ご無沙汰しておりました、ふくちゃんです。

実は、昨年9月より、仲間たちと温め、練ってきたプロジェクトがありました。
発達障害の子どもたちが、本の世界を楽しめるようになったら、素敵だ。(あ、おけちゃん、ごめん^^;)
それが実現できるような、アイテムって、ないの?
ないみたい・・・。

だったら、作ってしまえ!!!

・・・出来ました。
一年かけて、趣旨に賛同してくれた仲間たちと、作りました。

『本ナビ』http://hon-navi.com
というサイトです。

ここにいたるまでの経緯は、以下です。(本ナビ、掲載文)


『普通級は、もう限界かもしれない。』




そう思ったのは、次男が小学校5年生に進級して早々の、5月のこと。


まだ新しい国語の教科書を前に、私と息子は頭を抱えていました。




私は40代の主婦です。


家族は4人。夫と、高校生の長男。


そして、広汎性発達障害と診断された次男。只今小学6年生です。




発達障害と一口に言っても、アスペルガー・高機能、知的障害などなど、内容は様々です。


次男の場合、健常児とは言えないかもしれないけど、障害児とも言い切れないかもしれない。しかし現状を見る限り、このままだと、この子は社会生活が困難になりそうだ・・・。『広汎性』とは、こういう場合にもつけられるようです。




3才で診断されてから、幼稚園と並行して地元の療育施設に通いました。


その後、地元公立小学校に入学。


現在、普通級に在籍しながら週に2日、情緒障害児特別支援学級(以下、通級)に通っています。




1年生から4年生まで、普通級・通級の先生方、携わってくださる周囲の方々のお力を借りて、なんとか普通級の勉強を続けてきました。親子で「難しいねぇ・・・」を連呼しながらも、ゆっくり時間をかけて何度でも説明する。必要最小限に的を絞って、学習する。少しでも、得意なことを伸ばす。




本人も努力してきましたが・・・どうしても、何度説明しても、難しいこと。


でも今の時代、避けて通ることのできないこと。




それは、読解力。


本を読み、言葉だけで場面や登場人物の心情を想像・理解すること。人間関係や作者の意図を読み取ること。




言語理解や想像力が弱く、単語のバリエーションが少ない次男にとって、読書はもっとも苦手なことの一つなのです。


学年が上がるにつれ、普通級の教科書、特に国語の教科書に掲載されている物語や文章は難易度が上がり・・・、次男は授業中に自分の爪を噛むようになりました。


暇つぶしと、ストレスからくる自傷すれすれの行為です。いつ見ても深爪している、少し赤みを帯びた指先を見るにつけ、胸が痛みました。それでも、なんとか。授業についていってほしい。祈るような気持ちでした。






ここで、冒頭の話に戻ります。




それは5年生に進級し、音読の宿題をしていた時のことです。


音読は得意な次男。すらすらと読み進めるのですが・・・物語の難解な人間関係と、難しい単語の数々。大人でも一度では意味が計りかねるストーリーに、私は唖然としました。




今までとは、比にならない。5年生は、こんな難しい内容を理解しなければならないのか。


うちの子に、これを説明して理解させるのは、無理だ。




以前、教科書に出ている物語の感想文を書く宿題があり・・・学校の授業ではわからなかった、と本人が言うので、私が物語の内容を説明したことがありました。


あらすじを言って聞かせ、わからない単語の意味を説明しました。言葉だけでは理解できないので、インターネットから画像を探して、見せました。




例えば、日常会話では使う機会がない『たいまつ』や『集落』という単語、または『燃え尽きる』や『なみなみと注ぐ』という言い回しを、言葉だけで説明してもピンときませんが、映像を見せれば、一目瞭然。


「これか、こういうことか。」と、子ども自身が納得できるのです。




親子で携帯の画面をのぞき込みながら、一つ一つ、わからない単語や言い回しの画像を検索していきました。次男は、検索していく途中に出てくる関係のない映像やネットのCMに興味を示し、本筋から外れることもしばしばで・・・なんとか、物語を理解することが出来たのは、開始から2時間後のことでした。




わかった!という息子の満足感と、やりきった!という私の達成感はありましたが・・・くたくたに疲れ果てた私たち。


肝心の、宿題である感想文を書く余力など、残っていませんでした。




もう一度、いや、今後、何度でも、この作業を繰り返さねばならないのか。




普通級は、もう限界かもしれない。




教科書を前に、私と息子は、打ちひしがれました・・・が・・・。




私と息子が2時間かかった作業。


言語理解・想像力が弱く、視覚優位の息子が、もっとも理解しやすい素材は、映像。


文章のあらすじや、わからない単語の意味をわかりやすく伝えるには、そのものを観ること。




この作業が、もっとスムーズにできれば。


私が、いや、誰もが我が子にあった教材を、簡単に作れるならば。


そんなことが可能になれば。まだ、いける、かもしれない。




そうだ、本嫌いの次男のネックになっている部分がクリア出来れば、本の世界を楽しむことが出来るかもしれない。




いろいろな理由で本を楽しむことが出来ない子どもたちが、言葉の意味そのものを映像化したもの、そのものをずばり観ることができる自分に合った教材を使うことで、難解だと思われてきた文章や物語が理解でき、沢山のすばらしい文学の世界を楽しめるようになるなら。




こんな素敵なことはない!!






コンセプトは『発達障害の子どもたちが、本の世界を楽しむために。』




このプロジェクトには、趣旨に賛同してくださった粋な仲間が集まりました。




皆さんに、届きますように。届けられますように。


夢に向かって、プロジェクトは進行中です。

9月7日。今夜、10時にフェイスブックでオープンします。
http://hon-navi.com

もし、アクセスできないようでしたらYouTubeに、第一弾として物語を一つUPしています。
『アリとキリギリス』http://www.youtube.com/watch?v=JnfF7JkE400

お子さんと一緒に、ご覧いただけたら。
こんなに嬉しいことは、ありません。