フランスのホテルで最高位の格付け”パラス”の認定を受けている、パリに5軒しかない数少ないホテル<ホテル・ル・ブリストル(Hôtel Le Bristol) >のメインダイニングにして、2009年にミシュラン3ツ星を獲得している『エピキュール(Epicure)』
エリゼ宮から近いこともあり、フランスのサルコジ大統領も頻繁にお見えになられるレストランです
※ 2011年秋の改装を機に、『ル・ブリストル(Le Bristol)』から『エピキュール(Epicure)』へと店名が変わりました
ホテル・ル・ブリストル(Hôtel Le Bristol)
高級ブティックが軒を連ねる華やかなフォーブル・サントノレ通り沿いに建つ<ホテル・ル・ブリストル(Hôtel Le Bristol)>
入口
シャンデリアが煌めく気品漂うロビーを抜けた先に、今回お邪魔した『エピキュール(Epicure)』の入口があります
店内
世界的インテリアデザイナー、ピエール・イヴ・ロション氏が内装を手がけたという店内は、エレガントな中にも可愛いらしさが感じられる空間
こちらは夏と冬でレストランの場所が移動し、雰囲気がガラリと変わることも魅力のひとつでしたが、2011年10月に新しい店名と共に生まれ変わった際、今まで夏に使用していたこちらの庭園側の空間に腰を据えることにしたそうです
アペリティフにオーダーしたロゼのシャンパンを飲みつつ、早速メニュー選び
メニュー
メニューはフランス語と英語の2種類用意されていて、もちろん英語も通じます
ちなみに、奥様が日本人だというギャルソンが1名いましたが、日本語は殆ど?全く?話せないようでした
個人的にムニュは味<量の印象があるため、今回もアントレ1品、プラ1品をラ・カルトからチョイスアミューズ
最初のアミューズは、手前から鱸のフリット、パルミジャーノの煎餅風、ソーサーと磁力でくっついているカップに入ったフォアグラのフラン、力をグっと込めて手に取らなければならない磁力付スプーンでいただく魚介のテリーヌと、美味しいだけでなく、これから始まるディナーへの期待を膨らませてくれる、楽しい4品でした
2つ目のアミューズは、フランボワーズのジュレといただくカリフラワーのエスプーマ
カリフラワーにあしらわれているキューブ状の食材が味、食感共に良いアクセントになっています
Purple Sea Urchins(Châtaignes de mer) 78.00€
雲丹を表現した卵の殻の中は、エッグムースと雲丹エスプーマ
ボルディエの海藻のバターと海藻を練り込んだパンと一緒にいただくと、口の中に海が広がります
一昨年の12月に『タイユヴァン(Le Restaurant Taillevent)』で食した”Œufs de Poule Brouillés Aux Oursins”より 、遥かにリッチな雲丹と卵のコラボに感動しつつも、魚介類の臭みには超敏感な私だけは、雲丹特有の臭みをうっすらながらもしっかり、舌に感じとってしまいました
Bresse Farm Hen Poached in a Bladder(2persons) 240.00€
海の恵みを味わった後は、こちらのスペシャリテでもある”ブレス鶏の膀胱包み”という名の迫力満点のプラの登場
風船のように膨らんだ膀胱の中には、丸一羽のブレス鶏
それを、メートル・ド・テルがテーブルサイドで華麗に捌いていきます
その無駄のない鮮やかな手さばきに、私も主人も暫し目が釘付け
丸一羽のブレス鶏を調理して、実際にいただくのは最も美味しいとされる一部分のみと、選り優りの部位だけ食す、この上なく贅沢な料理
ガルニチュールはwater crayfish(淡水ザリガニ?)、グリーンアスパラガス、ジロール、ソースは古典的なバタークリームと、周りを固める役者も一級品ですが、それらが霞んでしまうほど、この艷やかでしっとりと火入れされたブレス鶏の美味しさは飛び抜けていました
『アラン・デュカス・オ・プラザ・アテネ(Alain Ducasse au Plaza Athénée)
』で食べた料理によって、ちょっと残念な肉質だと思ってしまっていたブレス鶏の印象を180度覆す、本物のブレス鶏を堪能させていただいた気がします
そんな感動的なお皿に続いて供されたのは、可愛くラッピングされたトリュフ風味のスープ
ネギやじゃがいもの甘み、ブレス鶏の奥深い旨みが溶け出したスープは、香りだけで悩殺されてしまいそうなほどの美味しさ
出来ることなら、この10倍の量を缶詰にして日本まで持ち帰りたかったです
二皿構成のこの料理は、これを食べたいがためにまたこちらに訪問したいと思わせるだけの魅力を持った、スペシャリテと呼ぶに相応しい傑作だと思います
アヴァン・デセール
アヴァン・デセールは果肉入りのマンゴーソースとシトロンソルベ
Commandaria Centurion 25.00€ & Domaine F.Foreau 2008 16.00€
デザートワインはソムリエに一任
Maracuja and Pineapple 32.00€
スパイスで軽く香りづけした温かいグロッグと共にいただくマラクジャとパイナップルのスフレ
スフレの上にはバナナパッションソルベが添えてあります
Chocolat"Manjari" 32.00€
折り紙をモチーフに形作られたチョコレートの器の中には、冷たいココナッツミルクアイスクリームと熱々のチョコレート
※ 渋谷の<セルリアンタワー東急ホテル>の『ガーデンラウンジ 坐忘 』で、彼のプロデュースしたケーキを食べられこともあって、ご存知の方も多いと思いますが、こちらのシェフパティシエは、昨年”今年のパティシエ(Chef Pâtissier de l'année)”賞を受賞されたローラン・ジャナン(Laurent Jeannin)氏です
ちなみに、シェフはエリック・フレション(Eric Frechon)氏
パクっと一口で頬張ると、外膜が破れ中から酸っぱいエキスが溢れ出すゼリー
ボンボンショコラにカラフルなマカロン、生キャラメルなど、充実のデザートワゴン
一度でいいので、「全部ください」と言ってみたいです(笑)
ただ、グラン・デセールも平らげられない私には一生無理かも。。。
こちらはパラスホテルのメインダイニング、しかもミシュランで3ツ星を獲得しているレストランにも関わらず、全体の空気感がとても柔らかく感じました
当然ながら、基本的な接客スタイルはスマートで”そつがない”のですが、ギャルソン同士のユーモアのあるやり取りや、ジョーク混じりの会話など、「笑顔で楽しく食事をして欲しい」という思いが伝わってくるような、親しやすいサービスだからかもしれません
ブレス鶏の本当の美味しさを証明してくれた絶品のプラを食しに、また是非伺いたいと思います
また、その時は宿泊客として訪問できると嬉しいです
【訪問日:2011・10】
お会計:731.00€(¥79,614)
Epicure
住 所:112 Rue du Faubourg Saint-Honoré, 75008 Paris
電 話:01-53-43-43-40
営業時間:Lunch 12:30~14:00
Dinner 19:30~22:00
定休日:無休
H P:http://www.lebristolparis.com/
備 考:英語メニューあり、英語可