知人の紹介で、肺がん治療に詳しい方が腕のいい先生にアポをとってくださった。
その先生は人気が高いらしく、何ヶ月も先まで予約が取れないというから、
ありがたい話だった。
純ちゃんも喜んでくれた一方、複雑な想いだったんだなと、いま改めて思う。


『私と違って藁をもつかむつもりで生きたがっているひと達からすればつらいだろうね…。
臓器移植を待つ患者さんの気分かな…。
私は生きられる時間が延びることが怖くも感じる。
万が一希望なんかもった日から死が恐怖に変わり、
死ぬまで脅える毎日になってしまうからね。』



彼女は諦めているのではなく、現実を冷静に受け止めている。
それなのに、“助かる道を探してみせる!”というわたしの想いはエゴに過ぎず、
彼女の心を乱してしまったのかもしれない。

結論から言うと、診察はしていただいたものの、正直なところ、わたしたち二人とも、
その先生に対しあまり良い印象はなく、それきりになっている。


5月22日、第4クールを開始。