可能性が高い。



景気が悪いと、当然将来が不安になる。


昔は18歳になればすぐに免許を取って車を買うのが当たり前のような世の中だったけれど、今は都会では車の必要性にすら疑問を抱く。


最低賃金が上がり、平均年収も少しずつ回復しているなんて言うけれど、実際は格差が広がっているだけの話。


失業率も大幅に改善したなんて言うけれど、働き方改革などという詭弁の基に残業代はカットされ、足りないリソースをいつでも切れる非正規雇用者や外国人労働者で賄っているだけ。


レトリックであたかも景気が良いように見せてはいるけれど、格差拡大で大多数の国民は依然生活に余裕が無く、未来が見えない。



社会経済と結婚に関する意識の遷移は平行しているのか。


結婚について時代が変わったのは間違いないとしても、その過渡期はいつだったのか。


自分自身が結婚できないから言うわけではないけれど、今の30代中盤から40代中盤がちょうど微妙な年代なのではないかと思う。


親は団塊ジュニア世代だし、景気が良い時期もなんとなく覚えている。


成長とともに景気が悪くなっていく時代に流されながら、息苦しい閉塞感の中、なんとか生きてきた。


年金なんて戻ってこないような気がしていたけど、どこかでまだ戻ってくると信じていた。


明確な意思なんか持たなくても、何となく職に有り付けて、とりあえず老後までそれなりに過ごしていける気がしていた。



時代が変わっていく中で少しずつ危機感を覚え、身を以て生きていく厳しさを体感していくうちに、将来を憂い、そして適応していく。


結婚なんて生きていれば勝手にできると思っていたのに、年齢を重ね、気が付けば時代に取り残されていく。


最初から景気が悪い時代を生きていくように人生をプランニングしていないから、軌道修正を余儀なくされ適応が遅れる。


結婚相手には、自分たちの親世代のような理想を抱く。


勘違い、身の程知らず、不相応、そんな言葉で片付けられてしまいがちだけれど、結局は時代に翻弄され上手く適応できなかっただけなのではないかと思う。



男目線で言えば、「家庭を守ってほしい。」なんてことはもう思えない。


自分一人でも生きていくのが精一杯なのに、他人の人生まで面倒見切れない。


「一生、君を守る。」じゃなくて、「一生、支え合って生きていきましょう。」の時代。


稼ぐのも家事も育児も、協力しながら生きていきたい。


収入は二倍、支出は半分。


そうでないと “メリット” がない。



互いに支え合って生きていくには、当然ながら愛情が必要。


とは言え、結婚観が違えば愛情など簡単に消え去る。


結局、男女間の結婚観に最も乖離があるのが、時代の渦に巻き込まれた僕らの世代なんじゃないかと思う。


婚活しないと結婚が見えない男女は、多かれ少なかれお互いの性別に不信感を持っているのではないか。



自分が結婚していないことを時代のせいにしたいわけじゃない。


だけど時代が違えば結婚していたような気もする。


インターネットが完全に生活を支配して、一人でも幸福感を安易に得ることができる時代。


どうしてわざわざ結婚しないといけないのか。



自分の人生。


一度きりの人生。


限られた時間をどう使うかは自由。


結婚しようがしまいが、働こうが働くまいが、誰にも制限されない。


世間の目なんて気にする必要はない。


みんなが見ているのはスマホの画面。


他人のことなんて興味ない。



タイムリミットだなんだってあるけれど、無理(婚活)して結婚する必要って本当にあるのかな。


なんていう、婚活疲れした女子みたいなことを考えてみた。