罫線BNOTE -2ページ目

罫線BNOTE

掃き出し用。
日記だったり小説ネタだったり



 子どもを養う者なら皆が考えることだろう。うちの子の教育どうしようかと。二人の養い子を抱えるシュトリも当然ながらそのことに頭を悩ませていた。今日も今日とて、頭を悩ませ、仕事の昼休みを過ごしていた。鶏を挟んだパンをもそもそとかじる。


 一年ほど前、二人目の子どもを扶養に入れた。異国人の、どうも重度の記憶障害のある子どもだった。文化圏に無かっただろう箸はわかるが、フォークやスプーン、皿を見て首を傾げるほどだった。紺とはっきりした色の名前をつけた子供は、なにか心に痛手を負ったのか、アルと同じようにしゃべらない。歳を尋ねるとと両手で9歳だと主張し、初等学校に行かなくてはならない歳だったが、今は見守ろうと医師が診断を下した。入学はしばらく見送ることになったのだ。

 それが1年経たないうちにめきめきと知識を増やした。言葉も理解してしゃべるようになった。シュトリが仕事の間預けている村の古本屋のじいさんから読み書きを習い、古本屋の本を読み、村医者から算数を習った。ににんがし、にさんがろく、と歌うようにかけ算を唱えることはとっくに終えて、その応用に手を出している。この時点で初等科の2年は確実に終えた頭を持っていることになり、恥ずかしながらもうシュトリより頭がいいだろう。シュトリは10歳までしか学校に通っていない。

 古本屋のじいさんは元は大学教授という高名な職に就いていた。村医者の先生は当然のことながら立派な頭脳を持つ。その二人がこう言うのだ。この子は村の学校なんてもったいない。都会へ出ていい教育を受けさせるべきだと。

 そんなこと言われても、と困ったのは親の方である。頭が良いのはわかる。家で医者からもらった算数の教科書を開いて鼻歌交じりで問題を解いた。本の虫で、シュトリが図書館から借りてきた本まで読みつくし、もっと読みたいとねだるのだ。最近はよくわからない収集癖に目覚めた。イネ科の植物を収集し始めたのだ。子ども用の図鑑では足らなくなったために、特別に最新の植物図鑑を買ってやると目をきらきらさせて喜んだ。植物採集にも熱が入った。もはや失った記憶の補完の域を超えている。学者肌ですね、と元教授は喜んだ。このじいさんも収集癖はかなりのものだ。おそらく紺に影響を与えている。

 高い教育が受けられる都会の学校に行かせてやりたいのはやまやまであるが、先立つものがあるかどうか、ということが問題だった。シュトリは週に4日働き、夕方の鐘が鳴る前に仕事終える。家庭のある奥様方が好む働き方であったが、当然のことながら賃金は安い。シュトリは体調に不安を抱えるため、これ以上は仕事は無理だと感じていた。村にいれば自給自足ができる、都会に行くとなればなんでも買わなければならない。学校の授業料も馬鹿にならない。家計から考えて無理だというと、古本屋のじいさんはあっさりと


「私たちが援助しましょう。学校の授業料と野菜は私たちが出します」


 紺を膝に抱えたばあさんも頷いた。


「制服や服も心配いらん。仕立てちゃる」


 ばあさんは拝み屋でもあるが、仕立て屋から請け負って服の直しの内職もやっていた。服も作れる。

 子どもがいないらしい老夫婦は、シュトリが引き取った養い子を孫のように思っている。しかしさすがにそこまで頼れない、いいや出すと押し問答しているところに医者と村役場の役人がやってきた。道でちょうど会ったらしい。

 医者は満面の笑みだ。


「おーい。村の推薦枠取れたぞ」

「す、推薦枠?」

「村から都会の学校に行ける推薦枠。いつでも入れるぞー」

「なんでそんなことに」

「紺に学校の定期試験受けさせてただろ。それの成績良くってさー。特に算数、理科」


 用意していた言い訳、「そもそもそう簡単に転入できるわけがない」がつぶれた。紺が登校できないかわりに、家庭で勉強させろと村役場から指導を受けていた。勉強ができるようになってから、学校で定期的に試験を受けさせられていたのだ。子どもに教育を受けさせることは義務だった。

 役人が紺の成績表を出す。5段階評価ですべて5……とはいかないが、確かに算数、理科は5だ。「特に秀でており、学年以上の理解を持っている」と評価が書いてあった。文系科目も4、古典だけは2だった。バリバリ理系の医者、物理学教授を相手に勉強をしていたのだ、文系は手薄になる。紺も古典にはまったく興味がないらしい。教育係だという役人はぜひわが村から、都立学校へ出したいから行けと説得してきた。行けば医者になるも都庁や役場の職員になるのも夢じゃないらしい。


「だから金がですねぇ……俺は体が悪いからひと様みたいに働けなくて」

「推薦であれば入学費は必要なく、授業料は村役場が負担します。ところで体が悪いということですが、シュトリさんは就労困難者のための支援金を受け取っておられませんね?」

「なにそれ寝耳に水なんだけど」


 シュトリの頭の中のそろばんが、かかっと弾かれる。行ける。

 しかし問題なのは本人の意思である。村でのんびりと勉強するのも選択だ。しかしふとシュトリは首を捻った。村でのんびり勉強して、なんになるのか。将来は農家か、しかし我が家には売るほど農業をする畑はない。どうも紺は虚弱で、喘息持ちだし。女の子なんだから、中等課程が終われば嫁に行く……嫁に行く? ここにいればそうなるだろう。早くて5年後にはこの村か、隣村から縁談が来る。田舎は結婚が早い。

