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いまから15年以上前に父は亡くなりました。胆管ガンでした。享年67歳でした。
仕事を引退した父は、毎日家でゴロゴロして過ごしていましたが、ある時からだんだんと体調が悪くなっていきました。
ビックリする事にお酒を飲まない日も出てきました。３６５日お酒を飲んでいたのが飲まないなんて、よほど具合が悪かったのでしょう。
父親はなかなか病院に行きませんでした。病院嫌いもありましたし、薄々は自分の行く末が分かっていたのかもしれません。
そして、やっと重い腰をあげて病院に行った時には、病状はとても悪くなっていたようです。
病院に家族が呼ばれました。検査の結果を聞く為でした。本人はもちろん、母、姉、私と家族全員で話を聞きに行きました。
医師からは「検査の結果、胆管がんでした。がんのできた場所が悪く手術は出来ません……」というお話がありました。
そして面談が終わると、私と姉(姉も父の事を嫌っていました）は父に何も言葉をかけず「…じゃあ帰るわ」
と言って母を残して帰りました。私は[ふ〜ん癌かぁ]と、特に何も感じなかったように思います。
父の入院中、母は数日に１回位の頻度で病院に通っていました。私は母が病院に行く際に、一緒に洗濯物を持って2〜3回程ついて行きました。もちろん会話もなくすぐに帰ってきました。
そして父は入院して2ヵ月程で亡くなりました。
亡くなる時も特に声をかけるでもなく、息をしなくなるのをただ見ているだけでした。「・・・・・。」
私は父が大嫌いでした、愛情のカケラもない父を憎んでいました。
しかし不思議な事に、葬儀をお願いしたお坊さんの一言で私の中から憎しみが消えていったのです…。
続きます…。