コーラで洗っても避妊はできないし、コーラを頭(毛髪がある場合)にぶっかけても茶髪にはならない。
しかし、お腹がゆるい時にコーラを飲むと治まる。
これは間違いない。
下痢スペシャリストの僕が言うのだから間違いない。
僕は下痢に関しては、人並み以上の修羅場を潜ってきたと言わざるを得ない。
治れば良いと思うが、しばらくは治らないと思う。
病院にも通い、胃腸薬や整腸剤を飲んでいても効果は無い。
医者が言うには、腸の敏感な性格だと言う。
端的に言えば、諦めなさい、ということなのだろう。
腸の性格というのはそうなのだろうけど、元凶は腸ではなく自分自身の性格だ。
ストレスだとか神経質だとか、そういうことだと思う。
僕にはお守りがある。
いつか病院で処方して貰った止瀉薬だ。
下痢はなるべく止めない方がいい。
だから、なるべくこの薬は飲まないように、と言われた。
そんなことを言われても、年中トイレに隠ってニコニコ動画を見ているわけではないので、止まってもらわないといけない場面はある。
下痢と戦って、休戦時期もあれど、早二十年にはなる。
表面的には平和条約を結んでいる。
というのも、ここぞという時、下痢は治まる。
具体的には、トイレの無いような田舎に行った時や、飛行機もそうだし、仕事で言えば出張や打ち合わせもそう。
この前も、朝から出張で、お腹はずっと不穏だったのだけれど、昼からの打ち合わせが終わるまでは何の問題も無かった。
打ち合わせが終わって、帰りの新幹線の駅で急に襲われ、荷物をコインロッカーに預け、百貨店のトイレに駆け込んだ。
それでも新幹線の時間には間に合った。
平和条約。
共存しているのだ。
お互いに、致命的なダメージを与えないように妥協しながら生きている。
平和条約というよりは、停戦協定というべきか。
しかも内戦。
表面上は手を結びながら、虎視眈々と制圧を狙っている。
相手も同じだろう。
しかし、明らかにクーデターだ。
義はこちらにある。
先日はピロリ大佐を毒を盛って葬った。
報復を恐れていたが、今のところはない。
ピロリ大佐には不死身説もあったが、どうやら今のところ復活の兆しは無い。
しかし、ピロリ大佐の影響力もさほどでは無かったのか、相手はほぼダメージを受けていないようにも思える。
残念ながら、こちらに次の手は無い。
どこかへ出掛けるとしても、まず第一に考えるのは、トイレの有無だ。
花火大会や山登り、サハラ砂漠で夜空鑑賞など勘弁願いたい。
確実に人生損してると思うのだけれど、どうしようもないものはどうしようもない。
停戦協定を結んでいたとしても、かき氷やバーベキューを切っ掛けに協定を破棄して攻撃される可能性は捨て切れない。
止瀉薬はあくまでお守り。
どれほどの効果があるのか、飲んだことがないからわからないけど、いよいよとなった時に投入しても、もはや手遅れ、何の役にも立たず相手の波に流されていくだけだろう。
日本人は普段は無宗教なくせに、困ったときだけ神頼み。
誰だって一度は神に願いを掛けたことはあると思う。
大抵はしょうもない時に。
その時、漠然と“神”と発しているだけなのか、それとも具体的な神の御姿を頭に浮かべているのか。
僕は大体キリスト、たまに天照大神、いよいよとなったときはモーセが登場する。
キリストもモーセも神ではないが、細かいことを気にしている状況ではない。
腹痛に冷や汗を流しながら、天照大神が眩いほどの光を放つ元で、モーセが紅海を割り、その先でキリストが十字架に磔にされている。
モーセの後ろにユダっぽいおっさんがいるが、それがユダなのかイスラエルの民なのか阿部寛なのかは判然とはしない。
阿部寛以外は割とみんな必死で、到底僕の腹痛などに構っている状況ではない。
くだらないことを考えながら、普段から信仰も無いくせに、都合のいい時だけ神が助けてくれるわけもないことに気付く。
(阿部寛に僕の腹痛を止める力はない。)
トイレを出て、急いで自分が信仰すべき神様をネットで検索するも、いまいちピンとこない。
こういう時に限って、エホバの証人も訪ねてこない。
結局は100円玉を握りしめてマンションの下まで降り、コーラを買って飲む。
ちなみに僕の場合、ペプシコーラは効かない。
試すならコカコーラでどうぞ。
関係ないけど、AmebaのこのiPhoneのアプリ、書き辛くて腹が立つ。