 ばあさんに抱えられて成績表を「わーい」と眺める紺を見た。シュトリの視線に気がついて小首を傾げる。この子が嫁に行くのか……目頭が熱くなってきた。

 選択肢は多い方がいい。勉強しないのは損だ。


「紺、都会に住んでそっちの学校に行くのはいいか?」

「学校行くー」


 紺は諸手を上げて喜んだ。


「僕友だちほしい。あと、村の子にさぼってる言われるん、僕もういやや」


 役人はうんうんと頷き、他の大人は肩身の狭い思いをしていたのかとほろりとした。子供の世界もなかなか大変だ。

 かくして紺を都立学校へ入学させることになった。





-------



つづくはず。





 養っている子供らは仕事の間、村の古本屋に預けていた。


「ただいま帰りました」


 紺は仕事帰りのシュトリを見るなり、眼を潤ませた。


「なに、何どうした」


 ひゃーんと抱きついてくる紺をしゃがんで受け止める。


「ああ、今日は転んでしまいましてね。足を擦りむいてしまって」


 じいさんは申し訳なさそうに言った。ばあさんはこの子がどんくさいんや、とお茶を出す。確かに紺はどんくさい。手を引いていないとつんのめって頭から転ぶ。


「あん? 見せてみろ」


 ズボンの裾を捲るとちょっと擦りむいて、かさぶたができていた。


「大丈夫だ、これくらい」

「先生に消毒されたらいたかったらしくて拗ねちゃいまして」


 紺はぐじぐじと泣いている。転んだ上に痛いことされたのと言いたいらしい。ついでに苦手な先生に会ってご機嫌斜めだ。「はいはい。大丈夫だから」と古本屋に上がり込み、くっついて慰めろと訴える紺を足の間に抱え込んだ。暖かそうだと判断したのかどうなのか、うちの飼い猫は片膝に乗ってくる。

 なぜ我が家の飼い猫が子供らの預け先にいるかと言えば、猫も里帰りがしたいのか、子供らを預けにいくのに毎回ついてくるのだ。古本屋は飼い猫の生まれた家であった。もう一匹、古本屋の母猫は紺の膝に乗るか乗らまいかと足をもみもみさせている。泣く紺の頬をくんくんとして、にゃあにゃあと泣いて、シュトリを見た。猫の動物的な脳みそにはシュトリが泣かしたように見えたのだろう。意外と猫という動物は面倒見がいい。


「ほら、にゃんだぞにゃん」


 猫の方が子守り上手だ。可愛く鳴いて、ころんと腹を見せてみればいちころだ。シュトリだってその白い腹をもふもふしたい衝動に駆られて手がわきわきしそうだった。あざといなあと、古本屋の猫を見る。紺はまんまと猫に引っかかって腹をもふもふしていた。

 古いものには何かが宿るとばあさんは言う。古い本だらけで、拝み屋をやるばあさんと一緒にいちゃ、いつか三毛の化け猫になりそうだ。

 対して我が家のの猫は動かなすぎて、いつか三毛毛玉になりそうだった。




…………



書いたのは22日でした。ねこの日だとにゃらんのついったを見て気がつきました。

猫は意外と子守するらしい。

 エリアスに対して距離を取っていた紺が、このごろ、ちょこちょこと傍に来るようになった。兄や弟以外の男に慣れてきたのか、隣にちょこんと座るようになった。

 黒と茶が混じる髪に、赤い隻眼。容姿に難ありと母は嘆くが、戦後は樹海都市も混乱していた。栄養失調や、医療が行き届かずちょっとした眼病で盲になったり目玉を摘出する例はないわけではない。元は孤児である紺はその憂き目にあってしまったのだろう。中性的な、可愛らしい顔立ちをしているだけに、片目がないのはもったいない。本人は気にしては無いようだが、左側の体を良くぶつけたり、見えてなかったりと実は不自由しているようだ。それはエリアスが左側を歩いたり、物を差し出すときはちゃんと視界にはいるように気をつけるようにしていた。

 紺は今、学業、研究、仕事の傍ら、上流階級の教養も身につけようと努力していた。紺は頭はいいが、上流階級の女性としての教養に欠けた。最初は刺繍に力を入れているらしい。今も本を読むエリアスの傍に座り、ランプの明かりのもとで針を動かしている。ハンカチの隅に描かれる下書きの文字は、紺の兄の頭文字だ。

 「先生には上手になったら縫いますね。兄さんは下手でも許してくれるから」と紺は生真面目に言う。別に下手でもいいのに、と思う。紺が指に針を刺しながら、初めて縫ってくれるそれが欲しい。聞けば簡単な編み物や縫い物はしたことはあるが、刺繍は初めてらしいのだ。しかし「兄さんが欲しいと言った」らしく、妻の初めての刺繍はあっさり兄の手に渡ることになっている。

「私に縫ってくれるのはいつになりますか」

 紺は針から目を離さないまま首を傾げた。

「あと、二三枚縫えばなんとかなりそう……かもしれません」

「まだまだ時間がかかりそうですか」

 それは残念だなと思って紺の手元を眺めた。紺はせっかく縫った糸が気に入らなかったのか、針で糸を引っこ抜いては解いていた。ふと紺が面を上げる。

「欲しいです?」

 率直な問いが子供らしい。その言葉に表も裏もない。それともそういう性格か。エリアスは「ええ」と頷いた。

「まだ下手ですよ」

「そんなに上手じゃないですか」

「だって線がたがただし、玉止めも良くできないし……」

 紺はうつむいて、糸をほどいて毛羽立った布を指で撫でた。針の傷よりも、落ちないインクのしみ、ペンだこが目立つ指だった。幼少から勉強、翻訳とペンを握り続けてきた指だ。紺の登場から、医学は飛躍的に進み、最近はその成果が現場にも現れ始めている。その指で刺繍されたハンカチを持つのは、特別なことに思えた。……細かい母は男のような手だと嫁の指すら気に入らないらしいが。

 エスコートするわけでもなし、手を握るのは驚くだろうか。馬車の乗り降りでもまだ手を貸されるのに慣れない様子だし。

「よくできていますよ」

 迷った末、ずいぶんと下にある頭を撫でた。頭ですら、ちいさいと実感する。この頭に、どれだけの英知が詰まっているのか。べつに刺繍やダンス、詩など詰め込まなくてもいい。その時間は学業や紺が熱心に研究している空飛ぶ汽車とやらに費やしていい。母とうまくやろうと、家に相応しい女性になろうと努力してくれるのは嬉しく、微笑ましくあるのだが、時間を無駄にさせているような気がしてならなかった。

 紺はちらっとこちらを見上げ、刺繍を眺めて唸った。やり始めて間もないはずだが、世辞を抜きにしてもうまく縫えている。元から頭の良く、器用な子だ。そういう飲み込みの早さも母が気に入らないことであるらしい。細かいことに没頭する性質なので、上達は早いでしょうよというのは、紺の護衛が言ったことだ。

