トールキン 旅のはじまり (2019) | チャレンジの日々

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解説
『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズの原作「指輪物語」や「ホビットの冒険」などの著者J・R・R・トールキンの半生に迫る人間ドラマ。母親や学生時代の仲間とのエピソード、運命の女性との恋模様などを映し出す。『X-MEN』シリーズなどのニコラス・ホルトが主人公、『あと1センチの恋』などのリリー・コリンズが彼の最愛の女性を演じる。

あらすじ
トールキン(ニコラス・ホルト)は3歳のときに父が他界し、イギリスの田舎で母と弟と生活していた。だが母親も12歳のときに突然亡くなり、母の友人のモーガン神父が後見人としてトールキンを救ってくれた。やがてトールキンは名門キング・エドワード校に入学して3人の友人と出会い、芸術で世界を変えることを約束する。

以上、映画情報サイトより引用




『ロード・オブ・ザ・リング』の作者の伝記映画ですね。

何というか。。。。。。。とても可哀そうで。
その抗うことのできない運命に、胸がチクチク痛みました。。。
(『ロード・オブ・ザ・リング』って私、実は見ていないんですけれど(-_-;))

幼くして父を亡くした上、病弱な母は、シングルマザーで必死に家族を守る生活に倒れ、トールキンが12歳の時に亡くなってしまいます。

弟と2人、孤児となってしまったトールキン。
親が敬虔な信者だった為に、トールキン兄弟は教会の助けで、上流階級の家庭であるフォークナー夫人の屋敷に迎え入れられます。

トールキンはとても聡明で、言語学に長けていたこともあり、名門の学校に入学させてもらえます。
上流階級の子息が通う学校なので、孤児のトールキンは、最初こそ引いた感じで扱われますが、その聡明さから、すぐに周囲に認められます。


孤児であることをちゃんと理解し、友として、そして友情以上の絆をトールキンに捧げる少年たち。


いいんですよねぇ。。。。。
だからこそ、人っていいんですよね。

その友情は、大学生になっても変わらず続きます。


しかし、時代は第一次世界大戦へ。。。。。

青年たちは、国の為に出征することになります。


ソンムの戦いという過酷な激戦に巻き込まれ、仲間4人のうち2人は戦死。
残った2人もPTSDに苦しみます。

それでもまだ、トールキンは文学への情熱があったおかげで、名作の数々を残すんですけれどね。

「戦争」というものに巻き込まれた時代に生きた人々というのは、人間社会の最大の犠牲者なんだと思います。
戦争さえなければ、大切なかけがえのない「時間」を、自分の為に使えたのに。。。
戦争さえなければ、大切なかけがえのない仲間を亡くすこともなかったのに。

そしてもう1つ。
トールキンの生きたイギリスは階級社会で、孤児であると、生きる上で様々な制限がかかります。
まあそれは、どこの国でも何かしら過酷な状況になるものかもしれませんが。
それがやはり、見ていて辛かったです。
どんな環境であれ、同じ人間なのにと。。。

彼は孤児であったことと、そして戦争の時代に生まれてしまったこと。
2つも自分ではどうしようも出来ない運命に翻弄されたトールキンの人生。

それでも、成功を収めた彼に脱帽です。
良い映画でした。

私的評価星星星