あけましておめでとうございます。

新年のご挨拶が遅れてしまって申し訳ありません。

 

本年もよろしくおねがいします。

 

 

昨年から投稿している記事の続きです。

 

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中学2年生の時です。

 

 

私、くせっ毛なんですけど、

好奇心もあって生まれて初めて

縮毛矯正をかけたんですよ。

 

 

そしたらものすごい伸びていたみたいで、

肩くらいまであったんですね。

 

 

 

 

すごいグイグイ来る美容師さんに

あれこれ私のこと聞かれて

緊張してあわあわしているうちに

おまかせでセットされていきます。

 

 

セットとかされたことないので

 

 

「これ何の時間だろう……」

 

「これ別料金だったらどうしよう

お金足りるかな……」

 

 

とか考えていると、

 

 

「はい、できたよ」

 

 

 

 

鏡を見てびっくり!!

あの日見た神様っぽかったのです!!

 

 

えっ、えっ!?

 

 

どうして!?

 

 

知ってたんですか!?

 

 

美容師さん実は占いの人!?

神様の使い?

(見た目も七福神みたいだったし)

 

 

 

 

「かっこいいものになれたああ!!!」

 

 

もうドキドキして感動して

嬉しくて泣きそうで、

自分なのに臨場感が追いつきません。

 

 

 

 

あまりに喜ぶものだから、

美容室のスタッフさんが

 

 

「かわいいかわいい」

 

 

って面白がって

何度も鏡を見せて

からかってきました。

 

 

 

 

それからしばらくは、

 

 

①鏡や窓に自分が映る

 

②うわぁ~誰だろうこの人…

 

③あ、私か…えっ、私か!?✧*。

 

④神様美容師様ありがとう(天を仰ぐ)

 

 

みたいな感じでした。

大真面目に。

 

 

 

 

変なやつがもっと変なやつに笑

 

 

でも、幸せでした。

 

 

 

 

このときだけは、

世界は静かだった気がします。

 

 

いや、きっと今まで以上に

例の言葉をかけられていたのでしょうが、

耳に入っていなかったんだと思います。

 

 

 

 

懐かしいなあ……

地区で唯一の薬局で

ヘアケアグッズを揃えた帰り道。

 

 

もう嬉しすぎて、ワクワクすぎて、

いつもより星が光って見えました。

 

 

ただでさえ高価な縮毛矯正後です。

 

これまで生まれてからずっと

貯めてきたお年玉とかお小遣いとか

全滅しましたが幸せでした。

 

 

 

 

あのままいっておけば

よかったんですけどね。

 

 

 

 

無敵モードにヒビが入ったのは、

ある日不良の先輩たちにされた

すごい嫌なことでした。

 

 

された、というか……。

 

 

 

 

その場はびっくりして

頭真っ白になって、

 

 

「あはははは……」

 

 

みたいに笑って

誤魔化したような気がします。

 

 

誤魔化せてたかな……。

 

 

 

 

それを皮切りに、なんか雪崩のように

一気に崩れてしまって。

 

 

ほんの数十分前までの、

光でキラキラしたクリアな世界が

まるでアナログテレビの砂嵐みたいに

ぐちゃぐちゃになって。

 

 

この後、他にも心にくる出来事が

あれこれ連鎖しました。

 

待ってました!と言わんばかりに。

 

詳しく覚えていませんが。

 

 

 

 

結局、小さい頃から通っている

床屋さんに行って、

全部刈ってもらいました。

 

 

「りん氏くん、もう一回訊くけど

この髪本当に切っていいの?」

 

「すごい大切にしてるでしょう?」

 

「すごくりん氏くんっぽくて

似合ってるのに……」

 

 

「はい、修行なんです笑」

 

 

なんかそんな意味のないことを

言った覚えがあります。

 

 

落ちていく髪を、鏡越しに

無表情で見ていました。

 

自分と目が合うと泣きそうになるから、

なるべく焦点をぼかして。

 

 

辛い時間はすぐに終わりました。

だってバリカンだったから笑

 

久しぶりのいがぐり坊主頭です。

 

 

帰り道のこと、覚えていません。

 

家まで500mもないのに。

 

 

なんか無意味に神社に行って

本殿の裏で蹲って

泣いていたような気がします。

 

 

1ヶ月と少しの

「かっこいい」体験でした。

 

 

 

 

続く