①三叉神経痛による歯痛
繰り返し発作が起きる神経痛の一つである三叉神経痛は,歯を触ることで発作が起きたり,あるいは発作の痛みが歯に広がったりする場合があります。いずれの場合でも,突発的で,鋭く,自発性の痛みとして特徴づけられる発作的な神経痛の痛みです。しばしば歯への麻酔によって発作が消えたりすることから,歯の病気と間違えるることがあり注意が必要です。痛みが激烈なだけに訴えも強く,歯科医師は何らかの対処法として,歯の神経をとったり,歯を抜いたりすることもあります。『マイクロスコープ』
②帯状疱疹による歯痛
帯状疱疹は,感染した神経の分布域に正確に沿って重度の痛みが発現する,ウイルスが原因の急性の神経の炎症です。歯や口のまわりの神経での発生は割と頻度が高く,その中でも眼のまわりの神経に最も多く発生します。顔の真ん中や下のあたりの神経にも起きます。この場合,顔の真ん中の場合は上あごの歯に,また顔の下の場合は下あごの歯に,歯髄炎と類似した症状を生じることがあります。診断を確定するための水泡形成までに数日かかることから,最も初期には歯の痛みだけが生じることも稀ではありません。何ら徴候が見当たらないにもかかわらず歯に激痛が生じた場合,口腔内の水泡形成の有無を診査する必要があります。
③非定型性歯痛
患者は顔面に生じた原因不明の痛みに悩み,上顎のほとんどの歯の抜去を歯科医師にお願いし,抜歯されたが,痛みは消失しませんでした。10年近く悩まされた痛みは,当院において非定型歯痛の診断のもとに三環系抗うつ薬の投与により,約3ヶ月で消失しました。
神経障害性の歯の痛みのうち持続的なものは外傷,歯の神経をとること,簡単な抜歯や外科手術後の損傷に伴って生じることがあります。この時,歯がないのに歯の痛みを訴える場合があり,この病態を一般的に非定型歯痛と呼んでいます。痛みは持続性ですが,その原因となる所見はなく,局所刺激に対する反応や神経ブロックの効果もはっきりしません。三環系抗うつ薬投与が有効とされています。しかしながら非定型歯痛は,きれいな歯においても生じることがあり,まだ原因や病態ははっきりしていません。
『超音波スケーラー』.