4年前に今の職場について、まず驚いたのが退社時間。




日本で教師をしていた時はほぼ毎日10時間労働が当たり前だったし、一般企業だって同じだったのはず。4時の退勤時間はあくまで名目上のもので、それが厳守されることなんてなかった。




仕事初日。何もかも初めてで緊張しっぱなしだった私は、退勤時間の4時が近づいても、当然のごとく残業するつもりで、まだ机の上の書類の整理整頓などしていた。すると、「バーイ。また明日ー。」なんて言う声がちらほら聞こえてくる。それでも気にせず仕事を続けていると、私の直属のスーパーバイザーであるマイクがやってきて「もう時間だから。早く帰る支度しないと・・・。」と促された。




あたりを見回すと、誰一人として残業する気配はなく、みんなそそくさとコートを着て、オフィスを閉めてエレベーターに向かっている。びっくりしたのと、新米のくせに皆さんを待たせては大変と、大急ぎで支度をして合流した。




外に出てからも、しばらく何が起きたのか信じられない。キツネにつままれたような気分だ。うちのオフィスはオタワの中心街にあるのだが、周りを見ると、帰途につく人たちで、道はあふれかえっている。どうやらうちのオフィスだけではないらしい。




もちろん、欧米の人々が仕事とプライベートの区切りを尊重することは、日本にいるときからなんとなく聞いていたが、これほどあからさまだとは思っていなかった。もちろん、年度末などの追い込み時や、どうしても終わらせなければいけないプロジェクトがあるときなどは、残業することもあるが、それも年に2・3回あるかないか。日本人のワーク・エシックからしたら考えられないことである。




いいか、悪いかは別として、4時完全退社について、うちのオフィスに関してのみ言えば「労働組合」かからんでくるらしい。残業なんかしてもらって、余計な手当を払わされるのは困る、という感もなきにしてはあらず。




今では、8時の始業から4時まで、いかに時間をうまく使ってその日のノルマをこなすかということにフォーカスするようになっているし。仕事そのものに対する真剣さやインテンシティーも、教師をしていたころと変わらない。唯一違うのは、4時までに終わらせねばという焦りがあること。それでも、4時以降のを有意義に使える保証があるのはとてもありがたい。いま日本に帰って、以前のように仕事することになったら、きっと倒れるだろうな…。やっぱり軟弱になったかな、私も。