2012年4月3日。

『本日より第2クールの治療を開始。
明日から72時間が最初の山場。第1クールの経験から可能な限りの準備をした。
PDCAはわたしの得意分野だから大丈夫だと思う! 任せて』


抗がん剤治療までもビジネスライクにとらえるとは、さすが純ちゃんと頭が下がる思いだった。
サービス業の方にとって、年末年始、ゴールデンウィーク、夏休みは超繁忙期。
20年以上、そんな環境で働いてきた彼女にとっても、この時期に休むなんてありえなかった。
このころ、彼女は自分の置かれている状況を顧みず、毎日のように部下からのメールに答え、指示を出して、出社はせずとも働いていた。

会社のことなんか、どうだっていい。わたしだったらそう思う。
でも、彼女にとって働くことは、何よりのモチベーション。
有給を消化しながらも、職場復帰することを目標に頑張っていた。

2012年4月22日。
純ちゃんは第3クールを開始するため、ゴールデンウィークの繁忙期に間に合わせられないことを、上司にメールで詫びた.