「じゃあ次は先生の頭文字にしてみます」

「『先生』ではなく『エリアス』でお願いします」

「はい」

 笑って頷いた紺に満足した。まだ紺に名前で呼ばれたことが無い。刺繍をしながらエリアスを思ってくれればいい。結婚し、まだふたつきだが、かなり紺のことは気に入っていた。そろそろ寝ましょう、と刺繍に没頭する紺を促し、部屋まで送る。

「おやすみなさい、紺さん」

「おやすみなさい、先生」

 今日は一緒に寝ましょうか。と口元まで出かかった言葉は飲み込んだ。エリアスを見上げて、ランプの光を受ける赤い目はあまりに幼く、純粋だった。見合い、交際を経て結婚し、そろそろ半年になるが、エリアスと紺はまだ清い関係である。

 紺は15歳であるが発育が悪く、初潮前だった。まだ子供の妻だ。抱くことはおろか、触れるのも憚られる。手を出したら変態だ。行政的な手続きは済ませて婚姻はしたが、式は挙げていない。世間的にはまだ夫婦ではないことになっている。初潮前の娘は子どもとして扱われる。まだ夫として、触れてはいけないのだ。頭を撫でて、頬を撫でる、手を繋ぐ。そこまでだ。寝室も別だ。

 そんなもの建前だと友人は囁いたけれど。どれだけ年が離れていようと、相手が子どもであっても夜の妻の勤めを果たすのはおかしくないとは、言われもする。

 そんな夫のやましい思惑に気が付かず、紺は小首を傾げて「また明日」とあっさり部屋に入ってしまった。ぱたりと鼻先で閉まったドアに知らず知らずため息が漏れる。

 紺は虚弱で心臓が悪く、たとえ初潮が来たとしても子供は産めないだろうというのが主治医の判断だ。妊娠できたとしても、命と引き換えか、母子ともに死ぬか。何もしなくても長くは生きれないだろうと、主治医は言う。父も母も嘆き、母は愛人をと息子にそそのかす有様だが、たぶん愛人は作れないだろう。まだ子供の紺に、そんな辛い思いはさせられない。ただでさえ、母に小言を言われて辛い思いをしているのに。それに孤児とはいえ、紺の後見は大財閥カーリンだ。紺を粗末にすることは大財閥を敵に回すことになる。それはイシュト家に大打撃を与えることになるだろう。

 早く大人になればいい。そんな言葉も飲み込んで、離れた奥の自室へ引っ込んだ。

*調子がいいのでできたことできなかったことの報告。


☆本日の最大目標:提出物を出しに学校へ行く

             →祝日だから誰もいなかったよ★


●できたこと

・今日は奮起して朝早く起き上がれた

・風呂に入れました。髪も体も洗えた。スキンケアもできた

・換気扇カバーを取り換えた

・ご飯も炊けた

・朝ごはん食べた

・スーパーにおきっぱだった自転車を取りに行った

・提出物提出のため学校にいく しかし祝日で窓口閉まってたでござる…

・前から気になってたケーキ屋でケーキを買う

・昼ごはん食べた

・ブログかけた

・晩ごはん食べた

・サプリ、薬飲んだ


●できなかったこと

・昨晩は一睡もできませんでした

・提出物出せず

・若草山に登るつもりだった




*まあどんだけ日にちの感覚が無いのか思い知った。泣きながら学校行ったのにお休みだったというこの自分何やってんだ感。なにやってんだ。引きこもりはあかんな。

月曜日は必ず出さなければ。

ガラケーは祝日教えてくれるんだけど、スマホは教えてくれんのよな…なんか設定があるのかな。いまだに使いこなせないスマホ。

しかしこれでうじうじしてるのがアホらしくなってなんか吹っ切れた。


*若草山に登るつもりだったが、ケーキを置きに、昼食を取りに家に戻って腰を落ち着けたら根が張ってしまった。まあ今日はいろいろできたし、良いんだけども。


*ご飯はもう皿にラップ敷いてワンプレート飯にすることに決めた。皿洗わなくて済む。ダメ人間だけどしゃーない。流しに洗いものいっぱい。

まめな人間になりたい…


*明日の最大目標は

 ・薬を飲む

 ・洗濯する

 



今日は良い日でした。

ちょっと仮眠。



*今日は調子が良いようだ。寝れてないので目の奥が重いけど。

昨日なにもせずさぼったのが良かったのかな。薬も飲むのをさぼってしまったのは良くなかったけど。

薬を飲まないと寝れない状態です。



調子がいいので吐き出しです。






*自分じゃどーにもならん、やる気がどうしても出ないので11月初めに学校のカウンセラーを受けました。

僕としては一大奮起。誰かに相談すること滅多にしないので。

泣きながらカウンセラー受けて、鬱ですねって言われて、精神科へ行きました。鬱ですねって言われて、お薬頂戴しました。軽めの薬で様子を見るらしい。

飲んだら、おー(´・ω・‘)ってくらいには効果が出ました。ほんとに効いてるんだかプラシーボなのかはわかりませんが、風呂入って髪の毛洗えたし、ちょっとお洒落して買い出しにも行けた。

新しく買ったストールはおってどっか行こうと思えるのがすげえ。嬉しかったです。

いつも行かないスーパーに行ってみたら、好物のアメリカンドッグがおいしかったし、揚げじゃががおいしかったです。揚げじゃがは北海道で食べた芋もちと同じくらいおいしくて感動だった。

で、次の日また動けなくなったけど。ぐったりした気がします。

敗因:調子に乗った


6月あたりから本格的に風呂に入らない、歯を磨かない、無駄毛処理をしない、食事をしない、食欲がない、布団から出れない、眠れない

メール返信も、電話も出ない、洗濯しない

無気力状態で、なにもかもがめんどくさい、体が重い、まったく外に出ない

洗濯機回しても干せなくて、風呂沸かしても入れなくて

昼夜逆転生活。寝れる日は昼間に寝る。

缶詰、冷凍庫に貯めてあった食材が全部食べつくして、しばらく米だけで生活していたような気が。ふりかけとか。

延々とスマホで小説家になろうで小説流し読みか、小説ネタをもぞもぞしたためるか。現実逃避がすごかった。

こう書くとただの怠けでござる

でも不思議なほど無気力状態。でもなんかしてないと落ち着かない。でも課題やるにはまったく頭が働かなくてできない。ソフトの使い方もわかってるのに手が止まる。なにをすればいいのかわかってるのになぜかできない。

