先生との押し問答がしばらく続いた後、ついにビンタが飛んできました!
ということはそろそろお説教から開放されるという兆候です。
ところが、その直後にまったく想定していなかった事態が…
右手で私の左頬を打った先生の手首が跳ね返り、なんと反対の頬を打たれたのです!
いわゆる往復ビンタってやつ。
でも、左右からの連続攻撃を受けたのは、人生で初めての体験でした。
ビンタの達人である親父からも、往復ビンタをされた記憶はありませんから。
とはいえ、一瞬たじろいだのは確かですが、連続であろうと所詮はビンタです。
親父に鍛えられている私を屈服させることはできないでしょう。
事実、その後も幾度となく打ち込まれました。
「どうしてわからないの!」
「わからないものはわからない!」
その繰り返しです…
そして今日のお説教は長くなりそうだと覚悟を決めたそのとき!
私は驚くべきものを目にしました!
ビンタをしながら先生が泣いているのです…
ボロボロと大粒の涙をこぼして…
ビンタをされている生徒が平気な顔をして、ビンタをしている先生が泣いている…
誰も見ていませんでしたが、さぞや不思議な光景だったでしょう。
「どうしてこうなったの、あのかわいかった子が…」
子どもながらに心の奥底まで響きました…
ようやく度が過ぎていたことを悟りました…
本気で叱ってくれる人がいる、なんて幸せなことなのでしょう!
先生は私の人生と本気で向き合ってくれました。
なにかと薄っぺらくなってきた世間に接するたび、このときの先生の涙を思い出します…
