チキ風呂 -9ページ目

チキ風呂

チキ風呂

「じゃあ、森口は?」

「うーん、あの人は一度試しているからな・・・・。二度も同じ手にはひっかからないだろう。」

「三原先生は?」

「あの人にはかかわりたくないんだよね」

これも却下だ。渡辺君は軽くため息をつくと、つまらなさそうに、机の上に置いてあった工具をいじりはじめた。

僕を仲間に選んだことを後悔しているのかも。次が気に入らなければ、この計画は無効になってしまうかも。いや無効にすることにしてほかの奴に声をかけなおすかも。そしてそいつと一緒に僕をバカにするかも。

ーやっぱあいつはだめだよ。全然使えない。

そんなみじめな思いをするのはまっぴらだ。みじめ・・・・・・・。

汚いプール掃除をさせられる。みじめ・・・・・・・。

罰を受けているところを見られる。みじめ・・・・・

だから人がきたらそぐ更衣室に隠れる。でもそこにはいってきたのは

そうだ、あの子はどうだろう。

「ねえ、森口の子供はどうだろう?生徒より子供を優先する先生をこらしめてやる。いいチャンスじゃないかな」

工具をいじっていた渡辺君の手が止まる。

「それ、いい。僕は見たことないけど、時々学校につれてきてるんだよね。」

渡辺君はあきらかに興味を持った様子だ。僕は心の中でガッツポーズをする。森口の子供がポシェットをおねだりしていたのに、買ってもらえなかった話もした。