食器を洗うのにもどうすりゃいいんだっけと手が止まる。スポンジに洗剤乗っけて洗えばいいのにねー


一応女なので身だしなみは気にするところで……それができないと外出もする気もなく、できなくて、6月から引きこもり。7月8月は数えるほどにしか風呂入ってないです。恐ろしい。

こんな状態でもイプシロンロケット発射を見に、船、レンタカー予約して鹿児島の先っぽまで行ってました。すでに行く気なんて萎えきってたけど、親に全部計画任されたのでやりました。本当はもう遅すぎて船もレンタカーも予約できなかったんだけど、運よく発射延期をキャッチできたので、交通手段をゲットできてしまった。

結局発射は直前に失敗して見れなかったんだけど。

よう行ったわ。ほぼ無心でなんも感じなかった。無感動。

種子島宇宙センターに行ったときはわくわくして楽しかったのに、なんかもう苦痛だった

ロケット好きで、すきだーと語れるほどだったんだけどなぁ

卒業研究の分野も興味バリバリで何年も資料集めたりしてたけど、漫画も好きで追っかけてた本もあったんだけど、MMOもやってたけど、ばっつりとなんも興味が湧かない


常に監視の目がないとダメな人間

あと進路の転換期になると脳みそ停止が半端ない。高校受験も大学受験もそうだった。

おかしいんじゃないかと自分でも思うほど無感動、無感情、無関心

真面目系クズとは私のこと

自分が悪いと理解しつつも他人や環境のせいにしたい

最終的には親がどうにかしてくれると思っているダメ人間。甘えがすごい。親の言いなり、自分じゃ何も決められない。

でも親が好きかっていうとそうじゃない。会いたくない。ホームシックとかなったことない。地元にいても親の実家問題とか母親の病んだ話に延々と付き合わされるだけ

親への甘えがすごいのに、潰れて苦しめと思っている。


家族間の不仲は子供にとってすんごい辛いものだ。二世帯同居は絶対しない。

小学中~高学年まで毎日毎夜怒声が響く中で暮らして、寝てました。

毎晩悪夢を見て目が覚める。覚めると必ず金縛り。金縛りの間すっごく眠いんだけど、その間も怖い夢の続きがずっと頭の中で流れてて、必死でもがいてたなあ。怖くて怖くて。体ごと引っ張られるようなすんごい眠気と、寝たら怖い夢の続きを見ることになるので。

寝るのが怖かったし、眠れない日もあったな。

家の中での喧嘩勃発から同居解消の時期あたりに重なって、同居解消して引っ越してから悪夢もないし、金縛りはだんだん無くなった。金縛りはストレスと関係あるらしいので、霊感うんぬんではなくて睡眠障害だったんだろうな。

