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地球堂の読み歩き

私が読んだ様々なジャンルの本の、かなり主観的な感想を書いております。

しょーもないこと書いてますが、読んでもらえれば幸いです。

$地球堂の読み歩き-司政官
午後の紅茶、茶葉2倍ミルクティーが好きだと言ったら…
あれは女の子が飲むもんだと…

偏見だ!
男女差別だ!

あの、濃さがいいのに…
見せつける様に飲んでやりましたよ。

週3本は飲んでます。


さて、今日の一冊は眉村卓著『司政官 全短編』です。

地球人類が宇宙に進出し、数多の植民惑星から成る広大なネットワークを築いている時代。
各色民惑星を征服した連邦軍の軍政が、自由を求める植民者や原住者とのあいだに摩擦を生み、その軋轢が限界に達したとき、連邦経営機構は軍政に代わる統治制度を設けた。
それが司政官制度だ。
司政官とは連邦から植民惑星に派遣される官僚であり、惑星統治の技術を徹底的にたたきこまれた専門家である。
その司政官がロボット官僚群を駆使して惑星の統治にあたるのが司政官制度であり、司政原則と呼ばれるその理念を端的にいうならば、「植民者を守り原住者と融和させ、その世界にふさわしい文明を作り出す」となるだろう。
しかし、この司政原則そのものが矛盾をはらんでおり、時間の経過とともに新たな問題を生みだしていくのだった…。(巻末解説より引用)

そのままの引用で申し訳ありませんが、この小説の世界を表すのにこれ以上のものは無いと思い、引用させていただきました。

本書は、この司政官をテーマとした短編7つを収録しており、司政官制度が発足した時点から年代順になっております。
つまり、司政官制度の創成期、成長期、安定期、そして崩壊、それぞれの時代のそれぞれの司政官の物語が描かれているのです。

この司政官シリーズはこの短編7つの他に長編が2つあり、全9話で構成されています。
司政官の物語、という共通項はあるものの、時代、惑星など司政官を取り巻く環境は様々で、シリーズとしての繋がりは強固でありながら、それぞれに訴えかけるものが異なり、読み応えのある作品群になっています。

もちろん、SFですのでロボット、異星人、ロケットなどが出てくるのですがこのシリーズの見所はずばり司政官の苦悩です。
全時代を通じて司政官達は悩みます。
絶大な権力を持ち得た時代にも、悩み苦しみ、連邦政府と植民者との板挟みにあう時代にも理想を求めて苦悩します。

一般のSFのように、終始ワクワク、ドキドキ、とはいきませんが、司政官に自分を自然と重ねてしまう、不思議な魅力を持つ作品です。
日本のSFに大きな影響を与えた眉村先生の代表作、SF好きもそうでない人にもお勧めできる、名作だと思います。

『司政官 全短編』 本本本


司政官 全短編 (創元SF文庫)/眉村 卓

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