最近のニュースを見て
思い出した話…
かなり長いですが
お時間があればお付き合いくださいニコニコ



今からかれこれ15年以上前の
アメリカ駐在中のことです。



その当時
息子は小学1年生か2年生だった
と思うけど
現地の小学校では
毎日1〜2人がクラスメートの前で
「Show & Tell」
をすることになっていました。



※Show & Tell とは…
与えられたテーマに沿って
クラスメイトの前で発表をする
ちょっとしたプレゼンのようなもので
アメリカの小学校ではよく行われる
授業のひとつです。



たいていはそのテーマにあったものを
家から持って行って
クラスメイトに見せながら説明します。
なので
Show(見せて) & Tell(話す)



その時のテーマは
「自分の大好きなもの」



息子は自分の順番になり
その時のお気に入りだった
日本で買ってもらったオモチャを
持って行くことにしました。

(Show & Tellの時だけは
学校にオモチャの持ち込みOK
だったのです)



そのオモチャは光って音がするので
私は息子に

「Show & Tellの時までオモチャを
カバンから出してはいけないよ。
休み時間にそのオモチャで
遊んじゃダメだよ」

と言い聞かせて
学校に送って行きました車



それから数時間経ったころ
会社にいる夫から
私の携帯に電話がベル

「小学校から息子のことで
『至急学校に来るように』って
留守電が入ってたんだけど

「何があったかよく分からないけど
とにかく行ってみて



それを聞いてすぐに思ったのが
息子の体調のこと。
朝ちょっと咳をしていたけど
熱はないし
楽しみにしてたShow&Tellの日だから
学校に行かせたけど
熱でも出たのかな!?



慌てて学校に行き
オフィス(事務室)に顔を出すも
息子は居らず。



息子の通っていた小学校には
日本のような "保健室" はなく
体調の悪い子はオフィスの片隅に座り
保護者が迎えに来るのを待つのです。



オフィスのおばちゃんは
私を見ると

「校長先生がお話があるそうよ」

と校長室に案内してくれました。
歩きながら
私の頭の中はプチパニックに!!



何で校長先生??
…あっハッ
もしかして
今朝持っていったおもちゃで
遊んで怒られたのかな?



でも校長先生に呼び出されるほどの
悪いこととは思えないし…



それとも
ケンカして相手にケガをさせたとか?



校長室に入るも
校長先生はいらっしゃらなかったので
しばらく待つことに。



頭の中でいろんな英語のセンテンスの
お詫びの言葉を考えていると
校長先生が登場!!



とっても太った体格の良い
黒人の女性校長。
いつもは笑みを浮かべた優しいお顔も
今はかなりご立腹のようすムカムカ



校長先生が開口一番

「お母さんに来てもらったのは
これが理由です」

とおっしゃって
机の上に出したのは
やはり
息子が待っていったオモチャ。



それはダークシルバーの
小さな拳銃でした。
引き金を引くたび
3種類の音がしてピカピカ光るもので
日本ではオモチャ屋さんで
普通に売られているものです。



「校内に拳銃を持ち込むのは
禁止されています」



…えっ
…いやいやいや(笑)
これはオモチャですよ?
色も形も大きさも
どっからどう見たって
本物に見えないですよね〜!?



って思った私。
表情にも出ていたようで
校長先生はそんな私を見て
静かに

「お母さん。
本物かオモチャかは
関係ありません。
『拳銃』持ち込んでは
いけないのですよ」

とおっしゃいました。



それでもまだ
ことの重大さがわからない私。

「こんな絶対に本物に見えない
オモチャの拳銃でもダメですか?」

というと

「遠くから見たら
これが本物かオモチャかは
すぐに分からないでしょう?
オモチャに見えたとしても
もしかしたら本物の拳銃かもしれない。
私たちは子供の安全のために
少しの危険も見逃すわけに
いかないのです」



私はそれを聞いて初めて

そうか!
アメリカには本物の銃が家にあって
小学校低学年の子供でも学校に
銃を持ち込む可能性があるのだ!

と思い至ったのです。



あああああアセアセ
知らなかったこととはいえ
本当に本当に
申し訳ありません!!!



でもこれは
ただ謝って済む話ではなかったタラー



「本物の拳銃を持ち込んだら
もちろん即刻退学処分です」

「ニセモノの場合でも
停学処分です」



てっ…停学?!


どうしようどうしようガーン
ってか
小学生でも停学処分になるの?



真っ青になってうろたえる私に
校長先生は


「あなたのお子さんも
本来なら教育委員会に届け出て
停学処分になるところです」


「しかしこの件は
お母さんがルールを
良く理解していなかったようですし
オモチャの銃でも玉の出ない
危険のないものでしたので
今回に限っては
教育委員会に連絡しません。
停学処分にもしません。
今後はこのようなことが無いように」



あああああ校長先生キラキラ
ありがとうございます!
ありがとうございます!



そして
オモチャを返してもらい
Thank youとI’m sorryを
ずっと繰り返しながら
校長室を出たのでした。



その日
帰ってきた息子に話を聞くと



登校してすぐ友達に
Show&Tellに何を持ってきたのか
と聞かれて
オモチャを見せてしまった…と。
するとその友達や周りの子が
息子のオモチャの拳銃で
遊びだしたそう。
それを
カストーディアン(用務員さん)に
見つかって
オモチャは取り上げられ
担任の先生には叱られ
Show&Tellもさせてもらえず…
息子にとって
散々な1日になってしまいましたハートブレイク



この日のことは
"アメリカだからこその出来事"
と言えば
そうなんだけど
私が無知だったせいで
息子にかわいそうなことをしたと
15年以上経っても
ずっと心に残っているのですよ。




おまけのフォトカメラ



このあいだのランチは
日本食レストランへ。


天ぷらうどんに
ごはんが付いてきたグラサン




今日の単語メモはお休みします。