カナダの一番東寄りのこの州には、アイルランド系の移民が早くから定住したこともあり、その文化が根強く残っている。大西洋に面した海岸線が美しく、荒削りの大地に、流氷の流れてくる海。たくさんのムース(ヘラジカ)が生息し、夏には鯨たちが回遊してくる。今回の旅では訪れることのできなかった、西部の国立公園Gros Morneにいたっては、まるで映画Lord of the Ringsの世界に紛れ込んだような、絶景が見られる。
でも、私を何より虜にしたのは、ニュー・ファンドランドの人々の温かい心とホスピタリティー。そして彼らの歌声。首都セント・ジョンにはたくさんのパブがあり、週末に限らず、いつもビール大好きなローカルでいっぱい。そしてみんなで歌っている。これには心底驚いた。
アイルランド系移民の多い土地柄、パブで歌われる歌もギターをつま弾きながらのアイリッシュ・ソング。そして、だれもが知っている人気ナンバー(といっても内容は労働者向けで、漁師がどうした、魚が釣れた・釣れなかった、女にフラれた、ビール最高、などなど面白いものばかり)になると、パブにいる客全員がここぞとばかり声を張り上げて、心から楽しそうに歌いはじめる。いいなあ。
そして、運が良ければ地元のダンサーのダンスが見られる。ダンサーというには若干語弊があるような気もするのは、私たちが偶然目にしたダンサーは、なんと妙齢75歳のおじいちゃん。彼は私の3分の2くらいの身長で、バーに入った時から、お酒を飲んでいるわけれもなく、ときどきバーの中を歩き回ったりしているあのおじいちゃん何やってるんだろうと思っていたのだ。
そのおじいちゃんが、紹介を受けて、おもむろにステージ下のダンスエリアに立った。おじぎをしたかと思うと、いきなりタップダンスのような、またはラインダンスのような踊りを始めた。上半身を動かさないタップダンスという感じ。おじいちゃんの登場で、バーの熱気は最高潮に達した。みんな手拍子や口、足踏みなどでノーリノリだ!
かなり激しい踊りをおじいちゃんは見事に踊りきって、みんな拍手喝さい!満足げに退場したおじいちゃんに抱きついて「あなたの踊りがやっぱり最高!これからもがんばってね。」とキスしたりしてる若い女の子もいる。ちなみにおじいちゃんはTシャツにジーンズ姿だった。いいなあ。いいなあ。
私の独断と偏見に満ちた感想を言わせてもらえば、セント・ジョンのバーは沖縄の民謡居酒屋のようなう雰囲気。人々の温かさがしみじみ伝わってくる場所である。
楽しいお酒と歌の大好きな人は、きっと虜になってしまいますよ。
ダウンタウンにある楽器屋さん。バーで気に入ってどうしても買って帰りたかった、ニュー・ファンドランドの歌のCDを何枚も購入。

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