水曜日の今日は、夫は早朝ホッケーの練習のあと家で仕事をするので、私は一人で出勤。私の町からオタワのダウンタウンまでやく30分強の車通勤である。

運悪く今日は、事故が途中で二つもあったため、ハイウェイは渋滞しまくりの超ノロノロ運転。パーキングについたのは、通常より40分も遅れて8時10分であった。上司には電話をいれておいたので、問題はないのだが、朝っぱらからぐったりしてしまった。

気をとりなおし地下のパーキングから、屋外に出るエレベーターに向かう。今日は10時からワークショップを担当することになっているので、準備もあり急がねばならない。

幸い、エレベーター乗り場に行くと、ちょうど一基がついたところ。ラッキー!先に待っていた人が結構いたので、私は一番最後に乗った。

もう少しでメインロビーというところで、いきなりドスンときた!心臓が置いて行かれたような、あの何とも言えないふわりとした感覚。びっくりして思わずきゃっと声が出る。そしてみな一瞬沈黙。"No way!" "Come on!"などとあちこちから声が上がる。

エレベーターはどうやら階と階の間で止まってしまったらしい。早速ボタンの近くにいた女性が非常ベルを鳴らす。しばらくして足元のほうから声がする。「みなさーん、大丈夫ですか?」「大丈夫だから、早く出してくださーい!」と私たち。

しばらくすると、足元から一筋の明かりが。どうやら下の階にいる管理会社の人が、その階のエレベーターの扉を開けようとしているようだ。なるほど、これはなかなかアクロバティックな展開なりそうだなと、ちょっとわくわく。「そちらの扉も自力で開けてみてくださーい」と言われたので、一番最後に入って、ドアの目の前にいる私と、隣にいた男性でずりずりっと開けてみる。20センチほど開けると、下の階の扉に5センチほどの隙間が見えた。レンチか何かでこじ開けようとしているらしい。

が、次の瞬間「セキュリティーの関係で、やっぱりエレベーター会社の人を呼ばなければなりませんので、30分程お待ちくださーい。」との声。これには一同、
OH NOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!

30分て!!!
この狭いエレベータの中に、30分!大人8人で、座るスペースだってない。しかもお互い見ず知らずの人たちばかり。

と、私の隣にいた女性が、30分て言うけど、どれくらい信用できるかわからないわよね、と不吉なことをつぶやく。さらにお互いコートを着ているものだから、エレベーターの中の温度が上がっているのが分かり、一人、また一人とコートを脱ぎ、少しでも快適にしようとしている。電話の電波が届かないため、オフィスに連絡することもできない。閉所恐怖症の人はどうするのであろうか。

ちょこちょこと、困ったねえ、とか、このエレベーターいつもこうだよね、とか話はするが、そう長くは続かない。私はガムを持ってきたことを思い出し、みんなに勧めた。歌でも歌おうかしら、と苦しまぎれのジョークを言うおばさんもいたが、みんなちょっと笑っただけで、もとの沈黙状態。私は自分を落ち着かせるために、立ったまま寝る練習をすることにした。

何度か監視会社の人から連絡が入り、私たちの無事を確認したあと、ついに8時50分、エレベーターは動き、ドアーが開いた。私たちは40分間エレベーターの中で立っていたことになる。放心状態の私たちは、お互いため息をつき、ちょっと苦笑いしながら、ではよい一日を、といってそれぞれの目的地に向かった。

STUCKしまくりの朝であった。