孤島の鬼(江戸川乱歩)③ | チャレンジの日々

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今日も、「孤島の鬼」、続きです。

岩屋島の諸戸屋敷に潜入した諸戸と箕浦。
丈五郎の犯行の証拠を探している中、何と諸戸まで、丈五郎によって秀ちゃん吉ちゃんと同じ土蔵に閉じ込められてしまいます。



そして、さらに箕浦まで、鬼畜丈五郎に殺されそうになります。
箕浦は、丈五郎の罠にかかったフリをして、自分は殺害されたものと丈五郎に思い込ませ、何とか諸戸や秀ちゃん吉ちゃんを助け出そうと画策します。

箕浦は、聡明な諸戸を軍師とし、土蔵の窓の上下で連絡を取り合い、何とか諸戸と秀ちゃん吉ちゃんを救出します。
プラス、諸戸屋敷に幽閉されたかたわ者たちも。。。。。

あ、1つ注釈として。
現代、差別用語として捉えられるかもしれない単語は、言い換えの言葉を選ぶよりも、乱歩の言葉を尊重したい為に、そのまま記載しています。
嫌悪を感じる方がいらっしゃったら申し訳ありません。

諸戸は、両親(丈五郎夫婦)を、自分たちの替わりに土蔵に幽閉し、逃げ出します。

そして、諸戸は箕浦の初めての恋人・初代が残した家系図を記したノートに秘められた宝の暗号も解きます。

ここら辺からですね。。。。。
結構、複雑なので、友人にも説明したことがありますが、なかなか理解してもらえなかったので、なるべく簡潔に書きますね。

一番分かりやすく説明するには。。。。
まず、この岩屋島の鬼畜・丈五郎について書くことが一番ではないかと思いますので、丈五郎の生い立ちを書きますね。

何とか分かってもらいたいです。
この物語、ホントに面白いので。

最初にですね、「樋口家」という樋口姓の一族があります。
樋口家は、古く倭寇と言われる海賊の一家でですね。
海で、莫大な財宝を得ていた訳です。



樋口家一族は、その財宝を領主に没収されまいと、深く地底に隠したのです。
そして、樋口家一族にだけ分かるように、系図帳に暗号としてその場所を記して引き継いできました。
ところが、ある代の人が卒中で亡くなった為、言い伝えが途絶えてしまい、宝の在り処は、誰も知りえぬ状態となっていたのです。
諸戸丈五郎がその系図帳の秘密に気づくまでは。。。。

えっと、丈五郎の生い立ちですね。
樋口家の万兵衛という家長がですね、かたわの女中に手を出して、生まれたのが海二。
この海二が、かたわの女中に輪をかけた醜さだったので、万兵衛は手を付けた女中も海二も追い出すのです。
最低男ですね、踏みつけてやりたいです。
私的配役、万兵衛↓


かたわ者の女中と子は、山中を彷徨う生活の中、女中は世を恨みながら亡くなります。


万兵衛には正妻も勿論いまして。
正妻との間の子が、春雄と言います。
春雄は、琴平梅野という美人と結婚。
2人の間に生まれたのが、美しい春代。
春雄は春代を授かるも、病死。

そこへ!
万兵衛が手を付けた女中の子、海二が、諸戸丈五郎と名乗って島へ戻ってきます(-_-;)
そして、未亡人の梅野に恋をして、手籠めにしようとするのです。
梅野は、
「かたわ者に手籠めにされるくらいなら死んだほうがマシだ」
とか捨て台詞をして、娘の春代を連れて、実家へ逃げ帰ります。

まあ。。。。。
言い方もありますよね、断るにしても。
障害や容姿なんて、自分ではどうしようも出来ない部分をケチョンケチョンに言われたら、そりゃあ。。。。人格否定されたように感じますよね。。。
梅野も、もっと相手を傷つけないように言葉を選ぶべきだったと思います、私、ハイ。

そんな風に恋に破れた丈五郎は、この世を呪う鬼と化したのです。
丈五郎は、自分以上に醜いかたわ娘を探して結婚。
この世界に対する復讐劇の始まりです。
より醜い子が生まれますようにと祈り、さらにはかたわ者を見つけ出しては連れ帰ります。
そして遂には、この世の人間全てをかたわ者にしてやろうと、健常者を誘拐しては、醜い身体に改造し出したのです。。。(-_-;)

ちょっと。。。アレですね、残酷さも加えることで、物語をより怖くしたかったんでしょうかね、江戸川乱歩先生。
ここら辺は、ハチャメチャです。
(ホラー作品好きな方には、魅力的な部分なのでしょう)

ということで、今日はこの辺で。。。。
続きは、次回です。