遺される人のためにできること

“抗がん剤は国の利権のために行われている悪”
“抗がん剤治療はするな”
このような情報を耳にして、胸が苦しくなった。
純ちゃんはこのまま治療を続けていていいの？
もっと違う方法があるんじゃないのって。何もできないくせに、焦りばかりが募った。


『抗がん剤続けるの？　ときたかぁ。
そりゃあ、やらなきゃ今までの４回が無駄になるでしょ(笑)
効果はあると思うよ。きっと効果はあるけど、毒性がある諸刃の剣なんだろうね。

あんなにやりたくないって言っていたわたしが、最終的に受け入れた理由は、
やらなかったら、死んだとき、「なぜ、無理にでもやらせなかったのか？　
それでも親か？　純ちゃんが可愛くないのか！」ってお母さんが周囲から
責められるのが嫌だったから。
日本人だから、無駄な努力で可哀想な思いをしたほうが美学で受け入れられやすいのでしょう。
自分だけの問題ならともかく、死は遺された人に色々と影響してしまうから、慎重によく考えないとね。

治そうなんて思っていないから。
限りある時間に私の大切な人たちに何が残せるか。
そこに集中しています。』


彼女はどこまでも、自分のことより人のことを考える人なんだ。。。