「しらん!」 | 昼下がりのビンカミノール

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新コロナ禍で自粛生活のつれづれに、思いつくままブログに書いています。
友人たちも時々投稿して楽しんでくれています。
観点が異なるので、多重人格と思われるかもしれませんが、
大丈夫です。
安心してください。

 台風が近づいて梅雨空の続く合間、奇跡的に雨の上がった一日京都嵯峨野を訪れました。

 

 渡月橋は人影も少なく

 

 

 

 渡月橋のかかる大堰川は水量が多く、遊覧船やボートは休止していました。

 

 

 

 渡月橋から亀山公園を越え竹林の道に入りました。 

 いつもは観光客で混雑するこの道も人が少なく、ゆっくり写真を撮りながら歩くことが出来ました。

 

 

 

 そこから10分程で常寂光寺に着きます。

 秋には大勢の観光客が訪れるこの寺も、この時期は静かな佇まいです。

 秋の紅葉も美しいですが、青紅葉の季節がこのお寺は一番美しいと思います。

 

 

 (常寂光寺山門)

 

 

 

 (常寂光寺仁王門と青紅葉)

 

 

 

 (常寂光寺本堂への石段  青紅葉のトンネル)
 

 

 (常寂光寺本堂にかかる青紅葉)

 

 

 (常寂光寺多宝塔)

 

 

 (常寂光寺からの京都市街 遠くに比叡山が見える)
 

 雨上がりの青紅葉が美しく、枝の先には赤い花が咲いていました。

 これが竹とんぼのように風に吹かれて舞う様子は、この季節ならではの美しさです。

 

 

 (紅葉の赤い花)
 境内には新古今和歌集や小倉百人一首の選者として名高い歌人、藤原定家の山荘があったようです。

 

 常寂光寺を出て、平家物語で有名な祇王、祇女、刀自の母子が眠る祇王寺を過ぎると、伝統的な家屋が立ち並ぶ嵯峨鳥居本(さがとりいもと)に入ります。

 

 

 (鳥居本の伝統的街並み)

 

 

 

 

 (鳥居本 愛宕神社一の鳥居)

 

 

 (一の鳥居にある鮎茶屋 平野屋)

 

 一の鳥居の畔には江戸時代から400年続く鮎茶屋 平野屋がある。

 春は山菜、夏は鮎、秋にはきのこ、冬は牡丹鍋と季節ごとの料理を提供してくれます。

 

 鳥居本を過ぎ5分程で愛宕念仏寺(おたぎねんぶつじ)に到着します。

 愛宕山の麓にあるから「あたご」と呼ぶのかと思ったら、「おたぎ」と呼びます。

 どうしておたぎと呼ばれるのかは、このお寺の変遷と関わっているようですが、それはまた今度書きましょう。

 

 

 (愛宕念仏寺山門)
 

 ご本尊は鎌倉期のもので、その眼差しが左右対称ではなく、厳しさと優しさという仏の慈悲の二面性を、顔の左右に分けて表現されており「慈面悲面の千手観音」と称されています。

 

 

 (愛宕念仏寺本堂)

 

 

 (愛宕念仏寺地蔵堂)
 山腹の傾斜地に建てられた境内には、千二百躰の石の羅漢(お釈迦さまのお弟子たち)像が並んでいます。

 これは、参拝者が自らの手で彫られたもので、その一つ一つは色々な表情をしています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 (愛宕念仏寺 羅漢石像)


 日本人の訪れは少なく、この日も私たち以外は外国から来られた人たちでした。 

 青紅葉の中、苔に覆われた幾多の羅漢像には心が癒されます。

 

 鳥居本からの帰り道、同行の一人が道端に咲いている紫の花を指して、「この花なにか知ってる?」と意味ありげに聞いて来ました。

 綺麗な花だけど何だろう? 知らないなあ、

と考えていると、横を「しらん!」と大きな声で叫んで、菅笠を被った男の人が笑顔で通り過ぎていきました。

 突然のことで、あっけに取られていると、正解だったようです。

 その花は「紫蘭」でした。

 

 

  (紫蘭)

 

 大阪(関西?)で子供たちに流行っている言葉遊びのようです。

 「知ってる?」

 「知らん!」

 

 最後まで癒されの一日でした。