夏祭り

はぐれそうな　人ごみの中
「はなれないで」　出しかけた手を
ポケットに入れて　握りしめていた
君がいた夏は　遠い夢の中
空に消えてった　打ち上げ花火

JITTERIN'JINNの“夏祭り”です。
若振るわけではないですが、僕の時代はJITTERIN'JINNではなくWhiteberryです。
それでも全然若くはないのですが。

歌詞が切ないですよね。
そんな経験があったようななかったような、青春の甘酸っぱさが詰まっていて、夏祭りの儚さも相まって、心にしんなりと響きます。


昔のきれいな思い出がいつも心の奥にあって、きれいな歌とか、きれいな景色とか、ふと自分が主人公であるかのように感じてしまうのです。

もちろん、この世界の主人公は自分なのですが。


ところで、僕がいつもはいていたジャージがあるのですが、ちょっと裾が長いのです。（デザインもキモい）
だから、外に出かける時は、裾が地面に擦らないように気をつけないといけません。

もう大分と前の話ですが、あるおねーさんにそのジャージを貸してあげたのですが、なんとサイズがぴったりだったのです。
身長は僕より断然低いのに、裾が全然余ってない。

仮にそのおねーさんの足が平均よりも長いとしても、僕の足が短いのは明白なわけです。

その時に思ったのですが、仮に自分が主人公だとしたら、場面が美しければ美しいほど滑稽で痛々しいでござる。
絵にならん。

足の短いおっさんが、夏祭りで少女の手を握ろうと機会を伺ってそわそわしていたら、なんだか気持ちが悪いです。

しかも、ポケットに手を突っ込んで握りしめていたら、有らぬ疑惑まで生まれて、完全に事案です。
今の時代、そんなことが簡単にYahoo!ニュースに掲載されたりなんかして、動機が

「Whiteberryの“夏祭り”に憧れてやった。」

とか洒落になりません。
掲示板でも散々に罵られ、一生の黒歴史になります。

とはいうものの、僕に限らず、例えば三浦春馬と吉高由里子みたいな絵になる２人が、映画のようなシーンを現実でやったって、それはそれでちょっと違う。
人間の美しい幻想なんて、現実では再現できないはず。

だからこそ、逃げるなら非現実。
非現実には美しいものしかないので、居心地が大変よろしい。

疲れた時は非現実に逃げましょう。
でもちゃんと現実に戻ってきて、きちんと現実に向き合いましょう。
そして、現実に戻ってまで非現実を引きずらないように気を付けましょう。
映画を見終わった後に、主人公の仕草を真似するようなカッコ悪さがあります故に。