鳥取県の郷土料理や名産品で、常日頃から食べたいと思っているものに「とうふちくわ」があります。
「法事の時に出てくるちくわ」とおっしゃる方も多いですが、ボクの中では夏の食卓に出てくるおかずであって、よく食べたものです。
独特の風味があって、子供の頃は全然美味しくないと思っていて、ちくわといえば「あごちくわ」ばかり食べていたものです
しかし、中学高校生くらいになると「良さ」がだんだんわかってきて、酒を飲むようになるとおつまみに最高ということがわかり、特に夏の夜に涼みながらとうふちくわを肴に冷酒のグラスを傾ければ、それは至福のひととき郷里の味。
夏になれば、時々自宅のベランダで冷酒を飲んだりもするのですが、鳥取県産の地酒は簡単に手に入るものの、京都では肝心のとうふちくわが手に入らないんです。
いや、正確に言うと「とうふちくわ」はあるにはあるのですがボクからすればこれは「別物」。
とうふの風味がほとんど感じられず、まあ、「ただのちくわ」なんですね。
おそらく関西人の口には合う人が少ないだろうと、とうふの分量を少なくしたのでしょうが、やはり鳥取県の食べ物で育った人間にはかなりの物足りなさ。
実は、倉吉に帰郷した際には何度か地元のスーパーとかでとうふちくわを買うのですが、京都で食べるのと同じような味なんですよね。関西人の味覚がどうのとかそれ以前に、今では昔ながらのボソボソとした舌触りでとうふの風味が強い「とうふちくわ」は売れないのかな?なんて思ったりしていました。もはや昔の味わいを求めるのは無理なのか。
誤解があったらいけないので、、、決して今のとうふちくわが美味しくないわけじゃないんです。昔の方が好きだという、いわば「好み」です。
ところが、昨年の9月に帰郷したときに偶然スーパーで見つけた「とうふちくわ」が、100%とはいかないまでも、昔の「とうふちくわ」の特徴を持った「いいセン」のちくわだったんですよ。本場鳥取市の「ちむら」さんのちくわでした。絶滅したはずの幻の動物を発見したときって、この時の気持ちと同じかな?
時々食べてみたいんですけど、保存料を使っていないので賞味期限が短いのと送料のこともあってネット通販しているんですが利用はしていないんですね。
帰郷したときにしか食べられないなあと諦めていたある日、阪急阪神系列のスーパーで「ちむら」さんのとうふちくわを発見しました。
ここのスーパーには高級食材や全国各地の名産品がよく置いてあることから注目していたのですが、いやあ、まさかの「とうふちくわ」しかも「ちむら」さん!
ちょっと高かったのですが、とうふちくわ発見の喜びで早速購入。
開けたら、こんなん出ました~。
真空パックで、このままお湯でグツグツやると出来立ての味を堪能できますよ、ということで早速お鍋の出動!
出来立ての味をご家庭でということではあるが、まさかとうふちくわを鍋でグツグツやることになろうとは、、、。
うひょー出来た!!
わさびは奮発して「きざみわさび風わさび(なんだそりゃ)」。「風」ってなんやねん「風」って。
よくある「プロヴァンス風」とか「手打ち風」とか、もひとつよーわからん
切っているときに気になったのが、「表面のツヤ」。そしてプルンプルンな感触。
一抹の不安、、、
そして予感は現実に、、、
美味しくないわけじゃないんですよ、誤解の無きように。想像していた味とは違ったと、それだけのことですので。関西の人ならこっちの方が美味しいと思われるかもしれません。
やっぱりね、違うんですよ。しかも今回は皮がゴムみたいな食感で、残念ながら「あの味」とは程遠いと思います。
おそらくいろいろと考えられた末の商品だとは思いますが、なかなか「昔のとうふちくわ」を遠くのお店でというのは大変なんでしょうね。生鮮食品ですからね。
今度帰郷した際には、また地元のスーパーで「ちむら」さんの商品を購入させていただきますね。辛口レビューですみませんでした。