高学年からはずっと死にたいと思いつつなんだかんだ元気に暮らせていたような気もする

今は死にたいとは思わないけどどうでもいいです。ひたすら無気力です。外に出てるとたまにふらっと車道に出たくなる。

こういうのもカウンセラーさんや先生に話したらいいのかね。

ところで精神科の先生に何を話したらいいのかわからない。


洗いざらい誰かにぶちまけて清算する時期なのかなあ

もじゃもじゃしてるものを解決しないとこのままだらだらと生きて、ふらっと死にそう。それでもいいけど。


前は猫を飼ってにゃんにゃん暮らすのが夢だったんだけどなんともはや。




親に言われた「お前はできないんだから」という言葉がぐるぐるまわるよ


出席しなきゃだった講義に出られなかったよ

昨日は眠剤飲んで寝ました

留年かなぁ


病院行って鬱だって言われて薬貰いました

薬飲んだらちょっと楽です


猫動画見て癒される

死んだ猫が恋しい



死ぬことを考えて見られたら恥ずかしいものは削除しました

死なないけど


ちょっと寝てシャワー浴びたら講義に行きます


わけわからん辛さが辛い



0 生け贄の花嫁


 籠に入れられ、森の奥深くに運ばれていく。ミラは今日、山神に嫁がされる。
 嫁がされるとは聞こえの良い言葉で、その実は生け贄だ。猿の餌になりに行くのだ。その証拠に着せられた白いドレスは、未婚の死人に着せるものだった。赤い刺繍の柄は花嫁衣装にされるものだった。
 かちかちと恐れで歯が鳴った。村での儀式の際に、無理矢理強い酒を飲まされ、麻薬の一種である葉を噛まされた。意識が戻ったのは、ミラの体質故だった。酒に酔いやすいが醒めやすい。葉は飲んだふりして頬に隠していたため、麻薬による酩酊はあまりない。目眩と頭痛だけですんでいた。
 どうして私が。唇をかんだ。
 猿への生け贄は、未婚の娘を持つ家長が集まり、決められる。参加する人数の数だけ玉のついた縄の輪を回し、最後に白い玉を持っていた家長が娘を差し出す。儀式の際は、立ち会うものたちはみな目隠しをする。だれが白い玉に当たるかはわからない。そのはずだ。
 しかしミラは嵌められたという思いが捨てきれなかった。
 ミラと父は新参者だ。それもやっかいな新参者だ。刑務所上がりで、気違いの父親とその娘。父は殺人と子殺しと聖職者殺しと放火の罪で投獄された。
 殺人の中で一番重いのは子どもと聖職者を殺すことだ。16年前、父は家に火をつけ、家政婦と神父だった兄を殺した。ミラは兄に助け出されたが、兄は煙に巻かれた家政婦を助けるため、燃え盛る家に飛び込んだ。それが最期だった。
 父は家族が邪魔だったのだと、人から聞かされた。当時、父に女性との結婚が持ち上がっていた。ミラは父の実子だったが、兄は養子だった。兄のことは一等邪魔だっただろうと人は言う。兄は病弱で、寝込んでばかりいた。
 死刑を言い渡され刑務所に入れられた父は精神を病んでしまっていた。戦後、冤罪だったと釈放されたが、もはや自分一人では生活が出来ないほど精神を病んでいた。謝罪として父とミラは生涯の生活を保障され、静かなこの村に移り住んだ。かつての場所はどうしたって白い目で見られるからだ。
 父は日がな一日ぼんやりとしていた。しかし夕方、いつも兄が学校から帰宅していた時間になると、昔のしっかりとした父に戻り、兄の帰りを待っていた。日暮れが過ぎるとだんだん父は壊れていく。兄が帰ってこない、帰ってこないと騒ぎ出し、頭を掻きむしる。迎えに行く、探しに行くと言って、兄を呼びながら村をさ迷うのだ。
 以前たくましかった体は、今は痩せてひょろひょろと背が高いばかりで、不眠症で顔色は酷かった。夕闇が迫るとゆらりと立ち上がり、さ迷い出す様は化け物のようで、娘のミラでさえ恐ろしかった。
 そんな父が村人から背を向けられるのは当然だった。手の甲には前科者の刺青、それも死刑囚の印だ。ミラも凶悪な犯罪者の子どもだと、煙たがられた。
 だから生け贄に選ばれたのだ。右も左も分からないぼんやりした父は白い玉を握らされようと、意味などわからなかったに違いない。誰も自分の娘、孫など差し出したくない。気違いの前科者の娘は都合が良かったに違いない。
 ミラはお気に入りの小さなかばんを探った。小さなころ、父と兄が選んで買ってくれた革のかばんだ。長く使えるようにと、丈夫で、しかし花柄が押された可愛らしいものを買ってくれた。家が燃え、家財は殆ど燃えた。父が投獄され、ミラは孤児院に入れられ、残ったものも全て取り上げられた。ミラに残った物は火事の時に持ち出した、このかばんだけだった。それから焼けた家から拾った、兄の遺品だ。
 ミラは小袋をぎゅっと握った。中身は兄が持っていた天体模型についていた星だった。焼け焦げているが、辛うじて太陽という表記が読める。
 お兄ちゃん。
 兄を呼んでも、兄の顔がうまく思い出せなかった。火事はミラの記憶すら焼き焦がした。家族の絆さえ焼き焦がした。
 冤罪だったと言われても、父が家族を殺そうとしたのだ、兄を殺したのだという思いを抱えたまま父を世話してきた。
 父がまともであれば良かったのに。
 兄が生きていれば良かったのに。
 家政婦なんて助けに行かなければ良かったのに。
 兄がいてくれれば、孤児院で惨めな思いをせずにすんだはずだ。兄は当時14歳で、成人ではなかったが、神父だった兄が勤めていた教会で世話して貰えただろう。兄が生きていれば、ミラを顧みず、兄を一心に思う父を見ずにすんだのに。
 いいや、最初から兄がいなかった方が良かった。
 ささくれた心は今や父や兄を恨む気持ちが勝っていた。それでも家族を恋しがる気持ちは忘れようもなかった。だからかばんと小袋を手放せず、こんなところまで持ち込んだ。
 何が悪くて、自分がこんな目に合わなくてはいけないのか分からない。
 まだ死にたくない。ミラはかばんを探り、身分証明書と金を確認する。くらくらする頭を押さえながら、金額を確認する。あまり多くはないが、安宿なら2、3日の宿泊するだけの資金はある。それからパン一つと一掴みのあめ玉、マッチ、小さなナイフ。突然「持っていきたいものを決めろ」言われ、小さなかばんにこっそりとつめるのはこれが限界だった。中身を改められなかったのは、喰われに行くからだ。
 ミラはこれから森の奥深くにある祠に、野菜や鶏、牛などの供物と共に置き去りにされる。眠っているふりをして村人が去るのを待ち、逃げる。それがミラの計画だ。ずさん過ぎるが、それしかない。もと来た道を辿って村を出て、一番近くに住む兄の幼なじみの医者に頼るしかない。月に一度は様子を見に来てくれて、父の診察、ミラに土産と世話を焼いてくれている。困ったことがあればいつでも頼れと言われていた。
 村にはもちろん帰れない。父を見捨てることになるだろう。それでも良い。どうせ父は死んだ兄のことしか頭に無く、実の子で側にいるミラのことなど何一つ気になどしていないのだ。
 幼少の火事で、もう、なにもかも失っている。失わなかったのは命だけだ。
 籠が地面を下ろされる。慌てて静かにかばんを閉めると、ミラは気を失ったふりをした。ミラは祭壇に寝かせられ、まわりを供物で固められた。牛の臭いと血の臭いに噎せそうになるのを必死で我慢する。
 太鼓が轟き、祈祷師が祈りを捧げる声がする。供物と花嫁を用意したと言い、供物の品目とミラをゆっくりと紹介していった。
 ミラは冷や汗をかいた。太鼓も祈祷師の声も空気を震わせるほど大きい。山猿を誘き寄せようとしているとしか思えなかった。
 山神と言っても実在する猿のことだ。この猿は十数年に一度、村の畑を根こそぎ荒らしていく。人より大きく、丸太を小枝のように折ると言われている。
 荒らされるたびに供物と生け贄を捧げる。そうしないと延々と畑や家畜、人にすら手を出し始めるという。
 討伐しようにも村人の手に負えるものではなく、田舎で、人を寄せ付けない迷いの樹海には討伐隊は派遣されない。戦争が終わって5年、まだ末端は捨て置かれているのが現状だ。
 ぞっと鳥肌が立った。それほど遠くないところでばきばきと枝が折れ、甲高い鳴き声がした。鳥肌が立ったのは本能が危険だと察知したためか。
 村人も怖じ気づいたのか、太鼓と祈りの声が揺れた。それでも猿を呼び込む儀式は続く。
 猿が供物に手をかけるまで、やめないつもりか。だとしたら逃げる時間がなくなってしまう。
 もう限界だ。ミラは跳ね起き、かばんを掴んで脱兎のごとく走り出した。草木に紛れて姿を隠したかった。
「てめぇ!」
 村の男が追いかけてきて、ミラは易々と捕まってしまった。多少麻薬や酒の作用が残る身、ふらついて速くは走れない。足首まで隠すドレスは裾を踏んで走りにくい。
「離せ! 生け贄になんかなりたくない!」
 髪を振り乱し、叫んだミラの声に応えるように、甲高い鳴き声が響いた。近くにいる。怖じ気づいた男の手が緩んだ隙に、ミラは足を振り上げ、男の股を思いきり蹴飛ばした。
 潰れた悲鳴と、祈祷師の焦る声を背にミラは走り出した。計画も考えもなく、恐怖と逃げたい一心だった。猿の声がする、その反対側へ走り出した。





