僕は無宗教。
じゃあ神を信じないかと問われればそれは少し違う。
神というのをどのように捉えるか、たとえば世界の創造主であり人智を超越した存在なのか、人間が自愛のために創り出した幻なのか。
無宗教ではあるが宗教には興味がある。
宗教戦争、宗教建築、宗教画。
わざわざ例を出さなくても、この世界のすべてが宗教に基づいているといっても過言ではない。
世界有数の無宗教国家である日本においても、文化や習慣、建築物に色濃く宗教が反映されている。
土着信仰も含め、宗教を基に創り出された文化にはとても興味があり、また、人類の行く末さえ握っているであろう宗教について、いつか時間があれば、造詣を深め本格的に学習したいと考えている。
だけど、大人のいつかはきっと来ない。
少年期より宗教に興味津々だった僕は、家のポストに投函された勧誘のチラシに返信をし、聖書を頂いたことがある。
その聖書は今も本棚の中で異彩を放っている。
これはここ2週間ぐらいの話だけど、周囲に不幸が続いている。
どの不幸も、生きていれば訪れても不思議はないものばかりではあるが、かなり限定された範囲で立て続けに起こると、不吉なものを感じざるを得ない。
悪魔、死神、天罰、呪い。
僕も今、肉体的にダメージを負っている。
このタイミングで夢の中に神が現れ、信ずれば負の連鎖を断ち切れると告げ、目が覚めたらすべてが終息していたとすれば。
きっとその瞬間から、神を信じると思う。
神というのは一体なんなのか。
心に安息を与えることができるのであれば、例え紛い物であってもいいのか。
人類の争いの根源だとしても、あくまで絶対的で神聖である必要があるのか。
きっと答えは出ないし、人それぞれなんだろうと思う。
例えば、宗教団体に所属して、生きる意味を見出すことができるのであれば、それは素晴らしいことだと思う。
人は救いを求め、安息を求める。
自分はいったい何のために生きているのか。
その答えを探す旅は、やっぱり最期の瞬間まで一人きりなのか。