筑前国・応神天皇&神功皇后所縁の神社② | 史跡散策

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古代からの歴史や史跡散策が趣味です。
プロフィール写真は、備後・福山城

現福岡県糸島市にある応神天皇と神功皇后の

 筑前国怡土郡の所縁の神社です。

 正月ですので、以前投稿した神社も含めて初詣のつもりで両祭神 

の筑前の所縁の神社を整理して投稿しています。

 

 

  1、鎮懐石八幡宮

 神功皇后が三韓征伐の時、懐妊され出産を鎮めるための石を

御裳(みそ)の腰につけ凱旋後に無事に応神天皇を出産された。

その2つの石を奉納されたのが鎮懐石八幡宮です。

最初の写真は石橋と鳥居ですが鳥居の右手前に万葉歌碑がある。

 

 神亀3年(726)山上憶良が筑前守に任じられ、鎮懐石の故事を

知って当地で詠んだ長歌と反歌が刻まれている。(万葉集巻5)

  その反歌は  「天地の共に久しく 言い継げと

             この奇魂(くしみたま)  敷かしけらしも」

 この歌の序では 「筑前国伊都郡深江村子負(こう)の原の海を

   望む丘の上に2つの楕円の卵の様な石が有り、長さ1尺2寸

 周囲1尺8寸と長さ1尺1寸周囲1尺8寸」と記載されている。

 また、鎮懐石は後世は皇子産石や子産石と呼ばれた。

 

  次の写真は、鳥居を潜り本殿に向かう参道

 11月下旬でしたが紅葉が残っていました。

 また境内からは眼下に美しい深江の海岸が望めた。

 

 次の写真は、拝殿と本殿です。

  祭神は神功皇后、応神天皇、武内宿禰の3神です。

 

 鎮懐石の場所については、

   古事記は筑紫の伊斗村

   日本書記は伊都郡の道のほとり と記載している。

 

<参考資料> 鎮懐石八幡宮の由来書

       当社の宮司さんのお話 

 

 2、筑前国の応神天皇と神功皇后所縁の神社の位置図

    今回は、③と④の神社です。

   

 

  3、糸島宇美八幡宮

 糸島市長野川に面した所にある宇美八幡宮です。

 福岡市にある宇美八幡宮と同じ名称の神社です。

   次の写真は、一の鳥居で左には藤棚がありシーズンは

 とても美しいそうです。

 また、鳥居の手前には数基の支石墓の天井石が有りました、

付近の長野地区には約40基の支石墓が発見されており古代

より集落が存在していたようです。

 次の写真は、2の鳥居を過ぎた本殿に向かう石段の参道です。

左のブルーシートは2019年9月の台風で拝殿前の樹齢1,000年

目通り9.8mの2本の大樫が倒木した養生シートです。

拝殿前に倒木した根が痛々しい姿で残っていました。(写真の左上部)

倒木した当日はビックリする轟音を発したそうです。

   次の写真は、中宮の拝殿と本殿です。

   祭神は、応神天皇、神功皇后、玉依姫、

         邇邇芸命、気比大神と菅原大神 

   この本殿の奥の山頂に小規模の前方後円墳があり、

   上宮と云われ仲哀天皇を祭神としている。

 

 <ご参考>

 ①この神社の創祀は古く平群木莬宿祢(武内宿禰の孫)

       が神功皇后の三韓征伐の時、神助され気比大神を

  767年に祀ったのが始まりで、後に応神天皇、神功皇后

  玉依姫を勧進した時に八幡宮を称したと伝わる。

  福井県の気比神宮には仲哀天皇と神功皇后を祭神

 ②日本書記は応神天皇の生誕地を筑前国怡土郡長野村

   蚊田と記載している。

 ③現在の宮司さんの武内公文さんは第80代だそうです!! 

 

<参考資料>

  当社の縁起書

  地元の方のご説明(宮司さんだったかも?)