カナダやアメリカで耳にするポットラック。起源や歴史など詳しいことはわかりませんが、簡単に言うと、食べ物を持ち合うパーティーの形式。
私が初めてポットラックを経験したのはこの仕事のついて間もない頃。今よりスタッフの平均年齢が高かったからか、話しに聞いた通りみんなキチンと「自分が調理したもの」を持参しそれはそれは豪勢だったのを覚えています。
ところが年長者が引退し、20代のスタッフの割合が高くなるにつれ、ポットラックの質は下降線をたどるばかり。パスタサラダやちらし寿司、フルーツサラダなど手をかけて作っていっても、他のスタッフがポテトチップス一袋とか、どう見ても2人分以上は入ってないと思われるスーパーで買った豆サラダ、ブドウ一袋などを堂々とテーブルに置くのを見るにつけ、落胆したものです。
そういう若いスタッフに限って「ポットラックをやろう」と言い出すのだから不思議なものです。一度嫌気がさして、プティン(フライドポテトにチーズとグレイビーがかかったジャンクフード)を買って持ってったら、みんなして「寿司サラダ(私はちらし寿司のことをこう呼んでいます)が食べたかったなー」などとのたまう始末。
頭にきたので、次にポットラックをしようという提案があった時には、同じ年で親友でもある同僚のナムとポットラックらしいポットラックをしようとみんなに提案しました。
後でわかったのですが若いスタッフはポットラックの意味をあまりよく理解していなかったらしく、おかげでこれ以降のポットラックの質はすこしアップしました。
それでもやっぱり人間性が出てしまうポットラック。
先日元上司の自宅でみんなで集まることになり、もちろんポットラックにしようということになりました。集まりの一週間ほど前に、同僚のタラが自分はバナナブレッドを焼いていくけど、みんなは何を持参するかをEメールでスタッフに聞きました。どんな返信があるか様子を見ていた私。2日しても誰も何も反応しないので、私は例によって寿司サラダを作っていくと全員に返信。すると先輩肌のナムがフルーツサラダを作ると宣言。さらに一番年長のスタッフはハムや野菜をトルティーヤで巻いたラップを、別のスタッフ達カニ肉を混ぜ込んだクラブディップを作るだの、パスタサラダを作るだの、すごくいい感じでメニューが加えられて行きました。若いスタッフ達もちゃんと学習したんですね。
そんなメールのやり取りの中、私と同年代のあるスタッフが恥ずかしげなく次のメールでみんなに返信。「私はパンとバター持ってく。」
パンと言ったって、自分で焼くならまだしも、パンなら3ドルも出せば袋にどっさり入ったのがそこらへんで買えるんです。しかもバターって…。これが日本だったら「私は御飯と醤油持ってきます」というようなもの。
ひとついいことがあったのは、以前ポテトチップス一袋を持ってきていた若いスタッフが、私のところにきてヒソヒソ声で「ちょっとあのパンとバターってひどいよね。」と言っていたこと。そうかおぬしもやっと学習したな!彼女は一口サイズのカプレーゼ風アペタイザーを作ると宣言していました。逆の立場になって初めて理解出来ることってありますよね。
ポットラック当時、素敵な自宅を開放してくれた元上司はみんなにたくさんのドリンク振舞ってくれました。
庭に面した大きなデッキがついていて、食事前にみんなでしばし鑑賞。
食事が始まるとみんなお互いの料理を褒め合いながら楽しくおしゃべり。下の写真は、始まってすぐに撮ったのであまり料理がのっていませんがこのあとどんどん加えられて、テーブルいっぱいになりました。
自分で料理を作ってきた若いスタッフ達が、例の彼女に聞えよがしに「これすごい美味しい!レシピ教えて!」「やっぱり手作りはいいね~」などと言っているのを聞きつつ、ふとパンの彼女を見ると、我関せずと言わんばかりに、お皿を山盛りにしておしゃべりに夢中。
ポットラックは人柄がよくでますね。