 (ラズラ)=アウラ=シェムシェイシェ一筋縄では行かない子どもだった。意志が強く、そしてそれを押し通す力を持つ。赤い隻眼は妙に力を持った目だった。一つしかない目に二つ分の意思と感情を乗せて、自分はこうするんだと見つめられると結局誰もが折れてしまうのだ。
 紺は妙に鋭い子どもだった。影としてひっそりと護衛するシェイェにすぐ気がついた。アパートを出て、同じアパートの少女や近所の子どもとわちゃわちゃと学校に行く道で、紺は振り返った。一般人に紛れて後ろをついていたシェイェをくせっ毛に隠れた赤い片目がばっちりと捉える。シェイェが素知らぬ顔で屋台でパンを買うと視線が外れる。驚いて心臓が跳ねるのを感じつつ、気をつけねばと思った。どんなに訓練された軍人や諜報員でもシェイェを初めとするカーリン商会の影には気がつかない。子どもだからと言って無意識に甘く考えていたのかもしれない。そう考えて気を引き閉め護衛の任に就いた。
 紺は遺跡の鍵である。旧時代の遺跡を堅牢に守る精霊が認めた、たった一人の鍵だ。大昔、ラミア王家が当時辛うじて残っていた、旧時代の魔法のごとく優れた技術を保存維持しようとした研究施設、それが遺跡だ。旧時代より何百年も技術水準が後退した世で、遺跡の解明は一大事業だった。月に都市を造り、またさらに先にある赤い星に都市を造ったという旧時代は世の憧れだった。おとぎ話のような歴史的事実に旧時代は魔法が使えたのだと言われたが、それは全て自然の理に従って行われたものだ。それならば我らも追い付けるはずと、本格的に調査が始まったのは紺が現れる5年ほど前だ。
 それまで教会が支配していた世界が大戦によって東方と西方に分断された。東方は教会が支配し、西方は女王が率いるオルクルを中心とする自由主義国が緩やかに連立する。教会は旧時代の技術を魔術だとして、自然科学の発展を異端として弾圧したが、西方諸国は弾圧に反発し、旧時代のような世界をと徹底抗戦し、未だにらみ合いは続いている。
 遺跡が集中する樹海都市スィールウェーラは中立都市である。創立当初から一度も教会には屈せず、遺跡の解明に務めてきた。異端だと教会軍に何度攻めこまれようとも、魑魅魍魎が跋扈する樹海が盾となり独立を保った。海岸部ですら切り立った崖ばかりで、海流は複雑だった。遺跡調査は遅々として進まない調査だったが、しかしその結果と教会に邪魔されずに進む研究は常に樹海都市をすべての分野において最先端を走らせる。
 遺跡は堅牢に精霊によって守護され、大量の火薬が無ければ内部には侵入できない。金はかかる、そして危険が伴う調査に自由を勝ち取った西方が資金援助することが決まり、樹海都市は調査に本腰を入れた。樹海は遺跡を守るように人を迷わせ、魑魅魍魎が跋扈する。難航する調査に光を差したのは紺だった。
 紺は樹海の中に兄と弟と住む、変わり者の家族の一員だった。普通、人は樹海には住めない。迷うか魑魅魍魎の餌食になる。しかしたまにいる樹海に惑わされない性質の市民は確かにいて、紺とその兄は遺跡調査隊を樹海の中を安全に案内した。そこで紺は精霊と接触し、鍵だと認められる。
 鍵は遺跡の所有者であるラミア王家の血筋の者だと言われる。紺は樹海で拾われた孤児だった。それから紺の生活は一変する。王家の末裔、姫だと持ち上げられて、相応の教育をと、まだ11歳の紺は家族と引き離された。それに紺は嫌だと癇癪を起こし相当抵抗したようだ。家族の元に返されたが、最高の教育と調査の協力を求められた。
 紺は家族と生活をすることを望み、それは叶えられた。学校への送り迎えも護衛もいらないと言い、それは表面上叶えられた。そこでつけられたのがカーリン商会の私設軍の護衛も行う諜報部隊だった。
 その日から、初日から護衛に勘づいた紺との追いかけっこの日々が始まった。登校時は大人しく学校に向かうが、帰りはわざわざ夕方時にごった返す市場を通り、小柄な身体を利用して網の破れや柵の隙間に入り込んだり、狭い家と家の間を通ったり、どこにもいないと思うと屋上へ上がって家と家の屋根の上を歩いている。四角い建物が多くびっしりと立ち並ぶ樹海都市はそういう近道もできるのだ。そうやって紺はたびたび護衛を撒き、諜報部を「あのガキ、遊んでやがる」と散々苛つかせ、撒かれたとカーリン卿にバレれば子ども相手に何をやっていると叱責される。紺に護衛はいらないと言われた手前、カーリン卿は「まっすぐ家に帰ってくださいね」と諭すことしかできない。子どもはしれっと「寄り道はしてないよ」と言い、カーリン卿の頭を抱えさせた。寄り道は確かにしていない。帰り道がおかしいだけで。
 紺は撒こうとする前に的確に護衛の方をちらりと向く。そして追いかけっこを始めるのだ。紺は喘息持ちの子どもで走ったり、あまり速く歩いたりできないはずの身体だ。それでも週に二度はまんまと護衛を撒いた。賢い子どもはちゃくちゃくと土地勘を身につけていた。
 一度水路に潜り込もうとした紺を止めたことがある。首根っこを掴まれ、「捕まっちゃったー」と楽しげに言う子どもに「危ない」と叱ると、子どもはへそを曲げてそっぽを向いた。「人さらいって叫ぶ」と言われれば放さざるを得ない。
「だいたい、なんでわかっちまうんです」
「すぐわかるよ」
 得意げに紺はシェイェを見た。どうしてか赤い隻眼に妙に目が奪われる。眼帯と赤い眼を気にしているのか、ふわふわのくせっ毛を隠しているが、その鮮やかさは隠しようがない。「ぜんぶ見えてるから」と言う子どもの目が鮮やかさを増しているような気がしたのは、赤目が魔眼と言われるからか。樹海の魑魅魍魎はすべて赤い目だからか。紺は樹海に惑わされず、むしろ魑魅魍魎を味方につける。
 いいや、面目丸潰れの大人がこの子が特別なのだと苦しい言い訳をしようとしているだけなのだ。紺はただの抜群に鋭い子どもだ。身体が弱くなければ諜報か護衛に誘っているところだった。
 「水場は危ないから行っちゃいけません」と子どもを諭すと、くるりとシェイェを見上げて「ルールができたね、おじさん」と言って、とことこと路地に入り込み、破れた網を潜る。するりと家と家の間に入り込み、ひらひらと手を振った。

