わたしの中で、小説家の二代巨塔のうちのお一人である薬丸岳さん。
今回も考えさせられる深い作品でした。
犯人が事件を起こした目的は、到底納得できるものではない。
でも根底には、虐待・ネグレクトがある。
負の連鎖はどこでどうやったら断ち切れるのか?
虐待の渦中にある人(する方される方両方)の罪の境界・償い方は人それぞれ。
犯人は母の気持ちを理解できる日が来るんだろうか?
歪んでしまった性格は、塀の中で矯正できるとは思えない。
でも被害者を助けて亡くなった男性は立派に生涯を締めくくった。
結局は、育った環境だけでなく、本人の元からの資質や、知り合う人によって人生は大きく変わるのだと思う。
そして、無差別殺傷事件に巻き込まれた被害者の心の傷がリアルで苦しかった。
そこまでする?と思わなくもなかったけれど。