ある日のランチタイム、珍しくオフィスのスタッフのほとんどがランチルームで昼食をとっていた。


ひょんなことから、話題が怪談話に!日本にいるときには、どんなことがあっても避けたこういう話。でも、カナダに来てからの経験で、洋モノ(?)の怪談話は怖くないと決めつけている私は、最近では毎週金曜日のゴースト・ハンターの放送を指折り待つほどの変わりよう。(真夜中のお楽しみ~ゴースト・ハンター~の記事はこちら)


なので、上司(ヘザー)が昔働いていたレストランでの怪談話を始めた時には、真っ先に身を乗り出して聞いていた。


このレストランは昔、個人の病院だったらしく、院長はかなりのくせものだった様子。昔のことだから、病院で最後を迎える人もかなりいたらしい。


院長がなくなってから、どういう経緯でレストランになったのかは詳しくは知らないが、おいしいローストビーフを出すことでその後30年以上にわたり繁盛したらしい。そしてつい3年ほど前に、あまりの賃貸料金の高騰についていけず、店を閉めている。


ヘザーが働いていたころ経験したパラノーマルな現象は次のようなものがあったらしい。


ある晩閉めた後、片付けも終わり一息ついていると、3階建のレストランの3階部分に当たる床から足跡が聞こえてきた。この晩はヘザーとバーテンダーだけだったが、思わず顔を見合わせてかたまってしまったとのこと。もちろんこの3階部分は屋根裏で倉庫になっているので、従業員以外は入れない。数秒かたまった後、「出ましょう!」ということになり、電光石火の速さで外へ出たとのこと。


またあるときは、あるテーブルに閉店後、塩でSのイニシャルが書いてあったらしい。これにはみんな「誰か客がやったんだよー」と、当時も、聞いている私たちも信じなかった。でもヘザーは真顔そのもの。しかもその塩のSの字を、彼女は3回も見ている。いつも同じテーブルらしい。


こういう物理的なことは私も信じられない。


でも、ヘザーという人は、なかなかすごい女性で、波乱万丈の 人生を送った彼女の人生は、本にしても有り余るくらいのイベントであふれている。あまり詳しいことは書けないが、人生の表と裏をまばたき一つせず見てきた人である。こんな怪談話、彼女が経験した他のとんでもないイベントに比べればとるに足らないもの。こんなことでうそをついて作り話をする必要もないのが分かるので、私は信じられないけど、やっぱり信じてしまうのだ。


その塩のSが現れたテーブルでは、その同じ夏、3人の男性が食事中に心臓発作を起こし、病院に運ばれたそうである。


ここでまたおかしいのは、ヘザーにとっては心臓発作が3人そのテーブルで出たことよりも、心臓発作で床に倒れている人を、何食わぬ顔で「またいで」は入ってきた無礼なお客のことのほうが「信じられない」のであり、「こんなふうにまたいで入ってくるのよ、その客!」とジェスチャー交えて語ってくれた。


そのほかにも、このレストランでは様々なパラノーマル現象が起きていたらしく、それを目当てにたくさんの人がやってきたらしい。その証拠に、毎年夏に開催されるオタワのHaunted Walk Tourでは、このレストランが目玉の一つとしてフィーチャーされている。





        カナダの風に吹かれて
         (これがそのマンション!)


今年の夏は、絶対このHaunted Walk Tourに参加することを固く誓った私です。



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