「……あんのガキ」

 とんでもないお転婆娘である。
 おかげで路地以外の通路に詳しくなった。小さな子どもは大人が思ってもみないところに入り込む。
 頭の中でやたらと経路が増えた地図を描き、別の道から子どもを追う。しかし予想した場所に子どもはいない。はっと頭上を見上げると、赤い目の子どもが屋上から顔を出していた。おっと見つかったとばかりに頭を引っ込める。家の間にかけられた板の切れ端をとことこと歩いていく子どもの姿を見つけ、シェイェも屋上に上がった。 後ろに目がついているのかと思うほど、シェイェが屋上に上がった途端にくるりと振り返る。

「さっき入った道に階段があるの、知らないんだー」

 子どもはふふんと笑う。

「……家と家の間は道とは言いません」
「だめだよ、そんなんじゃー」

 ええそうでしょうとも。
 げんなりとしながら小さな背中を追う。成長するのを予想してかのぶかぶかの紺色のカーディガンと裾を折ったズボン。小柄な身体に不釣り合いな大きな肩掛けかばんは重そうだった。茶と黒が混じる髪は簡単な袋状に編まれた黒い帽子で覆われていた。その角が獣の耳のように見える。少年のように短い髪がふわふわと揺れるのを見ながら、この子どもは猫なのだと思うことにする。
 猫は気まぐれだ。振り回されるのは当たり前。そう思えばちょろまかされても仕方ないと思えるような気もする。
 子どもは立ち止まり、ふうふうと息をした。胸に手を当てて、深呼吸を繰り返す。

「大丈夫ですかい」

 子どもはシェイェをじろりと睨み、ゆっくりと歩き出した。




* * * 



 その日のことは忘れもしない。ある日の帰り、紺は護衛に気がついた様子もなく夕方の帰り道を辿っていた。やっと汚名返上かと、任務を遂行していると、紺は帰り道を外れ、とことこと治安局に行った。落とし物でもしたのかといぶかしみながらもそのあとをつける。 シェイェは嫌な予感がした。
 小さな紺に玄関で立っていた局員はしゃがんで、「どうしたのかな」と尋ねているのが口の動きで分かった。紺は上目遣いで局員にすがり付いた。

「こわいひとがいるの」

 紺はびしりと的確にシェイェを指差した。ふふんと口角が上がる。

 ……あんのガキャァ。

 口が動き、シェイェはそれを読み取った。

「人さらいだよ。ずっとあとつけてくるの」

 白ラミアの子どもは人身売買の標的だ。紺はそっと治安局の建物に入れられ、ぞろぞろ治安局員が蟻のように沸いて出てきて、シェイェは捕まった。逃げる方がまずい。樹海都市は未成年者に対する犯罪に大変厳しく、人身売買業者は地の果てまで追う。
 必死の弁明とカーリン卿が来てくれて、無実が証明された。
 治安局から連絡を受け、慌てて迎えにきた兄にさも怯えた風に「ぼくこわかった」とすがり付き、じっとりとシェイェを見た。

「人さらいってアンタねぇ」
「間違ってない」

 紺は兄にしがみついて、暗い声を出す。

「ぼく間違ったこと言ってない」

 兄に抱き抱えられて、小さな子どもは言った。身体が弱く、一回りも小さな紺は11歳でも2か3つは下に見えた。

「連れてった。嫌だって言ったのに。帰してくれなかった」

 兄は黙って紺の頭を撫でていた。

「護衛はいらないって言った。契約違反だ。僕は普通に暮らしたいって言った。言われた通りに学校にもちゃんと通ってるし、調査にもついて行ってる」

 じっとカーリン卿を見る隻眼は妙に力があるのだ。ひとつの目に二つぶんの意思と感情を乗せた光は大人が黙るほど強かった。

「嘘ばっかり」

 カーリン卿は樹海都市を代表して謝罪し、しかししっかりとした環境で守られるべきだと主張する。

「やだって言ってる!」

 小さな紺は兄にしがみついて叫んだ。

「僕はただの紺だもん。鍵じゃないもん。兄さんとアルと一緒にいるんだもん」

 わあわあと泣き出した紺を兄のシュトリがあやしあやし、連れて帰っていった。
 気の毒な子だとシェイェは初めて思った。
 紺の家族は寄せ集めの家族である。兄のシュトリは戦争から逃れてきた身元も定かではない流れ者の男で、紺は孤児で弟のアルも孤児で、三人とも血の繋がりはまったくない。親戚もいなく、後ろ楯もない、庶民の中でも弱い立ち位置にいる。養父だが兄と接するシュトリはまだ若く、結婚もしていない。そして身体が弱いという。なんだかんだと理由をつけて子どもを取り上げるのは簡単だっただろう。
 いきなり引き離された紺はどう思ったことか。癇癪を起こし、食べ物が喉を通らなくなり、結局家族の元に返されたという。11歳であれやこれやと言われても理解できようもない。紺にとって人さらいに浚われたと同等のことだったのだ。公的機関がやるだけ、質が悪いと言える。逃げ場はないのだ。
 嫌と言っても護衛はつけねばならない。王家の末裔となれば狙うものもいるし、遺跡は樹海都市だけにあるわけではない。今、樹海都市が鍵を独占している。また、白ラミアは人買いに狙われる。少女の紺が髪を短くし、ズボンをはいて男装しているのはせめてもの目眩ましだ。少年の方が少女よりも狙われにくい。
 数日経ち、シェイェが担当になった学校の帰り、紺は飴屋に寄った。紺は変装していたシェイェにすたすたと迷うことなく近寄った。むすっとして「おじさんあげる」と紙袋を差し出した。中身はいくつも飴玉が入っていた。

