高校入試という選抜試験を経て入学を果たした集団の中で初めて挫折を味わうことになる。今までは勉強において関心というか不安はなかったが、入学してからというもの勉強を投げ出し、心のどこかでは「俺は県内No1の高校に通っているのだ。」というしょうもないプライドで自分を守っていた。高校ともなると付き合うということに恥ずかしさや抵抗はそんなになくなってきて、うちの高校では勉強に没頭する奴と部活して色恋に走る奴の二極化が行われていた。そんな中学校とはまた一味違った環境の中で読んでいた漫画は中学時代よりも一歩踏み込んだ内容のものが多かった気がする。

 

 

9、いちご100%

高校入学直後に友達から借りて読んだ漫画である。リアルタイムでこの漫画を見ていなかった。というのも、いちご100%はなんとなく親や友達に読んでいるところを見られるのが恥ずかしいと中学時代に思っていたからである。今でもラブコメの金字塔となっていてジャンプ史上最高のラブコメだと思っている。この作品で河下水希ファンになったのは言うまでもない。作中のどの娘が好みかという話題はあの頃にジャンプを読んでいた人なら必ずと言っていいほどしたと思うが、大体は西野・東城のどちらかで意見が割れ、体を見る奴はさつきを選ぶ。しかし僕は異端だった。あのキャラクターたちの中で一番好きだったのはこずえちゃんである。これを理解してくれる人にまだ会ったことがない。とはいえやはり西野の破壊力は抜群で、セリフ回しにこれでもかというくらい男が女の子に言ってほしい要素が詰まっていた。Ananとかで特集組まれていてもおかしくない。かなり当時入れ込んでいたので最終巻を、いや、途中でも「うあああああ!」ってなったシーンは多かった。そして全巻読んだ後は身動きが取れなくなていたので堂々のランクイン。

 

10、僕等がいた

The暗いマンガと言っていいだろう。映画化もされたがあんまりピンときていなかった気がする。出てくる人全員のドロドロとした内面を描く作者のドロドロ感は脱帽である。高校をベースとした恋愛少女漫画であそこまで心は荒むのかと驚きを隠せなかった作品である。主人公ふらふらし過ぎだし。作品途中あまりのドロドロ感に作者も心が病んできたことが休載の理由となったと聞いたことがあるがあれは自分で描いてても確かに病みそうだ(笑)「うあああああ」というより、「ううううう、、、」となった作品である。

 

11、ブラックジャックによろしく

理系にいて何となく医学部を受験しようとしていたころに出会った漫画(高校の時はどれだけ医学部受験が辛いか知らなかった)。ブラックジャックによろしくは実際の医療の現場をリアルに感じることが出来るのだがそれ故医学部受験を断念した僕は全く向いていなかったに違いない(学力が一番の問題だろ!と突っ込みが入るが、、、)。ダウン症の子供に対する親の決断や尊厳死、精神病患者など、難しい決断を下さなければならない場面で自分はどうするだろう、どうやって対処していこう向き合っていこうということを本気で考えさせてくれた漫画である。この漫画は一度は見るべきであり多くのことを感じれるはずである。正直一巻読むごとに泣いていた。

 

12、初恋限定

こちらも河下水希作品である。キャラクター1人1人の恋愛模様を描いた作品だったが、なぜか最後は打ち切りで終わった。最終巻の中学生がどうしようもないどこにぶつけて良いか分からない思いをもってチャリで走り出すシーンはかなり好きだった。僕が好きだったキャラは別所今宵と江ノ本夕だったがこれも少数派な気がする。。。随所に男が喜びそうなセリフ回しや仕草を入れてくるあたりはさすが河下水希節といったところであろうか。あとは曽我部の初恋話も中々見ごたえがあった気がする。自分の好きな人を年上の兄ちゃんに取られるという誰もが経験しそうなことを上手く行動やセリフに落とし込んでいた気がする。最後のメインキャラクターでの読者への問いかけに「おおおおお」感が出たので知名度は低いかもだがこの作品を推しておきたい。

 

13、モテキ

高校まではいわゆる非現実的というか少し現実とは乖離していて自分を重ね合わせるような漫画は読んでいなかったのだが、初めて地に足をついた漫画を読んだんじゃないかと思う。この漫画は今でもたまに読み返すが、この漫画を読むと童貞時代のもんもんとした感じとか、ボディータッチとかのタイミングとか一生懸命考えていたことを思い出す。主人公ユキオと出会う女の人のリアルさは凄い。この漫画は通常読者に夢をもたせる感じでボカスようなところ(少女漫画など)をしっかりと描いていて逃げていないのである。キスシーンや濡れ場や男の衝動的な欲を満たす部分での心理描写など細かに書いていて、誰もが共感できる仕上がりになっていてさすが久保ミツロウ先生といったところである。映画も長澤まさみが良かったし、原作とはまた違った良さがあった。

 

14、花とミツバチ

なぜこの漫画と出会ったのかはあまり良く覚えていないが、恐らく親が自分用に買ってきたのを何となく見たのだろう。舞台はいわゆるイケイケの高校でモテたいために自分を変えることに奮闘する漫画である。眉毛をいじったり脱毛したり髪型を決めたり誰もがモテるために一度は通る道を上手く描写している。作中で顔もかっこよくなくデブだった山田という男がいるのだが、やたら自信を持っていて自分に卑屈じゃなかった。それを見た時、男がモテるために一番必要なのは顔でも頭の良さでもファッションセンスでもない、「自信」だと強く意識したことを覚えている。また、この漫画を見て太田サクラというギャルが以外に性格が良くて中身もしっかりしているとこを見て、ギャルも見た目で判断されるが中身は意外と性格良いんじゃないかと思ったきっかけでもある。

 

 

高校時代に読んだ漫画は中学とは異なり自分と歳が近くなってきたからなのか感情移入して漫画を読み恋愛とはこういうもんだ、社会とはこういうもんだと分かって気になっていたのも事実である。これは高2病だったのかもしれない。。。