僕はこれまでの人生の中で、一度も救急車のお世話になったことはない。
今日、街中を走る救急車のサイレンを聞いて思い出した。
若い頃、車に撥ねられた時に救急車で運ばれた。
まぁ、いつも噛み締めておくことでもないし、勘違いすることもあるだろう。
あぁ、でも、少しずつ昔の記憶が無くなっているような気がして、少し寂しくなった。
そういえば、ふと思い出すことがある。
今までずっと忘れていたのに、場所や音楽や言葉をきっかけにして思い出す時がある。
あんな人いたなぁ、なんて思うけれど、出会いや別れの経緯はぼんやりとしてあまり思い出せない。
一番きれいな場面と一番汚い場面だけが交互に一瞬鮮明に蘇る。
これまでは出会いばかりの人生だったけれど、これからは別れも増えていくのだと思う。
きっと別れた瞬間に、色んなことを思い出すのだと思う。
後悔することもあるのだろう。
感傷的になっているわけではないけれど、最近は少しずつ自分を取り巻く環境が違っていることをなんとなく感じている。
なんとなく、大人の対応をしないといけない場面が増えてきた気がする。
求めているのは安定なのか刺激なのか。
なんか、穏やかな生活を送る方法はすぐそこにあるのに、少し無理しているような気がする。