「お給料」
「……カーリン卿から頂いてますんで」
「僕もお給料出すことにしたの。僕もおじさんたちを雇う。せっちゅうあんってやつ」
「給料は飴玉ですかい」
「未成年者はお金のやりとりしちゃいけないって言われたから、げんぶつほうしゅうってやつにしたの」

 思わず吹き出したシェイェを子どもはじっとりと見た。

「だれに言われたんです」
「僕が考えた。もう撒いたりしない。安心してつきまとっていいよ」
「変態みたいな言い方やめてくださいよ」
「未成年者つきまといは立派な犯罪だって治安局の人が言ってた」

 不機嫌にすたすたと帰り道を辿る紺は真っ直ぐアパートに戻った。
 大きめの紺色のカーディガンにズボン。小さな身体に不釣り合いな大きなかばんを肩にかけている。短い髪の毛をふわふわさせて、とことこと歩く後ろ姿を、シェイェは妙に気に入ってしまったのだった。
 それからは大人しく帰り道を辿るようになった。兄に何か言われたのかもしれない。しかし気まぐれに撒こうとするので気は抜けなかった。




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長編の回想部分

短編でもいけそうだったのでUP



*後期の授業をやっと行きはじめる。2週間に1回しかない授業ですでに2回も休んでいるのでもう休めない…

知り合い誰かいるかなと思ったけど誰もいなかった(´・ω・`)

メール返してないの謝るついでにごあいさつしたかった…


*ゼミの先生を訪ねる。6月から全然授業に出てなかったのでぼろくそ言われるかと思ったら心優しい対応を受けました。逆に不安になりました

先輩にわざわざ先生に取り次いでもらってありがたかった。久しぶりに人の優しさに触れました

ぼろくそいって来なくなったら先生もアレだもんね…呆れてるだろうなぁ

留年が見えて参りました

正直頑張る気力はない。でも頑張らないと

今まで怠けまくりの引きニートでしたので


みんななんでそんなわいわいできるんだろう

遊びに行ったり、おしゃれしたり、働いたり、人と仲良くしたり


外に出るだけで疲れる

遊びに行く気力も、おしゃれする気力も、働く気力もない

お気軽に人と話せません


逃げてばっかりだー

寝て起き上がるだけで精一杯

身だしなみ一つできない


男に生まれれば服装が無駄毛が化粧がどうのこうのと、女よりは悩まずにすんだのに

化粧しなくていい社会になんねーかな


*学校行ったし、小説ネタを考えるくらいの思考力は戻ってきて

頭もはっきりしてきたので、なんとかこのまま真人間の道を進みたいものである

毎日風呂に入って、歯を磨いて、三食食べる生活に戻りたい

2週間シャワーすら浴びないとか、ありえん…


今日からなんとかがんばります

白樺宮(しらかばのみや)アレン

通名 アレン=ミレシュ


・ラニア人とのハーフ

・黒髪、鮮やかな青い目 小柄、痩せ、ビン底メガネ

・優しさだけが取り柄

・大戦中西方から位を剥奪され、追放されたラニア王家の分家、蒼家の生き残りらしいが自分でもよくわからない。証拠もない。父親が蒼家だったらしいが失踪、母親は早くに亡くなり、11歳まで宿屋で使いっ走りをやっていた。

・分家の生き残りとして皇家の養子になるが、貴族社会になじめず、庶民出身であることを馬鹿にされ続ける。すぐに学生寮暮らし

・庶民出身のため、位が貰えず白樺宮 長男なら一宮、二男なら二宮と数字が振られる。ミレシュは母親の苗字

・白樺なのは痩せてひょろひょろしているから つけたのは義母

・天文学と物理学を学ぶ。科学の発展を悪とする教会からは推奨されていない学問。皇家は教会の元締めであるため、完全に当てつけだけで勉強。

・天文学の教授に気に入られて師事。親のように慕う。仲間に恵まれ、学生生活を楽しむ

・成績もそこそこ良いし、一応貴族であること、教授の愛弟子であるコネもあって、西方最先端の先進国樹海都市に留学

・帰ってこないつもりだったが、西方と東方の関係が悪化し、3か月で帰国。

・教会が異端狩りを始め、西方人や科学者の弾圧がはじまる。理系の学徒を狙った見せしめの異端狩りに巻き込まれ、破門の焼き印を押される。義父に回収され、屋敷に蟄居を命じられ軟禁ニート生活で1年を過ごす。自堕落に暮らす

・天体観察をしに抜け出したところで紺の存在を知り、なんやかんやあって保護する形で妻にする

・学生時代の伝手を利用して都落ちをしようとしていた西方医師をひっ捕まえて侍医にし、紺を連れて静養地で暮らす

・紺を妹のように思い、献身的に世話をする。だんだん女の子らしくなる紺にいつの間にか惚れてしまう。紺の傷が癒えるのを気長に待っている……けどじわじわと距離を詰めている しかし手を出すと犯罪の片棒担ぐことになりそうで我慢

・紺より2つ年上

・体温が高いため、寒がりな紺によくひっつかれて抱っこしつつも大変困っているが大変うれしい



*留学期間

・教授が国の行く末を憂い、永住も考えろと留学に出す

・樹海都市の進んだ技術、民族ごった煮の文化、開放的な雰囲気、酒好き、どんちゃん騒ぎ大好きな国民性にいろいろとカルチャーショックを受けてホームシック そのため西方と東方の関係が悪化するとさっさと帰ってしまう。もうちょい長くいれたら帰らなかったかもしれない

・天文部で指導の手伝いをしつつ、図書館でアルバイトしてひっそり暮らしていた

・不確定ながら紺の結婚相手として名が上がっていた。樹海都市側は引き留めたが帰ってしまったのでお話はなかったことに。留学を斡旋したのも樹海都市だったもよう

・文化財課が広告目的・スポンサー向けに開催する遺跡見学ツアーに参加することに。そこで紺と顔を合わせる。樹海都市側としては紺とアレンを引き合わせるつもりだったが、紺ちゃんは案内に忙しく、遭難者が出ないように目を光らせていたため、思惑通りにはいかず。

・紺の赤い目に惹かれる

・図書館でたまに見かけてはいたが、紺は学校では本を借りないため接点なし。紺さん、仲間といたし定期テストと大学受験で余裕なく、会釈くらい

・学内の成人式祝いの席で男装を解いた紺の姿を見て、性別が女だったと知って衝撃。その後関わりなく帰還。