かっぱは、今週の前半、某東京近郊の都市へ出張というか研修に行ってたんですよ TAの。

TA(Transactional Analysis) とは、フロイト心理学の研究者、アメリカの精神科医Eric Berne博士によって提唱された治療のシステム。現在は治療よりも自己成長、教育、コミュニケーション、カウンセリング等に活用されています。このブログでもTAについて少し話してみようと思います。


その前に、そこであった出来事について、まず話しますね。


かっぱは行き当たりばったりで、着替えを持たずに研修へ。

だって服ないんだもん。研修の時でもないと服を買ってる暇もないし。


なので1日目研修が終わったあと、その街で服を見てたんですよ。

カジュアルなTシャツとかも。


そしたら、ヒップホップっぽい格好をした帽子を被ったアフリカンが近づいてきたのね。

「新しい店ができたんだよ! 2日前にオープンしたの。 きて。」

かっぱは暇だったので、その人の店に行くことにしたの。


少し小路に入って、2階にあがると彼の店。

だいたいよくあるそんな感じの服が置いてある。


かっぱは、緑のポロシャツが気になった。

「これいいでしょぉ~」


値札はドル建て。

おいおい一ドル125円で計算してる。

ちゃんと携帯で日経のホームページを出し、115円だって言う。


だがしかし、帰りの切符も持って無いし、それを買っちゃうと危険だった。

彼はだんだん、機嫌が悪くなってくる。

だんだん会話は二人で英語になった。


「いくらだったら買うの? いいからいってごらん?」

「会社の出張で研修で来てるからお金が無いんだ。帰りの切符もまだかってない。」

と英語で言おうとしたが、出張も研修もなんていえばいいかわかんなかった。。。


「じゃあこっちのが安いよ。無地だから。

これとこれとこれ 39ドル」


「中国製じゃん。中国製は安いよ。 日本の他のお店では。」

「アメリカ人は、みんな中国製の服着てんだよ!」


「だからどれを買うの? こっちは安いんだよ。この無地のやつ?」


「それは、間違ってるでしょ?

 まず私が気に入った服があって、それがリーズナブルな価格だったら私が買うのを決めるわけでしょ?

 プライオリティがちがう!」


彼は必死だった。たぶん開店してからほとんど売り上げないんでしょう。

日本人の奥さんがいて、彼が養っていかなければならないのも聞いてた。

でもそんな風に言われて買うことはできなかった。


「商売が間違ってる。 練習だと思って、きちんとセールスの練習をしてごらん?」


彼は切れた。


私を入り口まで連れて行って、店の扉を開けて出てけ!降りろってゼスチャーをした。


降りた後、彼は言った。

「お前の英語は最悪だ。もう二度と、お前のそのヘタクソな英語を俺の店の中で使うな!」


だって出張で研修に来てるって、なんていえばいいかわかんなかったんだもん。。。

普段英語使わないしさ。


研修も二日目。彼との出来事は、TA的に考えても、ものすごく意味がある。

研修が終わって、あとは東京駅まで行って新幹線に乗って帰るだけ。


心の中で何かが引っかかった。


彼は、あれで商売やっていけるんだろうか?

一家が路頭に迷うんだろうか

変な商売に染まっちゃったり、犯罪を犯したりなんてしないよね。。。


いや


もういちど彼に会いたかった。

このまま二度と会えなくなるのは嫌だった。


切符を買って、ATMでお金をおろして、また昨日彼と出会ったあたりに行ってみた。


いた。


彼の背中をたたく。

「今日はお金をおろしてきたよ。かってあげるから。」


「ありがとう。」


「昨日はごめんね。」彼が言った。


「日本ではね、何にも買わないで帰るお客さんにも、笑顔でありがとうござ

いますっていうんだよ。」

「おこっては駄目。 商売はリピーターが来ないとだめなんだ。

 もうきてくれないよ。」


「僕は全然おこってないよ。僕は日本人とちがうから」

いやおこってましたって(笑)


「うれてんの?」


「うれてるよぉ だってほらカッコイイし。」

いやうれてないって。。。


「おまえは、ともだちだから やすくしておく」

1ドル115円より、ずーと安くしてもらった。まあ仕入値はもっと安いんだろうけど。


「奥さんいる?」

「いない。」

「恋人は?」

「いない。。。」


かっぱは正直者だ(笑) うそつけない。

いるって言ったら、なんか女の子のアクセサリーくれたかったらしい。。。


最後 ハグして背中をお互いにポンポン叩いた。


今日は服が売れたかな。 モリス。